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【アンジュルム】竹内朱莉卒業記念インタビュー前編 逆境を楽しむことで生まれた自分らしさ

2023年6月21日に横浜アリーナで開催される『ANGERME CONCERT 2023 BIG LOVE 竹内朱莉 FINAL LIVE「アンジュルムより愛をこめて」』をもってアンジュルムおよびハロー!プロジェクトを卒業する竹内さんに、non-no webが直撃インタビュー。前編では研修生時代から15年にわたるハロプロ人生を振り返ってもらいました。アンジュルムの根っこの部分が形成されたというスマイレージ時代のエピソードを中心にお届けします。

厳しい環境下で学んだこと、研修生生活とデビュー後の大きな変化

竹内朱莉さんスタジオポートレート

――まずは、今日の撮影の感想から教えてください。

今までだとメンバーと一緒の撮影が多かったので、一人でというのはちょっと珍しいかもしれないです。恥ずかしい気持ちもあったけど、楽しかったです。アンジュルムの強いイメージとはまたちょっと違うカッコイイ感じにしてもらってテンションがあがりました。

――さっそくですが、竹内さんのアイドル人生を振り返ってみたいと思います。ハロプロエッグ(研修生)時代を含めると15年という長い歴史がありますが、印象に残っていることはありますか?

まずはハロプロエッグ時代の話からしますね。今はハロプロ研修生と名称も変わって、ちゃんとしている感じなんですけど、あの頃はもっとゆるさがあったんです。誰も敬語なんて使ってなかったし、レッスンには本当に遊びに行っているような感覚に近いというか。もちろん大変なこともあったけれども、基本的には楽しかったですね。当時の会社の裏には公園があって、レッスンの後はそこで遊びながら親のお迎えを待ってたりしました。あとはみんなでマクドナルドでごはんを食べて帰ったり、東京タワーに遊びに行ったり。

――レッスンでの思い出はありますか?

レッスンに関しては今よりも全然厳しかったので、正直きつかったですよ。それこそ何回も帰らされましたし(笑)。ちゃんとできなくて参加する予定の曲から外されるなんていうこともしょっちゅう。リハーサル当日までに振り付けを完璧に覚えてこないといけないというのは、その時代に身をもって学びました。厳しい環境だったけれど、そこから得たものがあったし、私的にはよかったのかなとも思います。今の子たちは同じことをしなくていいと思いますけど(笑)。

――厳しく怒られた時はどんな心情になるんですか?

「うわ、こーわー」って思うぐらいですかね? できないと悔しくて、それで泣いてたりもしましたけど、泣いたところで「泣いても終わらないぞ!」ってまた怒られるので、「えー⁉」みたいな(笑)。私、兄がいるんですけど、二人で喧嘩になった時に泣くというのがお決まりのパターンだったんです。泣くと兄が怒られるのでラッキー、という感じで(笑)。だから泣いても何も解決しないということがまず結構な衝撃でしたね。でもヘコむとかじゃなくて、じゃあ次は怒られないように頑張ろう、みたいな感じでした。実際ちゃんとやっている時は怒られなかったので、全部自分の問題だったんですけど(笑)。

――スマイレージのサブメンバーに選ばれてからはどうでしたか?

3年間も研修生をやっていたし、最初は大丈夫かなと思っていたんですけど、もう全然世界が違いすぎました(笑)。ハロプロエッグの時は仕事といえば仕事だけど、基本的には週末だけの活動で、どちらかと言えば部活動っぽい感じだったんですよね。週末に学校の行事がある時は休んだりしていましたし。それが合格した次の日から、はい撮影です、はいリハーサルが毎日あります、とスケジュールがパンパンの生活になりました。気づいたら、「あれ? 休みがないぞ……?」みたいな。そこから学校とかプライベートの記憶があんまりなくって、特に加入したばかりの中学2年生の時の記憶は本当にないです。当時はテレビの仕事や雑誌などいろんな場所に呼んでいただくことが多くて、今では考えられないような仕事量をこなしていました。MV撮影の合間に取材がいっぱい詰め込まれていたり、とにかく休憩する時間が全然なかったんですよ。

初めての上下関係に苦戦して怒られた日々

物憂げな表情で視線を落とす竹内朱莉さん

――スマイレージにはサブメンバーとして加入するという特殊なパターンでしたよね。

そうなんですよね、正規メンバーではなかったという(笑)。だから私たちは最初のほうに昇格を目指して「笑顔うpキャンペーン!」をしていました。街の人に声をかけて自分たちの撮影をしてもらい、その写真をアップロードしてもらうみたいな内容だったんですけど、やりたくないとかは全然なかったですし、つらいと感じたこともなかったです。初期メンバーも同じようなことをしていたし、「先輩と同じだ〜」ぐらいの感覚でした。むしろ、つんく♂さんからの試練なので「やらなきゃ!」っていう気持ちのほうが強かったです。でも自分で作ったビラが全然はけなくて、たまたま現れたファンの方に「これ全部あげます!」って大量に渡したり、人が集まりすぎて警察を呼ばれちゃったメンバーがいたりとか、思い出すとめちゃくちゃやっていたな〜とは思います(笑)。

――初期メンバーとの関係性はどうだったんですか?

ハロプロエッグの時には上下関係がなかったので、私たちサブメンバーはそのままの感じで初期メンバーに接していたんです。内々でやっている分には問題なかったんですけど、それが外から見るとあまり印象がよくなかったみたいで、「なんであの子たちは後輩なのに先輩に対して敬語使ってないの?」ということが増えてきちゃって。当時の私たちは本当にいろいろと分かっていなかったんですよね。サブメンバーのほうが移動車に早く乗り込んじゃって、後から来た先輩の席がないみたいなこともありましたし、ケータリングのソーセージを我先にと食べちゃって、その食べかけを先輩に分けようとしたりとか……。今思うと本当に最悪な後輩ですね(笑)。そんな私たちを見て会社も「これはまずいぞ」と思ったみたいで、呼び出しがかかりました。「お前たち、ちゃんと先輩を敬え!」と。

――(笑)。そこからすぐ変われましたか?

もちろん急にはできなくて、普通に話した後に「……ですよね?」みたいな、ぎこちない感じがしばらく続きました。それで「無理だね〜」と勝手に元のタメ口に戻してたんですよ。そうしたら、すぐまた会社に呼び出されて。当時怒られる時は立派なイスが置いてある応接室に呼び出されていたんですけど、それが結構怖いんですよ(笑)。それで「2回目はさすがにやばい!」となってそこからは頑張ったので、徐々にですが敬語も使えるようになっていきました。でもメンバーの名前はあだ名で呼ぶほうがお互いに気が楽だったので、崩しを加えつつ、ちょうどいいバランスが出来上がっていった感じです。ちなみに会社の応接室だけじゃなくて、ライブ会場の暗闇みたいなところだったり、まぁいろんなところで当時はよく怒られていましたね。これは昔からファンの方だったらよく知っているエピソードだと思うんですけど、「なんでお前たちはそんなに人気がないんだ!」とか怒られたこともありますから(笑)。

――(笑)。怒られたことで落ち込んだりはしなかったですか?

なんで人気がないんだと怒られた時は「それって最終的にその人の好みじゃん、だから私たちが反省する必要はない!」っていう感じで、全然落ち込んだりしなかったです。むしろ楽屋でメンバーと顔を合わせた瞬間に「なんか怒られたんだけど! そんなの無理だよねー」とか言い合ったりしてました。それですぐにゲーム始めたりして(笑)。全員がそういう感じで、「なんで怒られなきゃいけないの?」みたいな(笑)。

逆境の中で生まれたアンジュルムの根底にある弾けるパワー

ネクタイを持ち上げる竹内朱莉さん

――逆境の中で自分たちらしさみたいなものを確立していった感じだったのでしょうか。

よく言えばそうかもしれないですね。ハロプロ内にはモーニング娘。など人気グループがあって、それこそ自分たちと同世代のメンバーがすごく活躍してたりするんですよ。合同のイベントがあっても、グループによってファンの数も違えば歓声の大きさも全然違う。あまりにも違いすぎて、もう比べるとかそういうレベルじゃないんですよ。ファンクラブ限定のイベントでも、私たちのところにはほとんど人が来なくて、あまりにも来なすぎて控え室で待機から始まるメンバーもいたりしましたから(笑)。だから自分たちはステージの上でどれだけ暴れられるか、そんなに注目してもらえないんだったらもう人目を気にせず思いっきりやっちゃおう! みたいな感じになっていきました。

――アンジュルムの根っこの部分がそこで形成されていたんですね。比べられてしまうという環境下で前向きでいられることがすごいです。

本来であれば傷つくようなことでも、なんか楽しんじゃってたんですよね、特に私たち2期メンバーに関しては。いい意味でゲーム感覚というか。全然いい扱いをされなくても誰も文句を言ったりしなかったですし、そこに文句を言ったり病んじゃったりする子もいなかったです。とにかくずっと元気(笑)。あと、当時は今ほどSNSが盛んじゃなかったのも大きいと思います。でも、さすがにモーニング娘。のメンバーがハワイツアーで海の超きれいな写真をブログにアップしている時は「いいな〜!」となりましたけど。私たちはちょうどライブで和歌山にいたんですけど、「うちらは海にも行けないのに!」って(笑)。それで移動中に車の中から海を見つけて、「すみません! ここで止めてください! 10分でいいからとにかく海に行きたいです!」って主張しました。それで本当に10分だけみんなで海に行って、ちゃぷちゃぷーって遊んで満足するみたいな(笑)。スマイレージ時代のおもしろエピソードは本当にすごいたくさんあって。当時はやってた『ピクミン』ってゲームのCM曲で『愛のうた』というのがあるんですけど、みんなで聴きながら「めっちゃいい歌じゃない? ピクミンもこんな気持ちなんだね。なんか切ないけどうちらも頑張ろう」みたいなことをまじめに言ってたり。ウケますよね(笑)。

――スマイレージ時代の一番の思い出はなんですか?

47都道府県まわったライブツアーですね。体力的にもめちゃくちゃきつかったし、もう一回できるかと言われたら絶対無理なんですけど、本当に思い出がすごくあって。今日お話ししたおもしろエピソードもそのツアーで起こったことが多いですし、おもしろさという点では断トツというか、突き抜けていたと思います(笑)。そしてその時代は本当に毎日のようにライブをやっていて、とにかく歌って踊って、という日々でした。それで自分たちでも知らないうちに実力もついた、みたいなところはありますね。ちょうどそれぐらいの時期から「スマイレージって実は結構歌も踊りもできるよね」なんて声をいただくことが増えたんですよ。

卒業ライブはアンジュルム初の横浜アリーナ単独公演!

斜め上を見上げる竹内朱莉さん

――竹内さんといえばレコーディング映像のファンも多いですよね。

ありがたいお話ですけど、本当にびっくりします。そこからファンになってくださる方もいるみたいで。自分としては「何で?」って思うんですけどね。レコーディングしたものがCDには録音されていますけど、ライブで歌い込んでいるわけじゃないからすごく淡々としていて、後から聴くと自分としては恥ずかしいんですよ。まぁ、後からアレンジを加えすぎてるんじゃないかという説もありますけど(笑)。あと、たまにレコーディング映像って失敗したものをわざと使うじゃないですか。あれだけは「やめてー!」って感じです(笑)。

――レコーディング映像では即興でハモりを録音している様子もよく映っていますよね。

ハモりは昔からずっとやっているんですよ。なんかちょうどいい感じの存在だったんですかね? 自分の中ではごく普通のことなんですけど、映像が出たことで急に褒められる機会が増えて不思議な感じです。私が卒業した後は他のメンバーが代わりにやってくれることになると思うんですけど、誰になるんですかね? 誰でも大丈夫だと思いますけど! 今のアンジュルムは本当に最強だと思っているので。

――アンジュルムのお話も是非お聞きしたいです。

はい! アンジュルムと改名してからはグループのカラーががらっと変わりました。そのタイミングで入ってきた3期の存在も本当に大きかったと思います。なんか人気出てきたかも、って思えたのもそれぐらいのタイミングでした。確実にグループにとってのターニングポイントだったと思います。ライブにもより幅広いタイプの人たちが来てくださるようになって。

――竹内さんの卒業コンサートはファンクラブ先行の予約段階からかなりのチケット争奪戦が繰り広げられていたというお話ですが。

本当に信じられないですよね。しかも横浜アリーナというグループ単独では最大級の会場で開催できるだけでも光栄な話なのに、チケットが取れないって何の話?と思いました(笑)。昔はライブのチケットなんていつも余裕で取れたし、何なら余ってたぐらいだったのに。私が一番びっくりしてますよ! 最近でこそアンジュルムは武道館などに立たせていただく機会も増えましたが、グループ初の単独武道館の時は、ハロー!プロジェクトの全グループがゲスト出演してくれて、どうにかって感じでしたからね。そして、その時に一番声援が大きかったのはモーニング娘。の道重さゆみさんが登場したタイミングだったという。さすがに「うちらじゃないんかーい!」って声に出して言いましたから(笑)。本当にその時代から知っているファンの方にとってもすごく感慨深いんじゃないでしょうか。

竹内朱莉のProfile

●たけうち あかり

1997年11月23日生まれ、埼玉県出身。アンジュルム(旧スマイレージ)の2期メンバーとして、2011年にグループに加入。2015年にアンジュルムの初代サブリーダーに就任し、2019年よりリーダーを務める。抜群のリズム感とピッチの持ち主で、ハイトーンボイスとパワフルなダンスが武器の実力派。書道準五段で正師範の資格を持ち、この春には明治神宮外苑 聖徳記念絵画館にて初の書道展「煌々舞踊(こうこうぶよう)」を開催したばかり。現在ソロ写真集『roundabout』が好評発売中。

ベスト¥11000/原宿シカゴ(原宿/竹下店)  シャツ¥3299・パンツ¥5499/WEGO キャミソール¥1429/W♥C その他/スタイリスト私物

アンジュルムのInformation

アンジュルム32nd両A面シングル「アイノケダモノ/同窓生」通常盤Aジャケ写

アンジュルム

『アイノケダモノ/同窓生』

アンジュルム32nd両A面シングル『アイノケダモノ/同窓生』が好評発売中。『アイノケダモノ』はグループ史上最難関レベルのダンスを取り入れたアップビートな楽曲、『同窓生』はつんく♂が作曲作詞を手がけた感動的なミディアムテンポナンバー。竹内朱莉の卒業のために作られたソロ曲『行かなくちゃ』も収録。初回生産限定盤を含めた全5形態でリリース。

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