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友野一希連載【 #トモノのモノ語り。】vol.23「2023-24シーズン開幕インタビュー」<フィギュアスケート男子>
フィギュアスケーター友野一希選手の好きなことや、お気に入りのアイテムについて紹介する連載がスタート! 最近買ったもの、気になっていることのほか、競技に関することや、近況などを貴重なオフショットとともに報告!
友野一希の「トモノのモノ語り。」
友野一希連載【 #トモノのモノ語り。】vol.29「2023秋のスタメンアイテムとジャパンオープン」<フィギュアスケート男子>
2023.10.14 更新日:2023.12.26
こんにちは、フィギュアスケーターの友野一希です。
僕の好きなことや、お気に入りのアイテムについて紹介する連載「トモノのモノ語り。」第29回目です。
この連載ももう29回! ちょうど先日過去回を読み返していたのですが、今と全然ボリュームが違いすぎて一人でゲラゲラ笑ってました。回を追うごとにどんどんボリュームを増していって、本当に僕の個人ブログみたいになってきましたね(笑)。
そうやって回を重ねているうちにあっという間に秋も深まってきたので、今回は予定を変更し、前回ちらっとお話しした秋服購入品をどーんとご紹介!
近況パートは、日本代表として出場したジャパンオープンの感想と、グランプリシリーズに向けて。ラストの「お気楽お悩み相談室」までたっぷりお楽しみください。
秋の相棒7pick
BOOTS
さて秋の購入品1発目は今回の大目玉!
ダン!「OUR LEGACY」というスウェーデンのブランドのブーツです!
もうね、めっちゃかっこいいです。まだ2、3回くらいしかはいてないのですが、雨が降ってない限り、外出る時はもう絶対コレ!
夏はスニーカー一色でしたが、やっぱり冬はブーツをはきたいじゃないですか。
僕の愛用ブーツといえば今までこの連載でも紹介したことのある「Blundstone」。試合の時はあれをはいていくのがルーティンになっているくらい、旅のお供的ブーツだったんですが、最近はもう少しファッショナブルなブーツが欲しいなと思っていたんです。
そう思っていた矢先、冬に行った代官山のセレクトショップ「O(オー)」さんでこのブーツを見つけて。その時は人気でマイサイズが売り切れていたので、今年は絶対買うぞ!と、発売されてすぐにOのオンラインショップでぽちりました! サイズは36で、レディースのサイズになるのかな?
Blundstoneはインソールがふかふかでアウトドア用って感じだけど、こっちはバリバリの革靴なので、完全なるおしゃれ用ブーツ。
いくつかある中でもこれは定番の「CAMION」というシリーズ。フォルムからして超かっこいいし、スクエアトゥなのできちんと感もあって、服を選ばない優秀な子。古着と合わせてもモードに落とし込めるし、僕の好きなギャルソンとも合う最強ブーツ!
全体がレザーでサイドジップのブーツが欲しいなとずっと思っていたのでこれはまさに理想通り。レザーは上質なイタリアンカーフで、ソールはイタリアのビブラム社が製造している滑り知らずのビブラムソール。ファッショナブルなのに機能性もばっちりという、自分が好きな要素がそろってる一足。高いお買い物だったけど、めちゃくちゃ満足しています。
これは京セラ美術館のルーブル美術館展での写真。この日はオールブラックで合わせてみました。
今まで革靴は靴ブランドのものを買うことが多かったので、アパレルブランドから出ている革靴を買うのは意外にも初めて。今年はこれまでと違って、よりがちがちにファッションを楽しみたいという傾向なのかもしれません。
スタイリッシュな北欧ブランドならではの雰囲気も大好き。「Acne Studios」もたまに着ていたし、スウェーデンのブランドが好きなのかな。
OUR LEGACYの場合、服はイケてる!って感じのものが多く、着るにはまだ少し勇気がいるんですけど、この靴はクラシカルな雰囲気があって、目に入った瞬間絶対はきたいって思った運命のブーツ。今後はこの靴をたくさんはいて、激渋に育てていきたいです。
SHIRTS
続いてご紹介するのは、ルーブル美術館展に行った時に着ていたシャツ!
じゃーん! 「BLACK COMME des GARÇONS」のシャツです。
ちょっとずつギャルソンのアイテムが増えてきたということもあり、それに合わせるシャツが欲しくて購入しました。
定番のシャツで、生地がシワ加工になっているのが特徴。パンツをダボっとさせてAラインで着たかったので、ジャストサイズで選びました。
買ったのは名古屋のLACHICに入っている店舗。ここは僕的に最強なんです。
というのも、名古屋のギャルソンってすごく品ぞろえがいいんですよ。大阪や東京の店舗だとすぐ売り切れちゃうことが多いんですけど、意外と名古屋にはあったりするのでよくチェックしに行きます。
あとは新しくなった名古屋駅のタカシマヤの店舗もお気に入り。取り扱いブランドが多くて、定番からなにからまんべんなく全部置いてあるので、初心者にもすごく優しいお店。
このシャツ、もともとは別ブランドの「COMME des GARÇONS HOMME PLUS」で同じようなシワ加工のシャツを見つけて気になっていたんですが、それ以来なかなか売ってるのを見かけなくて。あの時買っておけばよかった……と後悔していたところ、BLACKで同じ雰囲気の黒シャツの一番小さいサイズがあったので、ああもうこれは買うしかないと即決したのがこの子です。
素材がちょっとラフなので、あえてボタンを一番上まで留めてきれいめに着るのが気分。ボタンも玉虫色みたいなカラーで、光に反射するとすごくかっこいいんです。
バンケットにもいいし、ブラックコーデにもめっちゃ活躍しそう! これを着てるとめっちゃいいシャツ着てるなあという気持ちになって、本当に買ってよかったアイテム。
そしてこれを機にギャルソンの定番シリーズを集めるのもいいかなって思っちゃいました。
シーズンのコレクションもめちゃくちゃかっこいいんですけど、まだまだ僕には着こなせそうにないので、まずは定番シリーズからガンガン買っていけたらなと思っています。
お手本にしたいのは、サカナクションのボーカルの山口一郎さん。僕もあんなふうに定番を着こなせるようになりたい!
SWEATSHIRTS
3つ目は最近のお手頃でグッドな買い物をご紹介。
ダーン! イタリア・ローマのブランド「VESTI」のスウェットです。
これは僕の大好きな大阪のセレクトショップ「LOFTMAN」さんで購入したもの。
僕はハーフジップのアイテムが好きでよく買いがちなんですけど、今年これが新たに仲間入り。裏起毛でぬくぬく、さらにラグランスリーブになっているので動きやすさも抜群。
シルエットも最高だし、着た時の首の詰まり具合もちょうどいいのも好きポイント。あとは裾のリブも締まるので、大きさ調整もできてめちゃくちゃ便利なんです。
このブランドは素材の調達から縫製までイタリア製にこだわった高品質なアイテムをお手頃価格で販売していることでも有名。これも1万円以下で買うことができて、ほくほくです。
ネーベルホルン杯でも着ていましたし、これからの派遣に欠かせないアイテムの一つになりそうです!
KNIT
続いてはニットです!
でん! 「TTT MSW(ティー)」というブランドのノルディック柄のニットカーディガンです。
TTT MSWは最近かなりいろいろなところで取り扱われるようになってきて、ますます人気上昇中のドメスティックブランド。
ちなみに「MSW」というのは「モダンストリートウェア」の略。1枚で存在感があって、色使いもカラフルで。そんな遊び心満載のブランドです。
買ったきっかけは、以前『STUDY』という雑誌でモデルをさせていただいた時のこと。それは「BEAMS」さんのフューチャー アーカイブとのコラボレーション企画だったのですが、その時並んでいた衣装の中にこのニットがあったんです。
とても気になったので撮影後、そのまま原宿の店舗で開店前にお買い物をさせてもらうというわくわくする体験をしまして。その日の思い出も詰まったお気に入りのニットなんです。
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ジャパンオープンに行く時の僕。もうこれ、赤大好きな人やん。
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モノ語り。ステッカーが持ち手で隠れちゃったので再撮影!TOMONOステッカーは特注です
今年は色ものが欲しいなと思っていたので、記念すべき第一歩。
赤なんですけど、意外と落ち着いたカラーなのでそんな攻めた感じがないんです。
ちょっとクリスマスっぽかったり、田舎感のあるカントリーな雰囲気なのでコーデになじむのかな? 実際周りからの評判も上々。着ていると褒められることも多くて大満足の買い物でした。
ジップ部分がブランドのロゴになっていたりと、ディティールまでこだわっているのもいいし、とにかくめちゃくちゃに可愛い。
下は軍パンでもデニムでも何にでも合うし、コットンニットなので厚すぎず、今の時期のアウターにぴったり。
これはバスケットボールの試合を観に行った時の写真。京都ハンナリーズのホームの試合なのですが、対戦相手の横浜ビー・コルセアーズの河村勇輝選手のプレイも見たかったので現地まで足を運びました。
この日は雨模様だったので、足元はBlundstoneで、OUR LEGACYは活躍ならず。
ラフにさらっとはおれるので本当に重宝しています。もう少し寒くなったらアウターの下に入れて着るのも楽しみ。ユニセックスのブランドなので、ぜひチェックしてみてください!
PANTS
今度はパンツです!
上の写真でもはいてた、僕が最近ずっとスーパーヘビロテしてるパンツがありまして……
ドン! 「order」のloose gabardine pantsです。orderは先程も出てきた代官山のセレクトショップOさんのオリジナルブランド。僕は最近ここのお店のアイテムをめちゃくちゃ買っていて、その一つがこれ。
Oさんを好きになったきっかけはノンノさん。撮影の時に同じくOのブランドである「KAIKO」のシャツを着たことがあったんですよね。その時もいいシャツだなあと印象に残っていたんです。
その後たまたまOさんに行ったら、それがOのオリジナルブランドということを知って。自分の中で縁を感じて、そこからかなり通うようになりました。
パンツに、スウェットに、最初に紹介したブーツに……そうだ、今年大阪の天満にもショップができて、ますますO熱が加速してるんです。
このパンツは、Oの店員さんがはいてるのを見て気になったもの。
お気に入りポイントは、なんといってもシルエット! すとーんとした現代的な形がとてもかっこいい。
生地にはポリエステル素材にポリウレタンを混ぜたorderオリジナル素材を使用していて、撥水性があるのでどんなシーンでも気兼ねなくはけるんです。それでいてハリもあるので、脚をキレイに長く見せてくれるという神パンツ。
さらに伸縮性のある素材なので、長時間の移動にはもってこい。ネーベルホルン杯の時もはいてたし、「THE ICE」日光の時も! 過去の写真をさかのぼっても、ほぼこれしかはいてないくらい(笑)。
そしてパンツからもう1足紹介させてください!
このorderのパンツを買う前、今年の序盤、ずっとはいていたのがこのKAIKOの「SAVE #2」というスウェットパンツ。
軍パンみたいな感じの大き目のポケットとか、裾が絞れるようになっていたりとか、ディティールすべてがかっこよくて気分がアガります。
カラーは擦れたようなブラックで、洗濯するとさらに色が落ちてどんどんいい感じに。僕はちょっと太めのサイズ感のパンツを選んで、裾を絞ってはくのが好みなんです。モード感もあるのにラフにはけるって、最高すぎません?
トレーニングパンツなので、これも試合やショーの時にもっていくとすごく活躍してくれるし、機能性も高くておしゃれで……もう僕の一番大好きなやつ(笑)。
このパンツ2つと、先程のVESTIのスウェットの3つが僕の「派遣セット」。どれも着心地がよくて、動きやすくて……試合の時に大活躍してくれる超必須アイテムです!
というわけで、今年はOさんのパンツにお世話になりっぱなし。
Oは僕の生活にもマッチしていて本当にお気に入りのショップ。これからもどんどんアイテムが増えていくと思います!
BAG
ラストは、さっきから色々な写真に映り込んでいるバッグ! もうずっと紹介したくてたまらなかった超お気に入りの相棒。
バン!「COMME DES GARÇONS HOMME PLUS」のボストンバッグです。
これも定番シリーズの新作。名古屋のタカシマヤに行った時にめっちゃいいやんと思ってすぐに買っちゃいました。あのPORTERと同じ工場で生産されているもので、機能性があって、ハリがあって……と、これまた僕の好きな要素が全部詰め込まれたバッグです。
品があるんですけど、金具部分はTHE金具っていう少し無骨な感じもあって、そのギャップがたまらなく好き。
パンツならO、カバンならコレ!って感じで、最近は基本このギャルソンしか使ってません。(あ、革の気分の日は土屋鞄製造所さんのショルダーです)
サイズ展開が3種類程あるんですが、これは一番小さいサイズ。小さく見えるんですけど、本当に何でも入るんです。財布、スマホ、キーケース、香水、AirPods 、モバイルバッテリー……基本の友野セットはもちろん、メガネケースも余裕で入るのがいいですね。丸い形もものすごく可愛くて。
「そのバックどこのー?」って聞かれた時に、「あーこれ? ギャルソン。」と言えるのがまたいいんですよ(笑)。一見ギャルソンってわからない、主張し過ぎないこの感じ。自分だけで満足できるところが好きなんですよね。
あとはベルトの部分が太いのが僕的可愛いポイント。ありそうなデザインなのに意外とない感じもあるし、背負ってるとぱっと目につくし……絶妙なバランスが最高! ちょっといいバッグを探しているという方にぜひおすすめしたいアイテムです。
☆☆☆
さてさて上から下まで僕のお気に入りの秋服を一気にご紹介しました。
と言いながら真冬のものも早く買わないと!と焦る日々です。そちらはまた連載でご紹介しますのでお楽しみに!
ジャパンオープン終了!
ジャパンオープンが無事終了!
ジャンプは全体的に耐え気味でしたが、前戦のネーベルホルン杯でパンクしてしまった4回転サルコーはしっかり締めることができました。あれだけの緊張の中でも、落ち着いて自分のやるべきことができた大会だったと思います。
チームジャパンのみんなはもうさすがの演技! 僕もみんなの足を引っ張らないようにと気合が入りました。
特にさっとん(宮原知子さん)は現役を引退しているのにあれだけの演技ができるのはすごすぎだし、かおちゃん(坂本花織選手)はノーミス!
あとは僕の前に滑った(島田)高志郎はすごく安定した演技ができていて。彼の点数を見て、さすがだな、自分もいい演技をしようと心に決めて滑りました。
ジャパンオープンで印象に残ったこと
ジャパンオープンでは、「THE ICE」で一緒だったメンバーたちと再会!(といっても久しぶりって感覚はないですね(笑))
アイスショーで大変だった時期からみんな頑張ってプログラムを試合用に仕上げてきたんだな、と感慨深く演技を見ていました。今シーズンもまた一緒に戦えるのが楽しみです。
そして個人的にうれしかったのが、モリス(・クヴィテラシヴィリ)選手と久しぶりに会えたこと。モリス選手とは何回も試合で一緒になったことがあり、悔しい思いもたくさんしてきました。
普段は紳士的で、柔らかい雰囲気で優しくて、まじでめっちゃいい人。現役当時から本当に簡単に4回転を跳んでいたので、もう引退しちゃったのかと寂しい気持ちがあったんです。
今回はリハーサルの組が一緒だったので、コミュニケーションを取ったりもできました。練習でも4回転ジャンプをばんばん跳んでいたし、引退してもキレキレでさすがでした!
みんな素晴らしい演技をした中で、一番印象に残っているのは、やっぱり(宮原)知子ちゃん。
数日間一緒に貸切練習する中で、久しぶりに試合に取り組む知子ちゃんを見て、僕本当にうれしかったんです。「あ、帰ってきたな」って。
高志郎なんか泣いてましたけど、それはあの演技を見たからというよりも、むしろ演技前からもう泣いてた。知子ちゃんが試合に臨む姿にすごくぐっときてたというか……僕もそれ、すごく分かるなって思いました。やっぱりさっとんはすごいですよ。競技モードの知子ちゃんを見られて本当によかったなと思います。
さいたまスーパーアリーナといえば思い出す、2023年の世界選手権
ジャパンオープンでもたくさんの方が振ってくださっているのを見て、3月に同じ会場で開催された世界選手権を思い出したというか。
僕としてはあの会場、ほんとに緊張するのでできればあまり滑りたくないんですけど……(笑)。苦手というわけじゃないですけど、終わった後の幸せが多い分、その前がすごくつらいので、好きではないかな(笑)。
それでもやっぱりあれだけたくさんの人が応援してくれる中で演技ができるのは幸せですね。自分のバナーがたくさん揺れる光景を見るのは何回経験しても感動してしまいます。
バナーといえば、高志郎の水色のバナーがたくさん揺れているのを見て、なんだか僕までうれしくなりました。さっきノンノさんから、(山本)草太と高志郎のバナーは3人で相談して作ったのかと聞かれたんですけど、そんなことはしてないですよ(笑)!
草太が作るのは知ってたけど、高志郎については本当に知らなかったし、気づいたらみんな作ってたって感じです! みんなどんどんオリジナルバナーを作っていて、何だかにぎやかになっていいですよね。全日本選手権で客席がそれぞれのバナーで埋め尽くされる光景を見ることができるのが楽しみです!
得点発表の時に驚いた理由は……
そうそう、僕の演技が終わってみんなで得点が出るのを待っていた時のこと。
高志郎が、「181、182点くらいいくでしょ!」と言ってたんですが、僕はそれを聞いて「いやいや甘いな、全然あかん、俺的には177点かな」みたいに話してたんです。
そしたら「友野一希さんの得点、177.72点」とアナウンスされて、みんなで\どっひゃー!/と(笑)。かおちゃんとさっとんはびっくり&大爆笑。
あの時僕らが盛り上がっていたのは点数に対してと思われたかもしれないですが、僕の予想どんぴしゃだったことにみんな驚いてたんです。
「180点」といえば、世界選手権で出した自己ベスト。
あの時の演技には全然届かないなって思ったからというのもありました。惜しいという感じでもなく、かといって遠すぎる感じでもない。だからこの完成度なら177点かなって。完全にフィーリングでした。
これは僕の謎の特技かもしれないですね。これだけ客観的に見ることができているというのは、すごく落ち着いて演技ができていたってことかもしれないし……とにかくあの時はみんなで盛り上がってめっちゃおもしろかったなあ。
今シーズンのテーマは「淡々と、一歩一歩」
今回の演技で満足しているかって言われると、まだしてない!
もっと改善点はあるし、下の点数(演技構成点)は90点を目指したいので、そこにはまだ足りてないなと思っています。
ジャパンオープンに出場してみて、ジャンプのクオリティも演技の完成度に大きくかかわってくるなと感じたので、ジャンプも演技の一つととらえて、磨いていかなければと強く思いました。
必要なのは演技、ジャンプ、両方のクオリティ。全体の流れを一つの線として磨き上げることが次の目標です。
今の時期で177点という得点はもちろんうれしいですけど、不思議と喜べない自分がいます。まだ序盤なんで貯金積んでるくらいの気持ちというか……とにかく周りがすごいので、手放しでは喜べなくなってきましたね。
ただそれはもちろんマイナスの意味じゃなく、気を抜いていないということ。自分の演技に納得してないし、僕はまだまだやるべきことをすべてやってないので。
今シーズンのテーマを一言で表すなら、「淡々と、一歩一歩」。
点数がどうこうっていうよりも、大事にしたいのはやりきること。シーズン最後まで納得いくまで練習して、自分が満足した状態で、シーズンを終わることができたら。それにプラスして成績もついてきたらいいなと思っています。
グランプリシリーズに向けて
カナダ大会まであと2週間!
まずはジャパンオープンのフリーと、カーニバル・オン・アイスでのショートの反省点を改善しつつ、とにかく4回転の質を上げることですね。まだ4回転ジャンプを入れるのがやっとというのが正直なところ。まだ4T-3Tも入っていないので、何も心配ない状態までもっていくのが目標です。あとは演技も細かい部分まで意識を向けて改善していくことも。
今シーズンのグランプリシリーズはファイナルを目指して進むのみです!
From 友野一希
今後のスケジュール
グランプリシリーズ
・カナダ大会/10月27日(金)~29日(日)
・中国杯/11月10日(金)~12日(日)
▶詳細、放送スケジュール、配信チケット
上手に断ることは難しい。断る時は断りましょう
わーむずいな~、これはその人のキャラにもよりますよね。「ごめん、今日ゆっくりしたいから」で許される人もいるし、「なんなんこいつ」って思われちゃう人もいるから……。
自分ならどうするかと考えたんですが、申し訳ないことに僕には最強の手札があって……。「ごめん、今日練習あるんだよね」って言えば絶対大丈夫なんですよね(笑)。
だから自分の中で最強の手札を作るとか? でもインコさんは嘘をつけないんだもんね。
だったら切り抜けるとかじゃなく、もうストレートに伝えるのがいいんじゃないでしょうか。だって今までだってそうやって嘘をつかずにまっすぐに生きてきたんだから。
疲れてる時は「めっちゃごめん、めっちゃごめん、まじで疲れてる!」って言えば、相手も分かってくれると思う。 金欠なら金欠と素直に言う。それでも「来て」と言われたら、もう奢ってもらうしかない(笑)。
正直に伝えて「なんでだよ、もうお前とは遊ばん」って言うやつなんか絶対たいしたやつじゃないので大丈夫。
そして毎回断ろうか行こうかと悩むのも大変なので、こういう時は断る!という限界ラインを自分で決めておくのはどうですか? そうすると相手にも自分にも嘘をつかず、正直に生きることができると思います。
ただ、たまには「う~ん、行くか~」っていうフッ軽要素をもっておくことも大事だと思います。たまにあるじゃないですか、「うわ、おもんな~」って思って行ったら、めちゃくちゃ楽しかった!ってこと(笑)。人生には時々そういうことがあるので、そういうのも含め、楽しんでほしいな。それもいい生き方の一つかなって僕は思うので。
上手な断り方ではなく、違う視点からのアドバイスになっちゃいましたけど……ごまかして切り抜けるのではなく、これからもあなたらしく、自分に正直に生きてくださいね。
語り/友野一希 取材・構成/轟木愛美
Profile
フィギュアスケート選手 |
1998年5月15日生まれ、大阪府堺市出身。上野芝スケートクラブ所属。
趣味は古着屋巡り、サウナ。自分らしいスケートを追求し、唯一無二の武器へと変えてきた25歳。観客の心まで躍らせるHappyな演技で世界を熱狂させる愛されスケーター。
日本フィギュア界の“いい兄ちゃん”的存在で、後輩からの信頼も厚い。実直な人柄、好きなことに対する探究心など、近年競技以外で見せる魅力にも大きな注目が集まる。
2022-23シーズンは全日本選手権で初の表彰台、自らの力で世界選手権出場を果たし自己ベストを更新するなど一歩一歩確実な成長を示した。
オフシーズン中はありとあらゆるアイスショーに出演。各ショーの性格に合わせた多彩なパフォーマンスで、観客の心を鷲掴みに。初めてキャラクターを演じた「ワンピース・オン・アイス」での熱演も各界で話題の的。
今シーズンはあえて自分の苦手とする部分を前面に出すプログラムを用意し、輝く個性+αの武器を求め邁進中。昨年のリベンジを誓ったネーベルホルン杯では、見事銀メダルを獲得し、世界ランキングは自己最高の6位に。直近のジャパンオープンのフリーでは、この時期にして自己ベストに迫る177.72点を記録。まずはグランプリファイナル初進出を目指し“北米感”がテーマのSPを携え、いざカナダ大会へ。大会ごとに加速度的に進化を続ける世界のエンターテイナー。「淡々と、一歩一歩」、自分の目指すスケートへと近づいていく姿をこの目に焼き付けたい。
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Kazuki Tomono 友野一希
フィギュアスケーター
1998年5月15日生まれ、大阪府堺市出身。
2026年のミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックを目指す男子シングル日本代表。感情をスケートにのせ、観客の心まで躍らせるHappyな演技で世界を熱狂させる愛されスケーター。
古着、サウナ、インテリアショップ巡りなど多彩な趣味をもつ26歳。実直な人柄、好きなことに対する探究心など、近年は競技以外で見せる魅力にも注目が集まる。
表現の名手であり、オフシーズンはアイスショーに引っ張りだこ。各ショーの特性に合わせた多彩なパフォーマンスでエンターテイナーぶりを発揮している。
新シーズンは「競技者としてより高みへ」をテーマに練習に励む日々。今季のフリープログラムは『Butterfly』。さなぎが蝶へと変化するように、彼もまた、圧倒的変化を求め日々成長中。その美しき進化に出会える日はもうすぐそこだ。
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