エンタメ部
No.210 くらげ
『君のクイズ』小川哲のレビュー・感想
2024.10.31
読書の秋です。今回はミステリ好き・クイズ好きにおすすめの小川哲『君のクイズ』の紹介をします。
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あらすじ
主人公はクイズプレーヤーの三島玲央。1000万円の賞金がかかった生放送クイズ番組「Q-1グランプリ」の決勝戦に進出した三島玲央は、進退を決する最終問題で対戦相手・本庄は問いが読まれる前に早押しボタンを押し、クイズに正解します。本庄の「ゼロ文字押し」を訝しんだ主人公・三島は「なぜ本庄絆はを問いを聞かずにクイズに答えられたのか」を解き明かすために決勝戦、そして彼自身の人生を回想します。
本庄絆はなぜ問いを聞かずにクイズに正解したのか
本書最大の謎は「なぜ本庄絆は問いを聞かずにクイズに正解したのか」です。問いが読まれる前にクイズに答えて正解するというヤラセか魔法にしか思えない出来事に対して、主人公・三島はクイズプレーヤーならではの知識で解き明かします。
主人公のクイズプレーヤーという属性、そして、クイズプレーヤーならではの知識をもとに「ゼロ文字押し」の謎を解く本書は「お仕事ミステリ」と言えるでしょう。(主人公はクイズを仕事にしているわけではないけれど)
この本の醍醐味はなんといっても自分が知らない世界を知る楽しさです。この作品は一人称の語りで書かれています。主人公は決勝戦に進むレベルのクイズプレーヤーですから、クイズプレーヤーならではの視点を通して、一連の出来事が描かれます。そのため、この作品はあちこちに「おそらくはクイズプレーヤーとしては当たり前だけれど、クイズに詳しくない人は知らないであろう知識」が散りばめられています。(もちろん解説付きで!)自分の知らない世界を知ることができるのはお仕事ミステリの楽しさの一つでしょう。読んだ後はクイズ番組を見る目が変わること間違いなしです。
https://publications.asahi.com/product/23804.html
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出身地
東京都
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身長
159cm
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学年
大学2年生
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推し
推し:コスメ集め(主にネイル!)、文章を書くこと、小説(ミステリ!)、ピアノ、ゲーム、FAKE TYPE.