友野一希の「トモノのモノ語り。」
友野一希連載「全日本選手権直前 最新練習状況、大会への意気込み」【 #トモノのモノ語り。】vol.42.5
2024.12.17

いよいよ12月19日より全日本フィギュアスケート選手権が開幕。
昨年に続き、今年も本番へ向け最終調整を進める友野一希さんから最新の声が届きました。大会直前ということで内容を近況報告のみにしぼり、最新の練習状況や全日本選手権への強い思いをお届けします!
2024-25シーズン これまでの振り返り▼
いよいよ全日本選手権!

全日本まであと数日! おかげさまで毎日とても元気に練習に打ち込んでいます。
基本的には毎朝起きて練習に行って帰って寝るという生活ですが、読書をしたり、家の掃除をしたりと時折上手に気分転換しながら、心身ともに健康な状態で日々を過ごしています。
ケガによる練習不足の状態から抜け出したことで、自信が出てきた!

最近はやっと調子が上がってきて、「そういえば全日本前っていつもこんな感じでやってきてたなあ」と思い出しながら、いいペースで追い込みができています。
もちろんケガをした時や、グランプリシリーズが終わった後は多少焦りがあったけど、今は十分練習を積めたことで自信も出てきて。体もしっかり動くようになったし、筋力も戻ってきました。
いろいろあってもこうやって毎年この時期にちゃんと調子が上がってくるのは、すごく不思議。今年も今まで以上のものを発揮できるよう、しっかりと本番に合わせていければと思います。
全日本選手権前の練習内容、スケジュール管理について

練習で大切にしているのは、悔いを残さず1日を終えること
現在の練習内容は、試合を想定してプログラムを通しで滑ることの繰り返し。そうやってノーミスの演技を積み重ねることで、ひたすら不安をなくしていく作業です。
練習量については、通常ならばシーズン中は量より質だけど、今の時期は悔いの残らない状態で1日の練習を終えることが一番大事。だから満足して終われるまでは、体の調子を見た上で時間を延長することも。そこは今までの経験をふまえながらうまく調整しています。
練習の管理をアップデート。ケガを通して学んだ不調時の練習との向き合い方
今年は練習の管理方法も昨年から大きくアップデート。練習のスケジュールを1か月、1週間単位で設定。さらに朝起きてから寝るまでの1日のタスクをリスト化して、それを自分の目に見えるところに置いて練習するようになりました。
なぜこのように綿密にスケジュールを管理するようになったかというと、調子が悪い時、いかに冷静に対処できるかが今の僕に重要だと実感したから。
特に今季はケガで焦ったり、冷静さを欠きそうになったりする場面がありました。
不調だとつい立ち止まってしまったり、いつもやらないことをして無理をしてしまったりするけど、初めからやるべきことが明確に設定されていれば、迷いや弱い気持ちが入り込む隙間がなくなるんです。
また各練習メニューの時間配分や回数も設定しているので、調子がいい時に練習をしすぎて体を酷使した結果ケガをしてしまう、ということも防ぐことができます。
本当はこうやってきっちり管理しなくても、上手にコントロールできるようになるのが一番いいんでしょうけど、僕は目に見える形じゃないとできないタイプだから。
それに自分の気持ちの持ちようだけで日々コンスタントに成果を出すのは限界がある。だから常に淡々と目の前のことに向かえる環境を自分で整えていくことにしたんです。
人の考え方はそう簡単には変わらないけど、環境を外側から変えていけば、自然と自分の望む方向に進んでいけるはずだから。
そうやっていい時も悪い時も、冷静な時の自分に練習を管理してもらえるようにしたおかげで、今はものすごくいいペースで練習できているし、毎日の充実度がぐんと上がったのを実感しています。
いざ12回目の全日本選手権へ!

全日本は今年で12回目! 12年間出場し続けてきたと思うと、えらいこっちゃですね。
全日本後の世界選手権の選考については、今の僕はかなり追い込まれている状況。高い得点と順位がなければ、正直世界選手権代表に選ばれるには難しい位置にいる思うので、とにかく優勝を目指して頑張るしかないと思っています。
だけどまずは日々地に足を着けて練習し、本番でベストを出すことこそが自分の望む結果につながっていく。そう考え、残り数日を過ごしたいと思います。

大阪での全日本は、2022年に初めて表彰台に上がった思い出もあるし、いいイメージをもって試合に臨めるはず。そして僕の地元である大阪で自分の思い描く演技ができること、それが一番うれしいです。
毎年全日本の前後は体調を崩しがちな僕。昨年は終わって1か月くらいずっと体調不良だったので、あれだけは勘弁という気持ちがありつつも……
ただ今年もそれくらいすべてをこの大会で出し切れたらいい。その覚悟で本番に臨みます!
Staff Credit
語り/友野一希 企画・構成/轟木愛美
全日本選手権
- 12月19~22日@大阪 東和薬品RACTABドーム
・20日男子ショートプログラム
・21日男子フリープログラム
\TOMONO TOPIC/
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Profile
2022-23シーズンは全日本選手権で初の表彰台、自らの力で世界選手権出場を果たし自己ベストを更新するなど確実な成長を示した1年に。オフシーズン中はありとあらゆるアイスショーに出演。各ショーの特性に合わせた多彩なパフォーマンスでエンターテイナーぶりを発揮。初めてキャラクターを演じた「ワンピース・オン・アイス」での熱演も各界で話題の的となった。
成長を求め自分のプライドをかけた戦いへと臨んだ2023-24シーズン。あえて強みを封印した挑戦のフリー『Halston』は、試合を重ねるごとに輝きを増し、これまで地道に磨いてきたものが結実したプログラムに。昨年12月の全日本選手権では、芸術性を極めたフィギュアスケートの真骨頂ともいえる演技で唯一無二の世界観を作り上げた。
その進化はアイスショーを経てさらに加速し続け、高橋大輔さんプロデュースのアイスショー『滑走屋』ではショースケーターとしての本領を発揮。さらに6月の『氷艶hyoen 2024 -十字星のキセキ-』では歌に演技にと新境地に挑み、競技の枠に留まらない真の表現者としての地位を確立。そうかと思えば翌週の『Fantasy on Ice』では大人のムード満載のプログラムをこなれ感たっぷりに披露するなど、そのステージ一瞬一瞬で眩い輝きを放ち、圧倒的吸引力でいつも観客の心をつかんで離さない。
このオフには、スケーティングの原点に立ち返り、コンパルソリーを一から学び直す姿はどんな時でも基本を重んじる実直な彼ならでは。
迎えた新シーズンは2026年のオリンピックに明確に照準を合わせ、スケートと向き合う1年に。長年振付してもらうのが夢だった振付師とタッグを組み、自分が目指すフィギュアスケートを極限まで追求し続ける姿勢は、彼の崇高な精神そのものだ。
これまで何度も自分だけのやり方で目の前を壁を壊し、乗り越えてきた彼が競技を突き詰めた先に出合う景色はどんなものなのか。その真価は、前回メダルを獲得した地元・大阪での全日本選手権で発揮されるはずだ。
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Kazuki Tomono 友野一希
フィギュアスケーター
1998年5月15日生まれ、大阪府堺市出身。
2026年のミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックを目指す男子シングル日本代表。感情をスケートにのせ、観客の心まで躍らせるHappyな演技で世界を熱狂させる愛されスケーター。
古着、サウナ、インテリアショップ巡りなど多彩な趣味をもつ26歳。実直な人柄、好きなことに対する探究心など、近年は競技以外で見せる魅力にも注目が集まる。
表現の名手であり、オフシーズンはアイスショーに引っ張りだこ。各ショーの特性に合わせた多彩なパフォーマンスでエンターテイナーぶりを発揮している。
新たな振付師とタッグを組むことで表現の可能性をさらに広げた2024-2025シーズンを終え、いよいよオリンピックシーズンへ。自身の原点でもあるミラノの地を目指して自分至上最高のスケートを完成させる。

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