フィギュアスケート

【ミラノ・コルティナオリンピック】フィギュアスケート団体戦のルールやポイントを初心者向けに解説!日本代表全選手紹介も【2026】

2026.01.30

フィギュアスケート最強国を決める団体戦

ミラノ・コルティナオリンピックフィギュアスケート日本出場メンバー

いよいよ2月6日より、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックが開幕。
フィギュアスケート各種目の個人戦に先駆けて開催されるのが、各国総力戦で順位を争う「団体戦」。

そこで、「個人戦は見るけど、団体戦のルールはよく知らない」という方のために、基本ルールから個人戦との違い、見どころ、そして個人戦の応援にも役立つ、日本代表選手情報を解説!

これを見ればミラノ・コルティナオリンピックがもっと楽しめるはず!

フィギュアスケート団体戦とは?

2014年ソチオリンピックから新たに加わった、フィギュアスケートの団体戦。
男女シングル、ペア、アイスダンスの4種目をチームで戦い、それぞれの順位に応じて獲得したポイントの合計でメダルを争う。

日本は過去3大会に出場。ソチ五輪、平昌五輪ではともに5位と、メダルには届かなず。
しかしカップル競技の躍進もあり、日本の総合力が一気にアップ。前回の北京オリンピックでは悲願の表彰台に上がり、銀メダルを獲得した。

フィギュアスケート団体戦のルール

エントリーできるのは、最大10か国。
オリンピック前シーズンの世界選手権などのISUチャンピオンシップスと、オリンピックシーズンのグランプリシリーズにおける、各国選手の獲得ポイントの合計によって出場国が決定される。

予選では、男女シングル、ペア、アイスダンスの各選手がショートプログラム(アイスダンスはリズムダンス)を演技。獲得点の上位5か国が決勝へ進出し、フリースケーティング(アイスダンスはフリーダンス)を演技する。決勝では、4種目のうち、2種目まで異なる選手(組)が演技することができる。

順位ごとのポイントは、1位10ポイント、2位9ポイント、3位8ポイント……10位1ポイントと定められており、その合計でチームの順位が決まる。

POINT

団体戦と個人戦は別の競技。点数が引き継がれることはない。
順位に応じたポイントの合計で勝敗が決まるため、「全カテゴリーで大崩れせず上位をキープする」ことが重要。チーム全体の力が問われる競技。
個人戦の前にオリンピック特有の空気感や、氷の感触を実戦で確認できる。

団体戦に出場予定の国

アメリカ/日本/イタリア/カナダ/ジョージア/フランス/イギリス/韓国/中国/ポーランド

フィギュアスケート日本代表選手

団体戦メンバーが正式に確定するのは競技前日。
ここでは出場可能性のある選手として、フィギュアスケート日本代表メンバー全員を紹介。各選手のプロフィールは、個人戦観戦にも役立つはず!

男子シングル

男子シングル日本代表は、ノービス・ジュニア時代からともに戦い、切磋琢磨してきた幼なじみの鍵山優真選手、佐藤駿選手、三浦佳生選手。「いつか3人でオリンピックに行こうね」と夢描いてきた3人が、そろって約束の地・ミラノへ。

鍵山優真

鍵山優真選手のプロフィール紹介写真
AフィギュアS グランプリファイナル 第2日 アフロ

北京五輪銀メダリスト!経験豊富な日本男子のエース

日本男子シングル代表の中で、唯一の五輪出場経験を持つ22歳。初出場の北京五輪の団体戦では、プレッシャーのかかるフリーを任され、自己ベストを更新する208.94点という驚異的ハイスコアを叩き出し、日本のメダル獲得に大きく貢献。個人戦でも銀メダルを獲得し、日本フィギュア界の最年少メダリストに輝いた。
高い加点(GOE)を引き出すジャンプを武器に、技術点で得点を積み上げる一方、スケーティングスキルと表現力の完成度も高く、演技構成点でもトップを狙える。技術・表現ともに隙なしのスーパーオールラウンダー。フィギュアスケートの理想を体現するような正統派の極致とも言える滑りで、チームを勝利へと導く存在だ。

鍵山優真選手のプロフィール

佐藤 駿

佐藤駿のプロフィール紹介写真

現役日本人最高峰の「4回転ルッツ」の使い手。世界に誇る天才ジャンパー

超高難度の4回転ルッツをジュニア時代から武器にする、天性のジャンパー。5種類の4回転ジャンプを操り、その素早い回転とシャープな空中姿勢は世界屈指の美しさを誇る。北京五輪アイスダンス金メダリストのギヨーム・シゼロン選手が振付を担当し、表現面でも劇的に進化。稀代のジャンプセンスに加え、シゼロン選手直伝の洗練された身のこなしと深いエッジワークを手に入れ、プログラムの芸術性を押し上げている。
今季は怪我からのスタートとなったが、不屈の精神で乗り越え、ジャンプの安定感も着実に向上。さらに、宇野昌磨さんからの助言を受け、「失敗を恐れずに行く」という意識が芽生えたことで、メンタル面でも大きく成長。グランプリファイナルでは2年連続表彰台。2025年全日本選手権では2位に。団体戦開幕日の2月6日は、22歳の誕生日。

三浦佳生

三浦佳生のプロフィール紹介写真

爆速ダイナミックジャンプで
チームの勝利を加速させる起爆剤

爆速のスケーティングから繰り出される迫力満点のジャンプがトレードマークの20歳。ついた異名は、イタリアの高級車になぞらえて“ランボルギーニ・ミウラ”。マックススピードから放たれるジャンプは飛距離抜群&インパクト満点で、出来栄え点でも高い加点がもらえる大きな武器。パワフルな滑りと、ここぞという時の勝負強さは、団体戦においてチームに勢いをもたらす起爆剤。
先シーズンは怪我もあり、波のある戦いが続いたが、今シーズンは「ご機嫌」なメンタルを保つことで、本来の爆発力を取り戻している。2023年の四大陸選手権では大会史上最年少での優勝を飾り、さらに直近の同大会でも再び頂点に。イタリアの名車「ランボルギーニ」が、ミラノの地でどんなスピードを見せるのか、その爆走力に期待。

女子シングル

坂本花織

坂本花織のプロフィール紹介写真

チームの大黒柱。集大成のシーズンに挑む、誇り高きエース

日本女子史上初となる3大会連続の五輪出場を果たす25歳。北京五輪個人銅メダリスト、世界選手権3連覇という輝かしい実績をもつ、日本の、そして世界のエース。国別対抗戦でも2大会連続で主将を務めるなど、チームの精神的支柱としても欠かせない存在。
年末の全日本選手権では、国際スケート連盟(ISU)非公認ながら今季世界最高点を叩き出し5連覇。魅力はリンク全体を飲み込むような圧倒的スピードと、そこから繰り出される豪快な幅のあるジャンプ。滑り出した瞬間空気が一変するほどのリンクの支配力は世界最強。
そして、エースという立場にありながら、休む暇のない複雑なつなぎを詰め込んだ濃密なプログラムで常に自分に挑戦を課す「求道者」としての姿勢こそが、彼女が長く世界に君臨してきた理由。今季限りで現役引退を表明しており、一蹴りでどこまでも伸びていくあのスケーティングが見られるのも、あとわずか。ショート、フリーともに彼女のスケート人生を凝縮したようなプログラムは、観る者の心を強く揺さぶって離さない。

中井亜美

中井亜美のプロフィール紹介写真
AフィギュアS グランプリファイナル 第2日 アフロ

トリプルアクセルきらめく、17歳のトゥインクルスター

浅田真央さんに憧れてスケートを始めた、代表メンバー最年少の17歳。今季シニア本格参戦ながら、シーズン初戦のグランプリシリーズフランス大会ショートプログラムで、大技トリプルアクセルを成功させ、デビュー戦でいきなり優勝を果たしたライジングスター。ショート、フリーともにトリプルアクセルを投入した高難度プログラムで、一気にトップ争いのステージへと躍り出た。
特筆すべきは、トリプルアクセルはもちろんのこと、その他のジャンプでも抜群の安定感を誇ること。さらにエッジワークの確かなスケーティングで、演技構成点でも高い評価を得られる点が大きな強み。ミスが出た時のリカバリーも冷静で、シニア1年目ながら臆することなく大技に挑む姿は、団体戦において強豪国を脅かす存在となりそうだ。

千葉百音

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気品と胆力を併せもつ、盤石のスケーター

荒川静香さん、羽生結弦さんと、二人の五輪金メダリストを輩出した仙台出身の20歳。昨シーズンの世界選手権で初の表彰台に上がった、名実ともに世界のトップを走る実力派。ジャンプ、スピン、ステップのすべてに秀でたオールラウンダーであり、その名の通り、音の重なりを描くような多層的な表現力でプログラムを紡ぐ、情感豊かなスケーター。気品ある端正なスケーティングの奥に、芯の強さと、勝負どころで迷いを見せない武士のような潔さを秘めている。流れるような美しいフリーレッグ、指先まで物語を宿した細やかな表現力、徹底された基礎技術に裏打ちされた、正統派のスケートスタイルが魅力だ。熾烈な国内争いを経て、マインドセットも強化。チーム戦においては、本陣を決して崩させない信頼の要。フリー「ロミオとジュリエット」では、王道の物語を自分色に染め上げ、確かな意志をもって表現している。

ペア

三浦璃来&木原龍一

三浦璃来&木原龍一(りくりゅう)
フリーの演技をする三浦璃来、木原龍一組(カメラ・宮崎 亮太)報知写真部 2025年12月5日撮影=愛知県名古屋市のIGアリーナ/フィギュアスケート グランプリファイナル2025 第2日

日本フィギュア界の歴史をつくる、世界王者ペア“りくりゅう”

日本フィギュアスケート界で初めて年間グランドスラムを達成するなど、日本ペアの歴史を塗り替えてきたりくりゅう”。北京五輪団体戦メダル獲得の大きな立役者であり、世界選手権2度の優勝を誇る頼もしい存在で、次世代の台頭を促すなど、功績は計り知れない。木原選手は日本勢最多となる4度目の五輪出場。その圧倒的な経験値と、度重なる怪我をともに乗り越えてきた二人の強い絆が、このペアの揺るぎない土台となっている。
北京五輪以降、長く世界のトップを走り続けてきたからこそ、いま二人は「楽しむ」「滑る喜び」という原点に立ち返り、トレードマークの笑顔とともに、さらなる進化を遂げている。12月のグランプリファイナルでは、合計225.21点という今季世界最高得点をマークして優勝、五輪金メダル最有力候補に名乗りを上げている。最大の強みは、二人で一つと言っても過言ではないほど、群を抜いた一体感。そこに、圧倒的なスピードと推進力が加わり、世界屈指の高さを誇るツイストリフトを実現。互いの呼吸が完全に一致した滑りの中で、三浦選手が空中に描く美しい放物線も見逃せないポイントだ。

長岡柚奈&森口澄士

長岡柚奈&森口澄士(ゆなすみ)
AフィギュアS グランプリファイナル 第2日 アフロ

現在進行形で成長中!幸福感まで運ぶペア“ゆなすみ”

2023年にペアを結成。世界王者“りくりゅう”ペアの背中を追いながら着実に成長を重ね、3シーズン目にして大きな飛躍を遂げている。フィギュア界の長い歴史の中で、日本からペアが2組同時に五輪へ出場するのは史上初の快挙となる。
直近の四大陸選手権では、チャンピオンシップス初となるメダルを獲得し、トップ選手への階段を一気に駆け上がっている。シングルでもトップレベルで活躍した森口選手の強靭なパワーと、長岡選手の強い体幹が完璧にかみ合い、今や世界と渡り合える実力を備える。最大の武器は、リンクの端から端まで一瞬で移動してしまうような圧巻のリフト。そのスピード感と安定感から、ファンの間では“森口運送”の愛称で親しまれている。さらに二人が横並びで跳ぶ3連続ジャンプは他の組の構成より基礎点が高く、得点源の一つに。長岡選手の瑞々しい笑顔がリンクに光を呼び寄せるような、高揚感に満ちたリフトは必見。なお、長岡選手は北海道初のフィギュアスケートオリンピアン。

アイスダンス

吉田唄菜&森田真沙也

吉田唄菜&森田真沙也(うたまさ)

世界へ羽ばたく不死鳥。勢いに乗る新世代ダンスカップル“うたまさ”

ノービス時代からそれぞれアイスダンス経験を積んできた二人。結成3シーズン目にして、全日本選手権2連覇中のエースカップルだ。今季は練習拠点を日本からカナダへ移し、五輪2度の優勝経験を誇る元カナダ代表のスコット・モイア氏らレジェンドスケーターの指導を受けながら、めきめきと進化中。トップ選手でも最高レベルの獲得が難しいとされるPStでレベル4を記録していることは、彼らの基礎技術とスケーティングスキルがすでに世界水準にある何よりの証だ。
1990年代音楽が課題テーマのリズムダンスでは、音楽ゲーム「ダンスダンスレボリューション」に使用されていることでもお馴染みの楽曲を選択。ゲームスタートを彷彿とさせるオープニングで、リンクを瞬時に熱気あふれる“あの頃のダンスフロア”へと変貌させる。フリーダンスは、結成1年目に二人の強烈なケミストリーを世に知らしめた「フェニックス」をリバイバル。森田選手が吉田選手を片足で支えるコンボリフトは、不死鳥が飛翔するかのような凛とした美しさとゴージャスさで魅了するプログラム随一のハイライト。観客の心を動かす二人の眩いエネルギーは、団体戦において日本チームに流れを呼び込む存在となるだろう。

※今回は団体戦のみの出場

POINT

ペアとは

男女シングルと同様にショートプログラム(SP)とフリースケーティング(FS)で構成。
男女シングルの技をベースにしながら、ペアならではのダイナミックな要素が加わるのが特徴だ。
たとえば、男性が女性を高く持ち上げる「リフト」や、ジャンプを補助するために空中へ投げ上げる「スロージャンプ」、手を取り合い、男性を軸に女性が円を描くように回る「デススパイラル」など。迫力ある技の数々が見どころとなる。

アイスダンスとは

一方のアイスダンスは、リズムダンス(RD)とフリーダンス(FD)で構成。
リズムダンスでは、ISUが毎シーズン指定するテーマやリズムに沿ってプログラムが作られる。今シーズンのテーマは「1990年代の音楽、ダンス・スタイル、フィーリング」。同じテーマゆえ、各カップルの個性が一層際立つ。
ペアとの大きな違いは、男性が女性を頭より高く持ち上げるリフトや、1回転半以上のジャンプが禁止されている点。さらに、長時間離れて滑ることもできず、伸ばした腕2本分以上の距離をとることも認められていない。
至近距離で息を合わせ、片足で高速回転しながら移動する「ツイズル」は、アイスダンスを象徴するエレメント。わずかなズレも許されない中で揃う回転は、思わず目を奪われる。
氷上の社交ダンスとも称されるアイスダンスならではの、華やかで凝った衣装や、カップルが紡ぎ出す世界観にも注目したい。

ミラノ・コルティナオリンピック団体戦観戦ポイント

ISUより発表されたランキングでは、日本はアメリカに次ぐ世界2位で、4大会連続となる五輪団体戦出場を果たした。
前回の北京五輪では、日本フィギュア史上初となる団体戦メダルを獲得。それから2年半の月日を経て、2024年8月、パリの地でようやくその銀メダルを手にした選手たち。改めて喜びを分かち合い、団結力と、来る五輪への思いはかつてないほど高まっている。

出場選手は未定となるが、北京五輪での銀メダルを知る坂本花織選手、鍵山優真選手、三浦璃来選手&木原龍一選手組が精神的な支柱となり、そこに爆発力を秘めたフレッシュな初出場組が合流。経験と勢いの両方から攻める盤石の布陣だ。

最大のライバルは、前回金メダルで、2025年の世界選手権で、男女シングル、アイスダンスのチャンピオンを要するアメリカ。全種目に隙の少ない層の厚さが、王者たる所以だ。日本は各カテゴリーで上位を確実に積み重ねられるかが、勝負の分かれ目となりそうだ。

個人戦で複数枠を獲得している国は、男女シングル、ペア、アイスダンスのうち、最大2種目まで選手を変更することができる。ショート、フリーの両方を担当する選手(組)もいれば、負担を考慮し、変更してくる国も。各国の戦略にも注目したい。

また、得点を待つキス&クライでは、通常はコーチなどの関係者が隣に座るが、団体戦ではチームメイトがそろうことが多い。演技後に交わされるハイタッチや声かけなど、チームの絆が伝わるやり取り、国ごとの応援スタイルも団体戦ならではの見どころだ。

そして、五輪には“魔物”が潜むと言われるように、どれほど経験を重ねたスケーターにとっても、オリンピックは特別な舞台だ。
まして初出場の選手にとっては、その独特の雰囲気や緊張感を事前に味わえること自体が大きな経験になる。団体戦で会心の演技ができれば、個人戦への弾みがつくことも少なくない。
一方で、今回は、団体戦のアイスダンスFD、男子FSから、個人戦のRD、男子SPまでそれぞれ中1日というタイトなスケジュールのため、団体戦に出場する選手は、個人戦に向けた体力面の調整が大きな課題となる点も押さえておきたい。

※北京五輪団体戦メンバーは、宇野昌磨、鍵山優真、坂本花織、樋口新葉、小松原尊&小松原美里組、三浦璃来&木原龍一組(宇野昌磨さんはスケジュールの都合で授与式を欠席)

団体戦の日程

※日本時間で記載
2/6(金)アイスダンスRD/ペアSP/女子SP
2/7(土)開会式(各国の旗手の中には、フィギュアスケート選手も!)
2/8(日)男子SP/アイスダンスFD
2/9(月)女子FS/ペアFS/男子FS

フィギュアスケート競技日程一覧

Staff Credit

写真/アフロ 文/轟木愛美

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