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【友野一希選手独占インタビュー】「僕は諦めたことがない」努力と覚悟の先に切り拓いた新しいステージ。輝きを放ったシーズンを振り返る【フィギュアスケート男子】
“ベテランと言われる年齢になったけど、今スケートがとても楽しい”。そう話すのは、今シーズン極上の演技で自己ベストを何度も更新し、メダル争いに食い込む選手へと成長を遂げた友野一希選手。
権威ある四大陸選手権で初のメダルを獲得し、世界選手権でも存在感を見せつけ勢いに乗る彼に独占インタビューを敢行。
アイスショーを終え、大阪に戻られたばかりの4月。拠点の浪速アイススケート場にお邪魔して貴重なお話を伺った。
友野一希の「トモノのモノ語り。」
友野一希連載【 #トモノのモノ語り。】vol.13「スペシャルな白シャツと国体の思い出」<フィギュアスケート男子>
2023.02.07 更新日:2023.12.22
vol.13 「ブルーナボイン」の白シャツ
こんにちは、フィギュアスケーターの友野一希です。
僕の好きなことや、お気に入りのアイテムについて紹介する連載、第13回目です。
毎日寒い日が続きますが、皆さん風邪など引かれていませんか?
ちょうど国体が終わりましたが、会場の八戸は辺り一面雪で本当に寒くて寒くて。
地元大阪は先月の大寒波でも雪が積もることはなかったのですが、なんと僕はそのタイミングで大好きな神戸サウナにお泊りに行ってました。雪が露天風呂やサウナの小屋に積もっているのを見ているとまるで本当にフィンランドにいるみたいで。気持ちだけフィンランド旅行を満喫してきました(笑)。
さて、今日は僕の“いい〇〇”コレクションに昨年加わった仲間をご紹介。
後半では国体を終えた感想に、皆さんからのお悩みにお答えする「お気楽お悩み相談室」も。ぜひ最後まで読んでくださいね!
“いい白シャツ”探しの旅へ
最近はいいデニム、いいコート、いい靴……と、少しずつ自分だけの“いいモノ”がそろってきて、うれしい毎日を送っています。その中でまだ持っていなかったのが、“いい白シャツ”。
そこで去年の夏、“いい白シャツ”を求めて旅に出た時に出合ったのがこの「BRÚ NA BÓINNE(ブルーナボイン)」のシャツ。
当初は「AURALEE(オーラリー)や、「COMOLI(コモリ)」のシャツも候補に挙がっていたんですが、小さいサイズは僕がお店に行ける頃にはもう売り切れていることが多くて。「ブルーナボイン」はもともとサイズ展開が豊富なので、マイサイズを見つけることができたんです。
たった一人の職人さんが特別な織り機で作った特別なシャツ
「ブルーナボイン」は大阪生まれのドメスティックブランドで、地元が同じということもあって、大好きなブランドの一つ。
ブランドのコンセプトは、“いまだかつて人のゆかぬ道を心猛く進む”。 時代の変化や流行にとらわれず、独創的なデザインやものづくりを大切にしているブランドなんです。
ここの定番シャツといえば「サイレントビリーシャツ」ですが、僕が選んだのは、バンドカラーの「SCスナフシャツ」というモデル。
たった一人の職人さんによって特別な織り機を使って作られたもので、生地がとてもしっかりしてるし、着ると本当に丁寧に作られているっていうのが伝わってくるんです。
お気に入りポイントは他にもたくさん。
丸いカットラインに直線的なポケットが付いてるところがもうめちゃくちゃに可愛いし、シルエットが素敵なのでこれ1枚でもコーデが決まる。
あと僕はいつも服を選ぶ時ついボタンに注目ちゃうんですが、これもシャツと同じ生地で覆われたくるみボタンが本当に可愛い!
手作業で作られたものなので、ちょっとクセがあったり一つ一つ絶妙に違いがあったりするのもたまらないんですよね。これも洗濯する度に少しずつ生地感が変わっていくので、自分だけのシャツを楽しむ感覚もある。
色もただの白じゃなくて、いろいろな糸が入っていたり、色のムラがあったりと僕の心をくすぐる要素が満載。
品質にこだわったいいものを作ってるブランドですけど、こういったちょっと遊び心があるおもしろいものが多くて。だから好きなのかな。
これは着るといつも自分をしゃきっとさせてくれる、とっておきのシャツ。今こうやって改めて見ても、本当にいいなあって思います。
でも買ったはいいんですけど、ラーメンとかでうっかり汚さないようにしなきゃって思ってたら、なかなか着られなくて(笑)。
そうしてるうちにシャツの季節が終わっちゃったので、もうすぐ来る春に向けてまたコーデを考えたいな。
レディースもありますし、僕の行った大阪店は店舗も広くておしゃれで見てるだけで楽しめるので、ぜひ一度行ってみてくださいね。
おまけ:最近買ったもの報告~!
この秋冬のお気に入りは、今人気のドメスティックブランド「DAIRIKU(ダイリク)」のロンT。
「ダイリク」は、ルーツやストーリーが感じられる服というのをコンセプトにしたブランド。デザイナーは大阪の古着カルチャーにも影響を受けている方で、今回のコレクションは学生時代に通っていたアメ村から着想を得たものなんです。
ヴィンテージ加工が施されているのがめちゃくちゃ可愛くて、フランス大会に行く時も着てました。
まだまだこの連載で紹介したい服がたくさんあるので、今後はこうやって少しずつ最近の購入品も紹介していけたらと思います!
Next「トモノのモノ語り。」
以前から気になっていたお気に入りブランド「SHINYAKOZUKA(シンヤコヅカ)」のAWコレクションに招待され、ランウェイショーを見学されたという友野選手。次回はそちらの感想なども併せてお届け予定です! お楽しみに!
今年初試合となった八戸での国民体育大会冬季大会 (国体)。ショートは1位発進ながら、フリーでは惜しくもジャンプが乱れ、総合4位。大阪チームとしては3位表彰台に上がりました。
国体終了!
一言で言うと、フリーは結構ぼろぼろでした。
今回はすごく調子がいい中で臨んだ試合だったんです。内容はかなり悲惨だったんですけど。でも調子がよかった分、ミスした時の練習ができてなくて隙が多かったのかもしれません。あとは最終滑走ならではの難しさや苦手意識がフリー7位という結果につながったんだと思います。
全日本選手権が終わってから重点的に練習するようしていたこともあり、特に4回転の調子がよかったんです。
4回転トーループなんてめっちゃよくなったんですよ、試合で決まってないから何言ってってんだって感じだと思いますけど。
でも4回転に多く時間を割いたことによって練習のバランスが偏ってしまい、その他の土台がぐらぐらに。さらに自信があった4回転トーループがフリー冒頭から2本連続で決まらなかったことで一気に焦ってしまい、しっかり決めなければならない後半にもミスが出てしまった。
最近は世界選手権に向けて、「ノーミス以外は悪!」みたいな練習をずっとしてて。僕はノーミスの練習に執着しすぎていたのかな。ミスがあったとしても、それ以外でどうやって点数を取るかという練習をしなきゃいけなかったのに……。
いい練習ができていたからこそ余計悔しさはありますが、大きな収穫になりましたし、今後の練習に活かしていきたいと思います。
世界選手権まで残り2試合!
全日本選手権が終わってからは、トリプルフリップ―ダブルアクセルのシークエンスを練習し、今回初めて実戦で取り入れてみました。
決していいジャンプではなかったんですけど、練習では外さないくらい仕上がっているので、今後の試合ではこのジャンプも入れて、点数の底上げを強化していければと考えています。
3月の世界選手権まで、残る試合は全大阪選手権とスケートヒロシマの2試合。
世界選手権前に一度大きな試合を入れておきたかったという気持ちもありますが、特に深い意味はなく、今回は国内で調整ということになりました。そのほうが移動時間が短い分練習時間も確保できますし、国内試合でも本気モードで取り組んでいきます!
スポーツのよさが詰まっている、国体での思い出
国体は自分にとって大好きな試合の一つ。
チーム戦ということで普段とは違った雰囲気もありますし、今年は久しぶりに声出し応援が解禁されたこともあり、涙あり、笑いありの大会になりました。フィギュアスケートの、もっと言うとスポーツのよさが全部詰まっているのが国体だと改めて感じました。
僕にとって国体はこれまでシーズン終わりのお祭りみたいな感覚だったんですが、今回ちょっとメンバーがガチで(笑)。
僕も以前とは立場が変わり、世界選手権代表として出る以上はいい演技をしたいと、気を引き締めて臨んだ試合だったんです。後から考えるともっとラフに臨めばよかったなんて思ったりもしてるんですけど。
でも演技自体はとても楽しくて、たくさんミスしたのにノーミスなんじゃないかってくらいの雰囲気でみんなが迎えてくれて。それがうれしくて、なんだか心が温かくなりました。
この大会で引退となる選手も多くて、特に(山隈)太一朗の演技は心にくるものがありました。幸せそうな表情で一つ一つのエレメントを楽しむように滑っていたし、最後のコレオやステップは彼のスケート人生そのものを見ているかのようで。
最後に太一朗の素晴らしい演技を見られてよかったなと心から思いました。本当はめちゃめちゃに寂しいんですけどね。
国体後はみんなでカラオケ!
さんざん泣いて笑った後は、シニアの男子メンバーたちとお楽しみタイム。
試合後はみんなそれぞれのチームで食事に行くことが多いので、その後でまた集まって遅くまでカラオケして、翌日また会って応援して……ともうずっと一緒。
カラオケは誰もうまくないんですけど(笑)、意外にもたっちゃん(壷井達也選手)が好きみたいで、結構上手だったんですよ! あ、でも世間一般で見るともしかしたら普通なのかもしれないです、僕らの中だと、唯一ちゃんと歌えてたというだけで(笑)。
僕が選んだ曲を意外とみんな知らないというショッキングな出来事もありました。
MONKEY MAJIKとかAqua Timezも好きなんですけど、周りは聞いたらわかったってレベルで思わず「なんでやねん」と。イントロで「おーっ」とはならなくて、おいおいまじかよって(笑)。めちゃくちゃジェネレーションギャップを感じて悲しかったです。
あとは人気の曲をみんなで歌って、いやもはや叫んだって感じでしたけど、とにかく楽しかったな。こんなのできるくらいには僕だってまだまだ元気なんですよ(笑)。
そうそう、八戸でのごはんはせっかくだし海鮮が食べたくてお寿司屋さんに行ってきました。お一人で切り盛りされているお店だったんですけど、すごくよくしてくださって本当においしかったです。
■ 友野選手の今後の試合予定
2月11日(土)~12日(日):全大阪フィギュアスケート選手権大会
2月24日(金)~26日(日):スケートヒロシマ2023フィギュア選手権
3月22日(水)~26日(日):世界フィギュアスケート選手権大会(さいたまスーパーアリーナ)
まずは大前提として緊張はほぐれません。絶対に無理です。
緊張って決して悪いことではなく、してないよりはしてるほうがいい。
なんなら緊張してないほうがまずいんです、僕の場合ですけど(笑)。
なくならないならどうやって緊張に向き合うかというと、やっぱり準備だと思います。緊張が怖くなくなるくらい、本番に向けて努力すること。努力してきたってことが本番での自信になるので。なので緊張に対しては近道はないんですよね、ひたすら練習やイメージトレーニングをするだけ。
あとは緊張している自分を受け入れてあげるのも大事。それが一番冷静になれるかもしれません。
よく「冷静に冷静に!」って言うんですけど、そう考えてるうちは冷静になんてなれてないし、むしろてんぱってる状態だと思う(笑)。
そういう時は、もう一人の自分を思い浮かべて、自分を客観的に見てあげる。「僕は今これくらい緊張しているなー」って、ぼーっと自分を眺める感覚です。
そうするとさっきまで悪いい緊張も自然といい緊張に変わってくる。
僕が最近一番緊張したのは、全日本選手権(2021年)のフリーです。
でもあの時は悪い緊張ではなく、自分の鼓動を感じられるくらい冷静でいい緊張だった。
だから緊張は誰しもするものだと思って準備して、自分の今の状態を素直に受け入れることが力を発揮できる一番いい方法。深呼吸して、しっかり呼吸を整えて。そうすればきっと大丈夫です。
語り/友野一希 企画・構成/轟木愛美
※いただいたお悩みは掲載にあたり、内容をそのままに文章の一部を短く修正している場合がございます。お悩みの回答は2022年秋のもので、現在お悩みの募集は終了しております。
Profile
フィギュアスケート選手 |
1998年5月15日生まれ、大阪府堺市出身。上野芝スケートクラブ所属。
趣味は古着屋巡り、サウナ。
“浪速のエンターテイナー”の異名をもつ、表現力豊かな唯一無二のスケーター。
層の厚い日本男子の中で、地道に積み重ねてきた努力が先シーズン開花。四大陸選手権2位、世界選手権では世界歴代6位の記録でショート3位につける大躍進を遂げ、今後ますますの活躍が期待される選手。2022年全日本選手権では念願の表彰台に。3月にさいたまで開催される世界選手権出場の切符を手にした。
▶詳しいプロフィール&これまでの活躍はこちら
Interview
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フィギュアスケーター友野一希連載・全日本選手権直前インタビュー【 #トモノのモノ語り。】vol.11 <フィギュアスケート男子>
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Kazuki Tomono 友野一希
フィギュアスケーター
1998年5月15日生まれ、大阪府堺市出身。
2026年のミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックを目指す男子シングル日本代表。感情をスケートにのせ、観客の心まで躍らせるHappyな演技で世界を熱狂させる愛されスケーター。
古着、サウナ、インテリアショップ巡りなど多彩な趣味をもつ26歳。実直な人柄、好きなことに対する探究心など、近年は競技以外で見せる魅力にも注目が集まる。
表現の名手であり、オフシーズンはアイスショーに引っ張りだこ。各ショーの特性に合わせた多彩なパフォーマンスでエンターテイナーぶりを発揮している。
新シーズンは「競技者としてより高みへ」をテーマに練習に励む日々。今季のフリープログラムは『Butterfly』。さなぎが蝶へと変化するように、彼もまた、圧倒的変化を求め日々成長中。その美しき進化に出会える日はもうすぐそこだ。
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