──漫画『ジョジョの奇妙な冒険』から生まれたスピンオフをドラマ化し、話題を呼んだ人気シリーズが『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』として実写映画化。高橋一生さん演じる漫画家・岸辺露伴の知られざる青年期を、長尾さんが演じている。
「ある日、マネージャーさんに〝ジョジョ好きでしょ。はい、岸辺露伴〟と台本を渡されたんです。もう唐突に(笑)。びっくりしすぎて〝僕? 〟って言っちゃいました。まさか自分が演じることになるなんて考えたこともなかったですから」
──原作を好きになったきっかけは?
「ジョジョ好きの友達の影響で読み始めたら、一気に荒木飛呂彦先生のファンになりました。漫画は好きでよく読んでいるけど、ジョジョは異様な空気を放っているというか。絵のタッチやキャラクターの表情、特殊な色使いも含めて、他とは違う独特な世界観を感じましたね」
──原作への愛が強いからこそ、演じることに怖さもあったのでは?
「もちろんありました。最初は一生さんの岸辺露伴をイメージしながら台本を読んでいたんですが、監督から〝一生さんを意識しないでほしい〟と言われたんです。〝自分なりの岸辺露伴を演じてほしい。俺も一緒に作っていくから〟という言葉は、すごく心強かったです」
──岸辺露伴には相手の人生の体験を本にして読む特殊能力「ヘブンズ・ドアー」が。長尾さんがその能力を使って人生をのぞき見してみたい人はいますか?
「人の人生を勝手に読むのは気が引けて……。だから自分の過去を読みたいですね。記憶と実際に起きたことって、違うこともあるじゃないですか。幼い頃の出来事を読み返してみたいです。ただ、そこに何か書き込めるとしても、僕はしないと思う。これまでの思い出が変わってしまうのも、人生が変わってしまうのもイヤ。皿洗いが面倒くさいなとか思う今の自分の欠点だって、頑張って努力すれば直せることばかりですから(笑)」