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【友野一希選手独占インタビュー】「僕は諦めたことがない」努力と覚悟の先に切り拓いた新しいステージ。輝きを放ったシーズンを振り返る【フィギュアスケート男子】
“ベテランと言われる年齢になったけど、今スケートがとても楽しい”。そう話すのは、今シーズン極上の演技で自己ベストを何度も更新し、メダル争いに食い込む選手へと成長を遂げた友野一希選手。
権威ある四大陸選手権で初のメダルを獲得し、世界選手権でも存在感を見せつけ勢いに乗る彼に独占インタビューを敢行。
アイスショーを終え、大阪に戻られたばかりの4月。拠点の浪速アイススケート場にお邪魔して貴重なお話を伺った。
友野一希の「トモノのモノ語り。」
友野一希連載【 #トモノのモノ語り。】vol.3「夏の純喫茶でクリームソーダ&バッグの中身も公開」<フィギュアスケート男子>
2022.07.13 更新日:2023.11.22
6月より始まった、フィギュアスケート界一のファッションラバー友野一希選手が自らのフィルターを通して大好きなモノを語る連載「トモノのモノ語り。」。
これまで夏のファッション計画や、大阪の歩き方などを紹介していただきましたが、今回は連載スタートを記念し、スペシャルバージョンでお届け。
200もの書店が立ち並び、カレー店に純喫茶に老舗中華店、スポーツ用品店や楽器店、歴史的建造物など、趣味を満喫するのにぴったりな街・神保町を舞台に、喫茶店での過ごし方や、愛する洋服についてたっぷり語っていただきました。
vol.3 特別編 友野一希と夏の純喫茶でモノ語り。
カレーと本の街・神保町、初めて来ました。「ラーメン二郎」もあるんですね。
秋葉原とか神田も近いということで、趣があって、趣味全開のめちゃくちゃいいエリアじゃないですか。
東京って街によって個性があって、住む人の服装もそれぞれ違ったりするのがいいですよね。大阪はどこもごちゃごちゃしてるんで(笑)。
今日行ったみたいな素敵な喫茶店が生きてるうちに全部回れないんじゃないかってくらいごろごろあるし、東京ってすごいなあって、来ると毎回思います。
その街ならではの表情を写真に収めながら散歩するのもいいですよね。
最近(鍵山)優真くんが撮った写真をよく見せてもらうので、カメラに興味が出てきちゃって。写真ならではの見え方や角度があるから、いつも見ている景色でも再発見があって楽しいやろなと思ってますけど、ハマったらめちゃくちゃ凝りそうなので今は保留中です(笑)。
僕と喫茶店の関係。
今日はクリームソーダをいただいたんですけど、久しぶりに飲んだら、「あれ、こんなにおいしかったっけ」って。普段はメニューを見ないで、つい「あ、コーヒーで」って頼んじゃうんですが、これぞ喫茶店っていう感じでいいですよね。
色もキレイで思わず眺めたくなるし、ちょっとハマっちゃいそうです、夏のクリームソーダ。
喫茶店で座るのは、カウンターが多いですね。作ってる様子を見るのが好きだし、そのお店の空気感が分かるのがいいんです。ゆっくりしたい時はテーブル席に座ることもありますけど、あまり読書はしないし、うーん一体何して過ごしてるんですかね(笑)。
音楽聴きながら、喫茶店にいる猫とか眺めてたり、隣のおばちゃんおじちゃんの会話を聞いてたりとか……。あとはTwitterとか見てますね、僕の情報源はだいたいTwitterなんで(笑)
「思い出の味」で思い浮かぶのは……
喫茶店に行く時は、歩いてる途中に「お!」って見つけた店にぷらっと入ることがほとんど。だから行きつけの喫茶店っていうのはあんまりなくて。
今日神保町を歩いたら素敵なお店がたくさんあって、たまには喫茶店巡りもええなあ、って思いました。
普段の僕の生活はだいたい練習行って帰るって流れなので、どこ行くってなったらやっぱり練習帰りに車で寄れる、コメダ(コメダ珈琲店)とスタバ(スターバックス)が最強(笑)。
なんで、思い入れのある店って聞かれて思い浮かぶのは、やっぱりコメダになっちゃいますね。
ミーシャ(・ジー)が日本に来ている時は、ホームリンクの近くにある高架下のコメダに一緒に行って朝ごはんにピザトースト食べるってのがルーティンだったんです。あのすっごいボリュームのやつを食べながらいろいろ話して。
だから僕にとっての思い出の味は、コメダのピザトーストかなあ。
テイクアウトなら、スタバのホットのラテが定番。コーヒーだと熱すぎて手で持てないんで(笑)。何も考えずに入れて安心感もあるし意外とチェーン店も大好きです、僕。
近況報告
6月は今シーズンプログラムの練習と並行して、エキシビションの振付も行ってきました。佐藤操先生と久しぶりにタッグを組んで、初のロックナンバーに挑戦。
めっちゃかっこよくて、もう過去一やべーんじゃないかっていう仕上がりになってます。プログラムの詳細は、「プリンスアイスワールド」までお楽しみに。ちなみに「THE ICE」では、ショートとフリーを披露する予定です。
プライベートでは、以前に写真集の撮影で行った場所をちゃんとじっくり見てみたくて、ドライブがてら日帰りで徳島へ。
普段なかなかアートに触れる機会がないんですが、大塚国際美術館には世界中の名画を再現した陶板がずらっと飾られていて、見てるだけで世界旅行をしているみたいな気分になれるのでおすすめ!
それからアメ村で何か月ぶりかの古着屋巡りも。
今回はルーカス(本田ルーカス剛史選手)が古着に興味をもって、「行きたい!」 って言ってくれたので、大学の後輩を連れて3人でアメ村に。買い物して、サウナ行って帰るっていう僕の鉄板コースを満喫してきました。
その日は人生でベスト3に入るんじゃないかってくらい超当たりの日で、案内してあげるはずが、気づいたら僕がめちゃくちゃ買い物してたっていう……(笑)。今日着てるポロシャツもその時ゲットした一枚です。
私服紹介
Kazuki’s outfit
今日は喫茶店の雰囲気に合わせて、赤のポロシャツを主役に。上がラフな分、下をきれいめなパンツとサービスシューズで締めた、僕のお気に入りが詰まったコーデ。
tops: | LACOSTE |
pants: | Wrangler |
bag: | LOEWE |
shoes: | US NAVY |
accessories: | Tiffany & Co. |
glasses: | Lesca LUNETIER |
tops
この夏はポロシャツを探してて、夏なんで色味があるものがいいな~と思っていた時に、行きつけの「POST ACORN」さんで出合ったのがこの「ラコステ(LACOSTE)」のポロシャツ。
70s~80sのヴィンテージのもので、ポケットもラインも、裾のリブもめちゃめちゃ可愛い。僕は色物をあまり持ってないので、コーデのポイントとして活躍してくれそうだし、サイズもぴったりでめっちゃいい買い物しました。
pants
今日はこのパンツをめちゃめちゃ紹介したくて、はいてきたんです。
「ラングラー(Wrangler)」は、アメリカの3大デニムブランドの一つで、デニムジャケットをジョン・レノンが愛用していたことでも有名なブランド。
このランチャードレスジーンズもブランドを代表するアイテムで、こんなに完成されたパンツはない! と断言できるほどお気に入り。
ブーツカットみたいになった絶妙なフレアと、センタープレスが特徴で、“元祖美脚パンツ”なる呼び名がつくほど、とにかく脚をきれいに、長く見せることにかけては一級品なんです。
黒のブーツカットって今人気でいろんなブランドが出してますけど、「ラングラー」にしか出せない美しいシルエットには思わずそそられるものがあるというか、不思議な魅力があるんですよね。街ではいてる人を見たら、「わかってんねー!」ってなるくらい(笑)。
カウボーイのドレスアップアイテムとして誕生したものなので、きれいめにもはけるし、革靴とも相性抜群。かと思えばストリートスタイルやスニーカーに合わせても決まるし、これ一本で全部完結してしまうくらい優秀なパンツ。
ポリエステルなので型崩れを気にせず洗濯できるし、「リーバイス®(Levi’s®)」でいうところの“スタプレ”みたいに、アイロンなしでもセンタープレスがとれない仕様になってるので、扱いもめっちゃ楽。
昔のもののほうが生地が柔らかくてはきやすいんですが、これは現行のもので、わりとハリがある生地。あとは海外製と日本製でシルエットが違うんですけど、僕はお尻と太ももが太めなので、日本製がちょうどいいかな。
今やどこのだいたい古着屋でも置いてあるし、レディースもあるので、ぜひはいてほしい! 絶対満足するし、マジのマジでおすすめです!!
bag
古着屋で見つけた「ロエベ(LOEWE)」のショルダーバッグは、郵便屋さんみたいな形に一目惚れして購入。みんなからも可愛いねってよく褒めてもらえるお気に入りのカバンです。
これはレディースのもので、かなりお安く買えたんですよ、僕結構お買い物上手なので。
shoes
今日の足元はアメリカ軍のサービスシューズ。
式典のドレスコード用として支給(サービス)されたことからこの名が付いたもので、特にこのアメリカ海軍のものが人気なんです。
僕のはほぼデッドストックの状態で見つかった80sのもの。なかなかマイサイズがなかったんですが、ぱっと入ったお店で出合って、もう運命やと思って即行で買いました 。
年代によってソールの素材や、皮の質もマイナーチェンジしてて、たとえば60sのものだとソールが木なのでちょっとはきにくいんやけど、80s以降のものはラバーソールになってるので、雨の日も滑らずガシガシいける。
あとはガラスレザーになっているので、手入れも簡単だったりで、かれこれ1年くらい愛用中。先が丸めなんで革靴革靴してなくて、どんなスタイルにも合うんです。
僕はカジュアルな格好にあえてプラスしてかっちり感を加えることが多いかな。むだのない洗練されたデザインは、数々の有名ブランドのデザインの基盤にもなっているほどで、もうまじでかっこいいですよね(ため息) 。
僕は足のサイズが24cmなんですけど、小さいサイズはめったにないんで、ほんまに奇跡の1足やったんです。
accessories
可愛すぎていつも付けてる「ティファニー(Tiffany & Co.)」のブレスレットは、大学卒業記念に何か形に残るものを、と思って選んだもの。
毎年スポーツで賞を取った時に副賞でいただく商品券をコツコツ貯めて買ったので、思い入れが強すぎてアクセサリーはこれしかつけてません。
大きな買い物なので買う時はめっちゃ怖くて、お店で何回もつけさせてもらったり。
ただ欲しいから買うんじゃなくて、それを身につけた時に、これまで頑張ってきたことや、自分にとっての大事な節目を思い出せるようにという思いを込めて買ったもの。
だからこれをつけると、いつも背筋が伸びて気持ちがシャキッとするんです。
glasses
▷友野一希選手 最近のファッション事情から、 私服コーデも公開!
バッグの中身紹介
What’s in Kazuki’s bag?
これが普段持ち歩いてる友野セット。
メインの財布は、「土屋鞄製造所」のもの。皮紐で開け閉めするデザインは面倒に思えるけど、買い物をする度にお金を使うことを意識できるし、大事にお金を使えるかなって思って選びました。カバンが小さい日は、コインケースに入れ替えて。
キーケースは、先輩からもらった「ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)」。中学の時からもう10年くらい使ってるので、皮もかなりいい感じに。
愛用しすぎてファスナーの部分が取れちゃったりしてるけど、その分愛着もあるし、これからもずっと使うんじゃないかな。
あとは、前に紹介した「ル ラボ(LE LABO)」の香水に、AirPods、モバイルバッテリーが僕の必需品。物持ちがいいのでどれも大切に使ってます。
と、いうような感じで、今日は僕が自信をもっておすすめする、困ったらコレ!なアイテムばかりを紹介しました。特にポロシャツは男女問わず誰でも着やすいし、古着買ってみようかなって思った時に試しやすいアイテム。今年の夏は自分だけのお気に入りの1枚を探す旅に出るのもいいですよね!
語り/友野一希 撮影/田形千紘 取材・構成/轟木愛美 撮影協力/ラドリオ
Profile
フィギュアスケート選手 |
1998年5月15日生まれ、大阪府堺市出身。上野芝スケートクラブ所属。
趣味は古着屋巡り、サウナ。
“浪速のエンターテイナー”の異名をもつ、表現力豊かな唯一無二のスケーター。
層の厚い日本男子の中で、地道に積み重ねてきた努力が先シーズン開花。四大陸選手権2位、世界選手権では世界歴代6位の記録でショート3位につける大躍進を遂げ、今後ますますの活躍が期待される選手。
▶詳しいプロフィール&これまでの活躍はこちら
【Next】トモノのモノ語り。
次回は特別編後半戦! 来シーズンの意気込みや、プログラムの詳細についてお届け予定です。
友野一希さん出演 アイスショー情報
◆プリンスアイスワールド2022-2023 東京公演「Brand New StoryⅢ」~Our Compass~
7月15日(金)~18日(月・祝)@ダイドードリンコアイスアリーナ
◆THE ICE(ザ・アイス)
・7月23日(土)、24日(日)@愛・地球博記念公園アイススケート場
・7月26日(火)~28日(木) @MGC三菱ガス化学アイスアリーナ
・7月30日(土)、31日(日) @丸善インテックアリーナ大阪
※チケット情報などは各公式サイトでcheck!
Interview
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【友野一希選手インタビュー】最近のファッション事情から、ハマっていること、 私服コーデも公開!【フィギュアスケート男子】
趣味は古着屋さん巡りや革靴を愛でること。フィギュアスケート界きってのファッショニスタで知られる友野選手の最近のお買い物事情からファッションのこだわり、さらには最近ハマっていることについてたっぷり聞いてみました! こだわりの詰まった私服コーデも公開!
Kazuki Tomono 友野一希
フィギュアスケーター
1998年5月15日生まれ、大阪府堺市出身。
2026年のミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックを目指す男子シングル日本代表。感情をスケートにのせ、観客の心まで躍らせるHappyな演技で世界を熱狂させる愛されスケーター。
古着、サウナ、インテリアショップ巡りなど多彩な趣味をもつ26歳。実直な人柄、好きなことに対する探究心など、近年は競技以外で見せる魅力にも注目が集まる。
表現の名手であり、オフシーズンはアイスショーに引っ張りだこ。各ショーの特性に合わせた多彩なパフォーマンスでエンターテイナーぶりを発揮している。
新シーズンは「競技者としてより高みへ」をテーマに練習に励む日々。今季のフリープログラムは『Butterfly』。さなぎが蝶へと変化するように、彼もまた、圧倒的変化を求め日々成長中。その美しき進化に出会える日はもうすぐそこだ。
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