──『週刊少年ジャンプ』で連載中の人気コミックを映画化した『ブラッククローバー 魔法帝の剣』で声優に初挑戦した高橋文哉さん。声優への興味を聞くと「正直あまり考えたことはなかった」と素直に打ち明けてくれた。その真意は?
「普通のお芝居と似ているようで違う、めちゃくちゃすごいお仕事だと思っていて。自分がすることになるなんて、現実味がなかったんです。お話をいただいた時はめちゃくちゃうれしかったと同時に、本当に大丈夫か不安もありました」
──演じたのは、魔法帝を夢見る主人公アスタの前に立ちはだかる、最凶と恐れられる先代魔法帝の一人、ジェスター。普通に聞いただけでは高橋さんだと気づかないくらい、クセのある声に驚き!
「シンプルに僕の声じゃこの役は務まらないと思ったので、ちょっとしゃがれ声にしたり、トーンを一個上げたり、今までしたことがないしゃべり方を意識しました。ジェスターの魅力は圧倒的強者感。雰囲気と表情だけでそれが伝わるくらいインパクトが強いので、演じていてすごくおもしろかったし楽しかったです」
──誰もが魔法を使える世界で魔力を持たない、主人公のアスタの魔法は「諦めない」こと。高橋さんの魔法は?
「アスタとちょっと似てますけど、とにかく目標を高く設定して、そこに全力で向かうことができるのは、ある種の能力かもしれない。俳優になるまで僕が頑張ってきたことは、料理とバレーボールの二つ。全然目指せるチームじゃないのに〝マジで関東大会に行きたい〟とか〝全国選抜に選ばれたい〟とか言っていたし、料理に関しても高校生の頃から自分の店を持ちたいと思っていて。目標が高いほうが、それを乗り越えた時に大きく成長できるじゃないですか。もし努力を怠ってしまったとしても、〝じゃあ、そこで諦めるのか?〟と自分に問いただせるのが、僕の武器。このお仕事でも、さらに上を目指し続けたいと思います」