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【友野一希選手独占インタビュー】「僕は諦めたことがない」努力と覚悟の先に切り拓いた新しいステージ。輝きを放ったシーズンを振り返る【フィギュアスケート男子】
“ベテランと言われる年齢になったけど、今スケートがとても楽しい”。そう話すのは、今シーズン極上の演技で自己ベストを何度も更新し、メダル争いに食い込む選手へと成長を遂げた友野一希選手。
権威ある四大陸選手権で初のメダルを獲得し、世界選手権でも存在感を見せつけ勢いに乗る彼に独占インタビューを敢行。
アイスショーを終え、大阪に戻られたばかりの4月。拠点の浪速アイススケート場にお邪魔して貴重なお話を伺った。
友野一希の「トモノのモノ語り。」
友野一希連載【 #トモノのモノ語り。】vol.8「マイベストパーカーとネーベルホルン杯」<フィギュアスケート男子>
2022.10.12 更新日:2023.12.22
vol.8 ラフに着られるのに超可愛い。マイベストパーカー
こんにちは、フィギュアスケーターの友野一希です。
僕の好きなことや、お気に入りのアイテムについて紹介する連載、第8回目です。
今回はこの秋着倒したい超お気に入りのパーカーをご紹介。
後半では、ネーベルホルン杯での思い出と、先日終了したばかりの近畿選手権についてのご報告、さらには前回から始まった「お気楽お悩み相談室」も。ぜひ最後まで読んでくださいね!
大好きなパーカーの季節到来!
朝晩だいぶ涼しくなってきましたね。
いよいよ僕の大好きなパーカーの季節が来たって感じでテンションが上がってます。
パーカーは本当にたくさん持ってて、なるべくシンプルで、かつ可愛いプリントだったらすぐ買っちゃう。色物も欲しいんですけど、結局グレーやブラックを選んじゃうことが多いかな。
今は絶賛古着ブームなので、よれ感がありつつも、形がきちんとしてるものっていうのも選ぶポイント。パーカーはとにかく楽だし、気を遣わず着られるのでこの秋の定番スタイルになりそうです。
この秋着倒したい、マイベストパーカー
マイパーカーコレクションの中でも、これは絶対皆さんにお見せしたい!と思って今日持ってきたのがこのパーカー。これまで何度もご紹介している大好きな古着屋さん「POST ACORN」で出合ったU.S. Navy仕様のパーカーで、まさに探してたイメージ通り!って感じの一品!
▶友野一希選手インタビュー!ファッション事情から、ハマっていること、 私服コーデも公開!
アメリカの海軍兵学校「USNA(United States Naval Academy)」のロゴマークも、ちょうどいいシルエットも全部まとめて超可愛いんです。サイズ感もばっちりで、もうね、めちゃくちゃ可愛い。
フードの形がきれいに出るから紐は縛っておく派。
スウェット生地は肉厚で、裏起毛になっているのでぬくぬく、肌触りもふんわり。
このパーカーはリバースウィーブのような仕様になっていて、それが「Champion(チャンピオン)」製のものになるとお値段もかなり張るのですが、こちらはMidshipmen Storeという米国海軍兵学校関連の商品を作っている会社のものなのでお安く買えました。
背中には名前などを記入するタグが付いていた跡があったり、マジックで番号が書かれていたりと、ミリタリーアイテムならではの雰囲気もたまらない!
とにかく着心地もよくてラフで……今まで買ったパーカーの中で一番といってもいいくらいお気に入り。これからの季節、とことん着倒したいと思います。
パーカーに合わせたい秋小物。
ボトムスは、前回みっちり語った「A.P.C.(アー・ペー・セー)」の「ニュースタンダード」。グレーとインディゴブルーの相性は抜群だし、クリーンなムードに。
足元はUSコンバースの「CT70」。コンバースは服を選ばないので、迷ったらこれ!
▶トモノのモノ語り。vol.7秋冬の相棒デニム
キャップは今年カナダのトロントに行った時に買った、カナダの老舗ブランド「Roots(ルーツ)」のもの。サイズ感がぴったりだし、ヴィンテージ風の加工もおしゃれでいつもかぶっちゃうくらいお気に入り。
小物はこのキャップで、バッグは「LOEWE(ロエベ)」か「JACQUEMUS (ジャックムス)」で秋のおしゃれを満喫したいです!
ドイツで開催されたチャレンジャーシリーズ・ネーベルホルン杯ではショート11位から追い上げ、総合4位。さらに直近の近畿選手権で見事3連覇を果たしたばかりの友野選手の近況をお届け!
近畿選手権を終えて
もう本当にほっとしました。
これまでもシーズン序盤はうまく力を発揮できないことが多かったけど、それにしたってダメな演技が続いていたので。試合での4回転ジャンプの感覚もあまりよくない中、なんとか払拭したいと挑んだのがこの試合でした。
でもショートが終わってから演技の映像を見たら、すごく悲しそうな表情で滑っていて。
なんだかすごくもったいないことをしてるなと感じて、「ああだめじゃん、やっぱり笑ってないとな」って気持ちを切り替えました。
そうやって自然体でフリーに臨んだら、“ああそうだ昨シーズンこんな感じで試合してたな”と久しぶりに思い出せて。ここでやっとその感覚を思い出せたのでこれまでのミスだって決して悪い失敗ではなかったと思えました。
ネーベルホルン杯が終わって以降、かなり詰めて練習をしていたので、その成果を試合で出せたのがやっぱり一番うれしかった。
ネーベルホルン杯で学んだこと
あとはネーベルホルン杯の結果で逆にふっきれたというのも大きいかな。
あの時期は、変にモチベーションが高くなってしまっていたのか、満足して練習を終えることができない日も続いていたんです。目標が大きすぎると、その分自分がだめに思えてしまうことが多くてちょっと苦しいなって。
僕の場合、結果を求めすぎると動きが悪くなってしまうと分かったので、点数や順位ではなく、シンプルに自分の問題と向き合おうと切り替えてからは体も動くようになったのを感じました。
物事一つ一つに取り組むようになったことで、1日を満足して終えられるようになり、自信にもつながった。
もちろん目標は常にあるけど、気負いすぎず、ひたすら目の前のことを頑張っていくのが自分には合ってるんだと思います。
今シーズンの目標と、次戦グランプリシリーズに向けて
例年に比べてもこの時期で168.56点という点数が出せたのは、自分の中では大成長といってもいいかもしれません。
もちろんミスやレベルの取りこぼしもあり満足のいく演技ではありませんでしたが、エレメンツの質が保たれていて点数につながったことは自信にもなりました。
フリーはまずは180点を超えて、最終的に190点を出すことが目標。
「190点」はかなり大きく出たとは思いますけど、昨シーズンもショートの目標を最後には達成できたので、今シーズンはさらにフリーでも達成できるよう頑張りたいです。
グランプリシリーズの目標はもちろん表彰台に上ること。
自分の満足のいく演技ができれば、必ず結果がついてくるはずと思っています。
今はとにかく練習が楽しくてしかたがないんです。
だから試合だってただその練習の先にあるものと楽に考えて、あまり結果を気にしすぎず、楽しく自分らしく。
もちろん時には楽しくないこともあるかもしれないけど、それでも上を向いて、一歩ずつ成長していきたいです。
おまけ:大好きな街になったドイツ・オーベルストドルフ
ネーベルホルン杯終了後は、ちょっとしたリフレッシュも。
開催地のドイツのオーベルストドルフは、山々に囲まれた自然豊かな街。歩いて回れるくらいコンパクトな街で、ごはんもおいしいし、空気もうまい。
見渡す限り壮大な景色が広がる本当にきれいなところで、僕の歴代の海外派遣の中でも上位に入るくらい大好きな場所になりました。
試合が終わって最終日は一緒に派遣されたみゆしょー(ペア・柚木心結&市橋翔哉組)とトランプをしたり、観光に行ってロープウェーに乗ったり。翔哉くんとは小さい頃から一緒でしたけど、心結ちゃんも本当にいい子で仲よくなれて。ほんわかしたメンバーでのんびり自由時間を満喫。写真もたくさん撮ったのでシェアします!
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いざロープウェーの旅へ!
試合ではいい思い出は残りませんでしたが、リベンジを兼ねてまた絶対に来たいなと思います!
■Additional information
現在、地元大阪府堺市に拠点を置く企業「泉州工機株式会社」から金銭面でのサポートを受けているという友野選手。「たくさんの方に協力していただく中で、縁があって声を掛けていただきました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです」とお話ししてくれました。スポンサー探しは今後も継続されていくとのこと。
また、げんさんサマーカップ後にスケート靴を新調。ネーベルホルン杯は靴を調整しながらの出場となりましたが、今ではしっかり足になじんでいるそう!
次戦はいよいよグランプリシリーズ! 友野選手は第3戦フランス大会(11/4(金)~6(日)※現地時間)、札幌にて開催される第5戦NHK杯(11/18日(金)~20日(日)に出場予定! 氷上で最も輝く世界のエンターテイナーの演技をお見逃しなく!
本当にたくさんのお悩みを送っていただきありがとうございました!
みなさんのお悩みを一緒に考えることで、自分を見つめ直すことにもつながるし、発見や学びがあって、僕も勉強になります。
いただいた中から僕なりに少しずつお答えしていければと思います!
応援ありがとうございます!
受け入れてくれそうな旦那さんなら、言ったほうが絶対楽になるんじゃないでしょうか。
もし僕だったら?で考えると、友達でも配偶者でも、好きなものを楽しそうに話してる人ってすごくいいなって思うと思います。
特に感想や共感がなかったとしても、「聞いて聞いて!」って話すだけでもいいじゃないですか。「このごはんおいしいよね」っていうのと同じ感覚で、「こういうアスリートがいて素敵なんだよね」って言ってみてください。
どんなことにも言えますけど、素の自分を共有して一緒に楽しんだほうがいいに決まってる。僕のことって言われるとちょっと恥ずかしいですけど、なんなら女性はもちろん、男性にも応援してほしいので、Win-Winです(笑)。
僕も旦那さんに応援してもらえるようなアスリートになれるよう頑張りますので、ぜひ伝えてみてください。
(しばし黙り込み熟考)
少し厳しいことを言うかもしれませんが、決断できないのであれば、その夢はそれまでだなと僕は思います。
やるもやらないも決めるのは自分なので、本当にやりたいと思うなら、親の反対を押し切ってでもやるべき。りっかさんの場合、成功したいというよりも、挑戦したいという気持ちのほうが強いんじゃないかな。だとしたらやってみることに悪いことなんて絶対ないです。夢なのであれば間違いなく踏み出すべきです。
ただ、夢を追いかけるにあたって、諦める理由が勝つならそれはきっと諦めたほうがいいとも思いますよ。もう進路が決まってしまっているかもしれませんが、一つだけ言えるのは、やらないよりは何でもやったほうがいい。
ご家庭によっては親が理解してくれないかもしれませんが、本気の気持ちをぶつけるのが大事で、たとえだめだったとしてもそれだけでもすっきりするんじゃないかな?
僕だって常に悩んでるし、迷っている途中なので、これは自分に言い聞かせているようなものでもありますね。何事もすぐに行動に移せる人間でありたいと思っています。
and More!
このコーナーで皆さんから寄せられたたくさんのお悩みを読ませていただいていますが、僕も人に相談するほう。物事を客観的に見ることも大事なので、人からの意見も聞くようにしています。
ただ僕は「え~やめときなよ」って言われても、「はあ? やるし!!」って思うタイプ(笑)。そういう時ってだいたい悩んでいるのではなく、背中を押してもらいたいだけなんですよね。自分の中で既に決意が固まってるなら、相談する必要なんかない。だってもう決まってるんだもん(笑)。
そうなればあとは勇気だけ。自分のやりたいことに一歩踏み出す勇気を常にもっていたいです。
語り/友野一希 企画・構成/轟木愛美
※いただいたお悩みは掲載にあたり、内容をそのままに文章の一部を短く修正している場合がございます
Profile
フィギュアスケート選手 |
1998年5月15日生まれ、大阪府堺市出身。上野芝スケートクラブ所属。
趣味は古着屋巡り、サウナ。
“浪速のエンターテイナー”の異名をもつ、表現力豊かな唯一無二のスケーター。
層の厚い日本男子の中で、地道に積み重ねてきた努力が先シーズン開花。四大陸選手権2位、世界選手権では世界歴代6位の記録でショート3位につける大躍進を遂げ、今後ますますの活躍が期待される選手。
▶詳しいプロフィール&これまでの活躍はこちら
Interview
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フィギュアスケーター友野一希連載・2022-2023シーズン開幕インタビュー!【 #トモノのモノ語り。】vol.4<フィギュアスケート男子>
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【友野一希選手インタビュー】最近のファッション事情から、ハマっていること、 私服コーデも公開!【フィギュアスケート男子】
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Kazuki Tomono 友野一希
フィギュアスケーター
1998年5月15日生まれ、大阪府堺市出身。
2026年のミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックを目指す男子シングル日本代表。感情をスケートにのせ、観客の心まで躍らせるHappyな演技で世界を熱狂させる愛されスケーター。
古着、サウナ、インテリアショップ巡りなど多彩な趣味をもつ26歳。実直な人柄、好きなことに対する探究心など、近年は競技以外で見せる魅力にも注目が集まる。
表現の名手であり、オフシーズンはアイスショーに引っ張りだこ。各ショーの特性に合わせた多彩なパフォーマンスでエンターテイナーぶりを発揮している。
新シーズンは「競技者としてより高みへ」をテーマに練習に励む日々。今季のフリープログラムは『Butterfly』。さなぎが蝶へと変化するように、彼もまた、圧倒的変化を求め日々成長中。その美しき進化に出会える日はもうすぐそこだ。
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