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インタビュー
2026.09.06
自分らしく過ごした四季を振り返って今、思うこと
"変わらない"を選ぶ私でいたい。
出口夏希とルックバック
実写映画『ルックバック』で主人公の藤野役を好演。ありのままの自分でカメラの前に立った撮影の日々、そして自身の過去にも思いを巡らせて。

ワンピース¥19800/リリー ブラウン 靴¥31900/グラビテート(カミナンド)
A 事務所にスカウトされた高校1年生の夏
今考えると、高校1年生の夏にスカウトされて事務所に所属してからは、それまでと生活が変わったなと思います。でも、当時の私はそれがターニングポイントと呼べる出来事だと気づいていなくて。高校時代にファストフード店と結婚式場でのアルバイトをかけ持ちしていた私にとって、事務所に入ること=アルバイトがもう一つ増えること、くらいの感覚だったんですよね(笑)。
A ドラマで先生役を演じられた北村匠海さん
印象に残っているのは、ドラマ『サバ缶、宇宙へ行く』で主演を務められていた北村匠海さんの姿。生徒役のキャスト一人一人のお芝居の相談に乗ってくれて、ご自身のシーン以外でも現場に入り、撮影を見守ってくださっていたんです。もし私が先生役を演じられる機会がまたあったら、北村さんみたいに生徒役のみんなを引っ張れる存在でありたいなと思いました。
A 中学時代! 今でも地元の友達に支えられています
毎日友達と遊ぶことに夢中だった中学時代かな。放課後は家に帰った瞬間、自転車に乗って近所のスーパーへ向かい、持ち帰りOKなダンボールをもらって、それで土手を滑っていました(笑)。私の学年はクラスの枠を超えて仲がよくて、今でもしょっちゅう集まっています。落ち込むことがあると、中学の時からの友達が家にごはんを作りに来てくれることも。いつも本当に支えられているなと思います。この先もずっと大切にしたい関係ですね。感謝!

「そのままの出口さんで大丈夫」という言葉で心が軽くなった
私が映画『ルックバック』で演じたのは、漫画を描くことに情熱を注ぐ藤野。オファーをいただいた時は、是枝裕和監督とドラマ『舞妓さんちのまかないさん』以来、またご一緒できることが本当にうれしかったです。ただその一方で、人気漫画の実写化作品に出演することへのプレッシャーも、ものすごくあって……。それで、撮影が始まる少し前に是枝監督にお会いして、何か月も抱えていた不安を打ち明けたら、「僕は出口さんの藤野を撮るから、そのままで大丈夫だよ」と言っていただけたんです。その言葉を聞いた瞬間にモヤモヤしていた気持ちが一気に消えて、心がふっと軽くなりました。
藤野を演じると決まり、クランクインの4か月前から始めたのが漫画を描く練習。"Gペン"っていうペンを使って線を引く動きを、手がまめだらけになるまで繰り返しました。さらに、藤野は物語の途中から液晶ペンタブレットで漫画を描くようになるので、クランクインしてからは撮影が終わってホテルに帰った後に"液タブ"の使い方を勉強する日々でした。
漫画の練習のほかに、役作りのために髪もばっさり切りました! 胸の辺りまであったロングヘアをショートボブにしたら、どんなメイクが似合うのか分からなくなっちゃって、プライベートではすっぴんで過ごすことが多かったです。劇中でも中学時代の藤野を演じたシーンは、ほぼすっぴん。普段はお仕事の前日というと夕食を早めにすませて、塩分も控えるけど、今回の撮影ではあえて何も気にせずに、ありのままの自分で臨みました。夜中にラーメンを食べて、翌日の朝からお芝居をしていたことも(笑)。
四季を通して映画の撮影をした秋田県にかほ市はとても素敵な場所。夏に訪れた際は、藤野が京本(蒔田彩珠)と海で遊ぶシーンの撮影の後、キャストとスタッフみんなでスイカ割りをしたり、別の日には子役のキャストの子たちと一緒に何かしたくて花火をして遊んだり。楽しい思い出がたくさんできました!

実写映画『ルックバック』

藤野(出口夏希)は、周囲から絶賛される漫画の才能の持ち主。彼女に憧れを抱きながらも圧倒的な画力を秘めた京本(蒔田彩珠)と意気投合して、共同で漫画を描き始めるが、ある日思いも寄らない出来事が二人を襲う。●9月11日(金)より公開
2026年10月号掲載
Staff Credit
モデル/出口夏希 撮影/原楓(TRON) ヘア&メイク/河嶋希(io) スタイリスト/石田綾 取材・原文/吉川由希子 web構成/轟木愛美 web編成/ビーワークス