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【キャリアインタビュー】COHINA(コヒナ)代表・田中絢子さんに聞く『好き』を仕事にするということ〈前編〉

身長150cm前後の小柄女性のためのアパレルブランド『COHINA』の代表兼ディレクターを務める田中絢子さん。田中さんがブランドを立ち上げたのは、大学生の時。それは、就職活動を終えて感じた、あるひとつの思いがきっかけでした。インタビュー前編では、大学時代や就活中のエピソード、起業を決意した理由について伺うことに。どんな時も「おもしろそう」、「やってみたい」という自分のポジティブな心の声に正直に突き進んできた田中さんの言葉には、ノンノ読者にとってのキャリア選択のヒントがあふれているはず!

COHINA田中絢子さん写真①

Profile


●たなか あやこ

1994年生まれ、神奈川県出身。早稲田大学在学中、自身の悩みに基づき身長150cm前後の小柄女性のためのアパレルブランド『COHINA(コヒナ)』をローンチ。ブランド立ち上げ後、新卒としてGoogle Japanに入社する。約1年の代理店広告営業&ブランドディレクターの両立を経て、Google Japanを退社。ブランドディレクターに専念。

やりたいことが見つからないなら、自分で作るしかないと思ったんです

――田中さんは、どんな大学生でしたか?

「好奇心のおもむくままに、国際協力に関する学生団体の活動をしたり、ボランティアとして海外に行ったり、世界中でインターンをしたり。高校時代までやりたいと思っていたけどできなかったことを端から端までやりつくした感じでしたね。ただ、学業はそのやりたいことのなかに入っていなかったので、大学の成績はめっちゃ悪かったです(笑)」

――アクティブに活動された大学時代に学んだことや経験したことで、今にいきていることはありますか?

「人生をかけてやりたいことを探し続けた大学時代だったのですが、その結果、特に何も見つからなかったことが収穫でした。人生経験が増えれば自然とやりたいことが見つかるんじゃないか、運命的な出会いが待っているんじゃないか、みたいな期待は全部なくなって、やりたいことがないなら自分で作るしかないっていう考え方に変わったことが一番大きかったと思います」

田中絢子さんの大学時代のお写真

――就職活動を始めるタイミングでは、起業は考えなかったのでしょうか?

「そうですね。起業への関心はまったくなかったので、もしかしたら途中で転職することはあっても、当然のように新卒でどこかの会社に就職して働いていくと思っていました」

――では、そんな田中さんが就職活動の軸にしていたものは?

「軸は明確に三つ決めていて、世界で活躍したいと思っていたので、まず一つめはグローバルなこと。二つめは、社会の役に立っている実感が持てること。社会の役に立たない会社や仕事はひとつもないけれど、それを自分で実感できるかどうかが個人のモチベーションや幸せに深く関わるということは、海外インターンや国際協力に関する活動を通して感じていたんです。そして三つめは、自分の武器を持てそうなこと。大学時代は、将来何ができるようになるんだろうという不安があったので、何かしらの専門性を高められる会社に行きたいと思っていました」

――最終的にはGoogle Japanに入社されますが、最初から志望されていたのでしょうか?

「いえ、実ははじめはGoogleが新卒採用をしていることを知らなくて……。就活サイトを見ていた時にたまたま目に入って、あまりにも身近なサービスだから申し込んでみたんです。他は商社やメディアや国際機関系の採用試験を受けていたので、まさか自分がIT系の会社に行くことになるとはまったく想像していなかったです(笑)」

「小柄な女性向けのブランドがあったらいいなと思っていた」。 そんな声に勇気づけられて、ブランド設立への一歩を踏み出しました

――さきほど「就職活動を始めたタイミングでは起業への関心がまったくなかった」とおっしゃっていましたが、いつどのようなきっかけで事業を始めることを意識するようになりましたか?


「私は、就活さえすれば、やりたいことはきっと見つかるんだと思っていたんです。でも、実際に就活が終わってみると、“あれ? あんまり変わらなかったかも”って(笑)。もちろん企業理解は深まったし、素敵な人にもたくさん出会えたけれど、“これを生涯やっていくんだ!”って強い熱意を持って言える仕事は結局見つからなくて。どこか肩透かしを食らった気分だったんですよね。そこで、どこかの会社に入るのではなく、何がしたいのかを考えた時、たまたま出てきたのが自分でビジネスをやるというアイデアでした。インターンや就活のように参加者側としては経験を積めたかもしれないけど、自分が何かをゼロから生み出す作り手になった経験がなかったことも大きかったですね。でも、そんなに深いことをいろいろ考えたというよりは、おもしろそうだなって思ったことがいちばん大きい理由ではあります」

――アパレルの分野で事業をやろうと考えた理由は?

「どうせやるなら、誰かの課題を解決するようなビジネスをしてみたいと思ったんです。当時はいろいろな事業領域に興味があったので、アパレルにかぎらず人の悩みに寄り添えるサービスにはどういうものがあるかを考えました。その結果、身長148cmの自分にとって一番リアリティがあったのが、背が低いことでサイズが合わず、で着たい服がないという悩み。それで、小柄な女性が着られる洋服をコンセプトにブランドを立ち上げようと思いました」

――小柄女性向けのブランドを作ることに対して反対の声はありましたか?

「(大きくうなずきながら)ありましたね。特に事業内容についてはビジネスサイドの知見のある人から賛同されることがなくて、“ニッチすぎて事業として成り立たない”とか“小柄さんとはいえ服はみんなすでに着ているんだからニーズがない”とか……。どの意見も一理あると思いましたが、私の周りにいる小柄さんたちに話を聞いてみると、“服選びに悩んでいて、いつかそんなブランドができたらいいなと思っていた”って口をそろえて言ってくれたんです。みんなの悩みの深さに勇気づけられたというと変かもしれないですけど、同じ悩みを抱える人たちからはすごくサポートしてもらえたので、ネガティブな意見はいっさい無視して、直感を信じて一歩を踏み出しました

COHINA(コヒナ)

2018年1月にスタートした身長150cm前後の小柄女性のためのアパレルブランド。ブランドコンセプトはあなたに陽が当たる服。小柄さんの体型がきれいに見えるよう、数ミリ単位でこだわられたデザインが人気を集めている。ブランド公式Instagramから毎日配信される、共感を重視したインスタライブによる販売も話題に。

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