"社交性"をなくして演じた誰もがうらやむキャラクター
映画『望み』で演じたのは、建築家の父、優しい母、明るい妹に囲まれた高校生の長男・規士(ただし)。ある日突然行方不明になってしまう役柄で、「役者の誰もがうらやむ立ち位置」だと言う。
「なぜならこの映画は僕がいないシーンがほとんど。その中でもずっとみんなの話題の中にいられるなんて、こんなに幸せなことはないと思いました」
物語のカギを握る役を演じるうえで立てたプランは、「社交性をなくす」こと。
「それが反抗期に見えればと思ったんです。ある殺人事件を巡るサスペンスなので、規士が加害者なのか被害者なのか、どんな見え方もできるニュートラルな表現をしたいと思いました」
サッカーをケガで諦めた規士と同じく、岡田さんにも肩を故障して野球を満足にできない1年間の挫折の経験が。
「その頃はつらかったけど、悩んだことや自分と闘ったこと、周りの仲間に嫉妬するいやな自分を見た経験は、今の役者という仕事に生きていると思います」
では、学生時代に後悔はない?
「もちろん、いっぱい恋愛をしてみたかったですよ(笑)。でも高校時代の野球の恩師が、『選択に正解や不正解はない。自分の選択肢を正解にしていけ』とおっしゃっていて、本当にその通りだなって。恋や遊びを犠牲にして野球に情熱を注いだ選択に悔いはないです」