――大河ドラマ『どうする家康』に出演中の板垣李光人さん。徳川家康が率いる家臣団の一人・井伊直政を演じている。
「直政は、人の懐に入ることがうまくて、交渉に長けていた人物。戦術に対しても、小姓の段階からいろいろと口を挟むんです。でも、そういった言動にはすべて、自分が生まれ育った由緒ある井伊家を守りたいというプライドがきっと大きく関係しているんですよね。だから、直政は生意気なキャラクターだと一言で片づけるのではなく、彼の心奥にある思いを大切にしたい。それが、僕が直政を演じる意味になっているのかなと思います」
――松本潤さんが演じる徳川家康を家臣団が囲んで作戦を練るシーンは、控室での光景とリンクする部分があるそう。
「劇中で軍議を開いて“殿、どうしますか?”と話し合うように、裏でも“このシーンはどうしましょうか?”ってみんなで意見を出し合いながら作品を作っています。松本さんは、いくつの目と脳を持っていらっしゃるのかと思うくらい、一人一人のことをよく見て考えてくださる方。今回の現場は、松本さん、音尾琢真さん、山田裕貴さんをはじめ、カメラが好きな方が多いんです。松本さんはセットの片隅にマイカメラを置いていて、空き時間にオフショットを撮ってくださることも。その写真を見るとカメラっておもしろそうだなと思ってしまうけど、これ以上趣味を増やしたら手が回らなくなりそうなので、現場では撮られる側でいるつもりです(笑)」
――大河ドラマへの出演は『花燃ゆ』『青天を衝け』に続いて3度目。
「そうそうたるキャストの方が一堂に会して、その芝居を肌で感じることができるのは大河ドラマならではだなと毎回感じます。徳川家臣団と岡田准一さん(織田信長役)やムロツヨシさん(豊臣秀吉役)といった織田勢が集結するシーンは、もうえらいこっちゃって感じで(笑)。日々、貴重な経験をさせてもらっています!」