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フィギュアスケート

【高橋大輔×友野一希】『滑走屋』での共闘と生まれた絆

2024.07.09更新日:2024.07.24

高橋大輔×友野一希 今、共鳴するふたり。

現在発売中の7・8月合併号では、フィギュアスケーター・高橋大輔さんと友野一希さんの夢のふたり語りを掲載中。特集ではお二人の出会いから現在に至るまでの関係性にフォーカスを当て、それぞれのスケート人生の中でお二人の世界が交差することとなったいくつかの出来事をキーワードに、過去、現在、未来を深堀り。
ここでは『アイスエクスプロージョン』、『滑走屋』などアイスショーでの共演を経てのお二人の現在地をクローズアップ。この続きは本誌で!

前回の記事もチェック

二人の現在地。

(友野さん)ジャケット¥38500・パンツ¥27500/アタッチメント表参道(アタッチメント) ニット¥8990/アンフィーロ 靴¥94600/パラブーツ 青山店(パラブーツ) ネックレス¥57200・ブレスレット¥41800・リング¥44000/マリハ 靴下/スタイリスト私物 (高橋さん)ジャケット¥55000・シャツ¥27500・パンツ¥29700/CULLNI FLAGSHIP STORE ネックレス¥37400・イヤカフ¥15400/TEN. 靴/スタイリスト私物

アイスショーで生まれた信頼関係

『滑走屋』での共闘

――2月に開催された高橋さんフルプロデュースのアイスショー『滑走屋』。75分間ノンストップといった数々の革新的コンセプトはもちろん、座長を支える友野さんの姿も話題に。

高橋 新しいショーを作るとなった時、一希の存在は最初から構想にありました。ただ現役にとっては前後に大きな大会がある微妙な時期。でも彼なら出てくれるだろう、というか、出てくれないと困るなって(笑)。

友野 連絡が来た時は「そら来た! よし、行きます!」って即決でした。ただフリーの「Halston」を滑ってほしいというお願いには「え? 1日3公演フリー?」とはなりましたけど(笑)。

高橋 申し訳ないとは思ったよ(笑)。

友野 でも僕はフリーを依頼してもらえるのをずっと待っていて、期待もしてた。盛り上げて、じゃなく雰囲気をがらっと変えてと言ってもらえたことが何よりうれしかったんです。

高橋 一希はオールラウンダーで、どんな曲も滑ることができる、ショーに絶対に欠かせない存在。構成上、緩急がないと見る側も疲れちゃうし、盛り上がりに欠けるから、ちょうど流れを変える演目が欲しかった。

友野 「Halston」の前後の雨が降る演出はどこから?

高橋 傘のシーンはその後に続くソロのキャストをひもづける役割。街の雑踏の中のさまざまな人たちの姿を見せることで、これから個々のストーリーが始まるということを示したもの。それに雨の音がばちっとはまったから入れた。

友野 全日本選手権で「Halston」を滑ったとき、最後のスピンで起こる拍手が雨みたいだと言われていて。そこからだと思ってました。

高橋 知らなかった! すごいね。
他にも一希は急遽代役をやってくれたり、アンサンブルスケーターのフォローもやったり活躍してくれた。

友野 大ちゃんが『滑走屋』にかける思いは痛いほど感じていましたし、何かあった時にやるのは自分だろうと。若手の間に入って解決するのも僕しかいないと思っていたので。

高橋 間に入る人が一番難しいよね。

友野 『滑走屋』の前に大ちゃん演出のアイスショー『アイスエクスプロージョン』に出たことで、イメージがあったからできたんだと思います。

高橋 本当に大変なことばかりだったから助かった。初演後はほっとして涙が止まらなかった。

友野 あんなに泣いてらっしゃるのを見たのは初めてでした。

高橋 我慢したけど無理だった。全然うまくいってないんだよ? でもその前まで幕を開けられないって思ってたから。イヤでも本番は近づいてくるし、お客さまも楽しみにしてくださっているし、あとはみんなを信頼してやるしかないって。ぎりぎりまでは頑張るけど、幕が開いちゃったらもうみんなの仕事になる。楽しくやってくれれば、それが伝わるはずって。それ以降は全部もらい泣きだけど、あの時はマジの男泣きってやつ。

友野 気持ち的にもやばかったんじゃないかと思うんです。僕だったらとり乱してしまうほど、ずっとリンクに立ってらした。でもみんなの前ではいつも冷静な姿を見て「じゃあどう返す? もうやるしかないでしょ」と全員の士気が高まった。リーダーとは、こういう人のことなんだなと。

高橋 ううん。みんながいいスケーターだったから。全員が同じ方向を向いてくれたからできたんだなって思う。

友野 それは高橋大輔さんだったからですよ。
そうだ、個人的に大ちゃんと対峙するように滑るシーンは世代を超えた気がして熱かったです。

高橋 あの部分は気持ちよかったよね。

友野 生意気だけど、大ちゃんに負けないようにと、あの瞬間だけはまっすぐ目を見ることができました。

高橋 その気迫は伝わってましたよ。

友野 あんなにもスケートが好きという気持ちが共鳴し合ったショーは他にないです。『滑走屋』を通して大ちゃんと仲間になれたような感覚でした。

2024年7・8月合併号掲載

Profile

Evoto

高橋大輔

フィギュアスケーター

1986年3月16日生まれ、岡山県出身。トリノ、ソチ五輪入賞、バンクーバー五輪で銅メダル獲得など、数々の日本男子初の歴史を打ち立ててきたパイオニアで、世界中のスケーターの永遠の憧れの存在。引退を経てシングルに復帰、その後初挑戦となったアイスダンスでもナショナルチャンピオンに。現在はプロスケーターとして氷上エンターテインメントの可能性を模索し続けるスケート界のフロントランナー。

Profile

Evoto

友野一希

フィギュアスケーター

1998年5月15日生まれ、大阪府出身。2023年世界選手権6位。自分が心から楽しむことを大切にする生粋のエンターテイナーで、演目の世界観に引き込む力は唯一無二。あらゆる経験を強みに還元してきたスケーターであり、表現には人一倍貪欲な魅せることのスペシャリストゆえ、常にアイスショーに引っ張りだこ。責任感が強く、ショーでは自ら海外スケーターや先輩、後輩の橋渡しの役割を務めることも。

Staff Credit

撮影/山本雄生 ヘア&メイク/宇田川恵司(heliotrope・高橋さん) 鈴木かれん(友野さん) スタイリスト/折原美奈子(高橋さん) 秋山貴紀(友野さん) 取材・原文・web構成/轟木愛美 web編成/ビーワークス

続きは

『氷艶hyoen 2024 -十字星のキセキ-』

スケート×日本文化を融合させたストーリー仕立てのアイスショーの第3弾。宮沢賢治の名作『銀河鉄道の夜』をモチーフに、氷上に新しいエンターテインメントの形を映し出す。演技や歌唱シーンのほか、『滑走屋』で活躍したメンバーも多数出演するなど見どころ満載。6月8日〜11日、横浜アリーナにて開催。7月27日11:30~、8月31日12:00~日テレプラスにて放送予定。

高橋大輔×友野一希「今、共鳴するふたり。」

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