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No.245 Sakimi

【生理を話そう】現役女子大生が行く、世界で唯一の「月経博物館」

2024.09.06

台湾の台北市大同区、昔ながらの商店が並ぶ通りに「小紅厝月經博物館 Period Museum」はあります。ここは世界で唯一の「月経」にまつわる博物館。

2022年に、当時24歳だったヴィヴィ・リンさん率いる非営利組織「小紅帽 With Red」(赤ずきん)がオープンさせ、世界中から大きな反響があったこの場所を、同世代であるnon-no大学生エディターズが取材しに行きました。

生理はまだまだ私たちにとってフランクに話すのが難しいテーマ。女友達にならまだしも、例えばバイト先や男友達、家族にさえも、症状や痛みを伝えるのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか?

この記事では、実際に訪れて学んだことや感じたことを中心に、なぜ生理について話したり、考えたりするのが大切なのかを伝えていけたらと思います。ぜひ最後までご覧ください。

記事を書いているのは…

現役大学4年生のSakimiです。大学ではジェンダー学を専攻にしているため、今回「月経博物館」を訪れました。男女関係なく、自分や他人の体を思いやれるようになったらいいなと思い記事を執筆しました。

non-no大学生エディターズNo.245 Sakimi

商店街に突如現れる、そこは「月経」に関する博物館

台北の中心部から少し離れた大同区。ここは地元の方たちが野菜を買いに来たり、井戸端会議をしていたり、東京でいう下町のような雰囲気のある地域です。

この場所に設立された理由として、生理が買い物に行くくらい自然なことであり、隣人と話すような温度感で訪れてもらえるように、といった意味が込められているそう。

設立にあたって、工事期間は地元の方々からの目線が厳しいこともあったそうです。しかし、オープンする頃には、なぜこの場所に必要なのか、理解してくださる方が増えたとのことでした。

ちなみに中国語で「月経」は「月经」。日本語と似ていますね!英語では「menstruation」ですが「period」という方が一般的。日本でいう「月経」と「生理」のような言葉の違いみたいなものが、世界中に存在しているようです。

かつて私たちの家だった子宮ーからだについてどのくらい知ってる?

中に入ると、一面に血や膣、子宮のモチーフが。こんなこと言っていいのかわからないですが、正直見ているだけで生理痛が起きそうでした(苦笑)

受付の方に日本人であることを伝えると展示のほとんどすべての日本語訳が書いてあるパンフレットを貸していただけました。観覧は無料です。

子宮や陰唇についての展示です。それぞれの仕組みや月経のプロセスについて丁寧に解説がされています。ケアの仕方や、子宮と膣が先天的に欠損しているロキタンスキー症候群についても学ことができました。

例えば、高校の生物の授業で臓器の仕組みや働きについて深く学ぶことはあっても、保健の授業で膣の仕組みや働きをそれほど学ぶことはないですよね。(あってもその重要性について感じず受けている気がします…)

自分の体のことなのに、台湾まで来ないと知らないことが本当に多かったのがショックだったのと、男性はもっと知る機会が少ないんだろうなということもまた感じました。

博物館に関して、来場者の4割は男性で一人で来場する方も多いようです。人間の半分が経験することは、みんなが知っておくべきだなと感じました。

印象的だった子宮のキャラクター。生理がまだ来ていない子と、親が学びに来ることもあるようです

階段を登ると、さらに真っ赤な空間が。壁には生理が来た時の気持ちが中国語で書かれています。

「私にもついに生理がきた!」「横になりたい…」「どうしよう、休みたい」

2階には生理の貧困について、さまざまな生理用品、そして数十年前、生理が今よりもさらにタブー視されていた時に女性がどのように向き合ってきたのかについての展示スペースがありました。

ユニークな世界の生理用品たち。ナプキンはもちろん、タンポンや最新の月経カップまで。色々な生理用品が普及していますが、途上国や災害地では綺麗な水を十分に使えないため、布ナプキンや月経カップよりも通常のナプキンが求められるようです。

広がる支援の輪、生理の貧困に悩まないで

博物館の設立団体、「小紅帽 With Red」が活動的に行なっているのが、「生理の貧困」の解決です。台湾のみならず、災害地や戦地において、20万枚近くの生理用品を寄付し、900人近くの青年期の少女を支援しています。

日本でも、国による制度ではありませんが、一部の地域や学校で生理用品の無料配布が行われています。「生理の貧困」という言葉にあまりピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんが、日本でも8.1%の女性が生理用品と他の生活用品のどちらを買うか、葛藤している方がいるのです。

例えばナプキンの使用料をもったいないからといってケチったり、トイレットペーパーで代用したりすると、雑菌が繁殖し感染症のリスクが生まれます。生理用品を無料でもらうことは決して恥ずかしいことではないので、もし何か生理に関して悩みがある場合、自治体や学校にそのようなシステムがあるかチェックしてみるといいかもしれません。

あなたなら自分の生理になんて声をかける?

博物館の最後の展示は「Dear Period」自分の生理に手紙を書くというもの。

中国語や英語、日本語などで思い思いの気持ちが述べられていました。

みなさんなら自分の生理になんて声をかけますか?私はやっぱり、嫌い!しんどい!という気持ちが大きいですが、それでもきちんと向き合っていかなきゃ、自分の体の機嫌を取らなきゃ、という気持ちもここを通して生まれました。

印象的だった手紙。生理を取り巻く問題は本当に多岐に渡り、深いものだと感じさせられました。

最後に、応援の意味も込めてステッカーを購入。自分や周りの方々に優しくなれるような、温かい場所でした。日本にもこのような場所があったらなと強く思います!

ここまでお読みいただきありがとうございました!
「小紅帽 With Red」や月経博物館に関するさらに詳しい情報は、以下の公式Instagramからご覧ください!

  • 出身地

    石川県

  • 身長

    155cm

  • 学年

    大学4年生

  • 推し

    推し:映画鑑賞・韓国美容・ジム通い・カフェ巡り・旅行・女性アイドルが大好きです♩

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