蟹ブックス店主・花田菜々子さんが20代におすすめする本。『おいでよ　ポインティの相談天国』

どんな悩みもポジティブ変換！
ノンノ世代のための人生相談本

『おいでよ　ポインティの相談天国』

佐伯ポインティ／著　￥1870　祥伝社

10代、20代の若者を中心に支持され、YouTubeでも大活躍中の佐伯ポインティさんがPodcastで配信中のお悩み相談番組を書籍化。恋愛、結婚、性、仕事、人間関係……など、ノンノ世代のリアルなお悩みに、ユーモアを交えながらハッピーオーラ全開で回答する。

　10代後半〜20代前半って、ほんとーーーにお悩みの多い時期。恋愛も仕事も初めてのことばかりだから、そりゃ頭がぐちゃぐちゃになります。そんなときにおすすめなのがこちら。
「もっとやせなきゃって思ってしまう」「彼氏との性的な行為に嫌悪感が」「自分のやりたいことがわからない」なんて、どれもすごく難しい問題だけど、ポンポン解決のヒントが出てくる！
　たとえば「会社で上司が人の悪口ばっかり言ってて聞かされるのがつらい」って悩み、つい「上司にはっきり言う」or「我慢する」の2択なのかなと思ってしまいがちなんだけど（どっちを選んでもしんどいですよね）、なんと著者の回答は「ふざけたダル絡みを続けて、上司に悪口言うのをあきらめさせる」というもの。くわしいやり方はぜひ本文を読んでみてね。
　楽しくて笑える内容だけど、実は愛とまじめに溢れてて心がぎゅっと強くなれる、そんな1冊です！

●はなだ　ななこ　
東京・高円寺の書店「蟹ブックス」店長。著書に『モヤ対談』など。2019年5月号より約6年続いた当連載は今回で最終回。ありがとうございました！

編集部がおすすめする本3選

『ダンス』

竹中優子／著　￥1870　新潮社

近頃、同僚3人が欠勤を繰り返すせいで仕事が増えている＂私＂。そんなある日、3人のうちの1人である先輩・下村さんから欠勤理由は三角関係だと知らされる。同僚の恋愛に振り回されている＂私＂はいったいどうすれば……。芥川賞候補作。

『ロイヤルホストで夜まで語りたい』

朝日新聞出版／編　￥1760　朝日新聞出版

ロイヤルホストを愛する17名によるエッセイアンソロジー。緊張と背徳のホットファッジサンデー、その名に恥じないパラダイストロピカルアイスティー、壮大な由来にときめくコスモドリア……。執筆陣のときめく思い出とおいしい時間を召し上がれ。

『うまれることば、しぬことば』

酒井順子／著　￥737　集英社文庫

＂映え＂＂陰キャ＂＂わかりみ＂……。一世を風靡するワードはどのように生まれ、どのように消えていくのか。言葉の変遷をもとに日本人の意識や当時の社会的背景まで掘り下げ、＂ことば＂に対するモヤモヤの原因に迫る日本語論エッセイ。

2025年4月号掲載