23卒・就活最速ルポ 「内定獲得への道」。最新事情から就活奮闘記までリアルな声をお届け!

2022.10.15

\ 先輩205人に聞きました /

23卒・就活最速ルポ

内定獲得への道

コロナ禍が収束しなくても就活シーズンは毎年やってくる。就活事情も変化していくなかで、先輩たちがどうやって内定を勝ち取ったかアンケート&インタビューで調査。何があってもブレずに闘い続ける方法とは!?

※non-no大学生エディターズを含む2023年卒業予定の大学生、短大生、専門学校生、大学院生205人が回答。

今年はどう変わった? 就活最新事情

コロナ禍の就活も3シーズン目。就活生も企業も慣れない対応に追われた昨年までよりも体験談が蓄積され、状況に合わせて取り組んだ先輩が多かった。

就活を始めた時期は
\ 半数以上が 大学3年の4月~8月! /

大学3年の6月…16.5% 大学3年の4月…14.5% 大学3年の5月・7月・8月…各7%

半数以上(52%)が大学3年の4月〜8月に就活をスタート。一番早い人は、大学2年の6月。もっとも遅かったのは大学4年の7月。3年生になったら早めに意識したほうがよさそう。

TOPIC 1

聞いてたのと違う!

事前情報と実際の就活でギャップを感じた人は半数以上

「コロナ禍の影響でほとんどがオンラインになると聞いていたが、実際はオンラインと対面のハイブリッド」というように、世の中が通常の生活に戻りつつあるので、以前のような対面を増やしている企業も多いみたい。個人面接やグループディスカッション……いずれも対面とオンライン両方の対策が必要になり忙しさもアップ。

なかった48.5% あった!51.5%

先輩の話や就活本で事前に得ていた情報と実際の就職活動とでギャップを感じたことはありますか?

「あった」と答えた人の中には「思っていた以上にSPIが難しく、試験の時に時間が足りなかった。もっと早くから対策すべきだった」「ES(エントリーシート)を書くことが想像以上に大変」など、面接以外でもギャップを感じたという声が。

TOPIC 2

志望業界は初志貫徹!

コロナ禍に左右されない選択にシフト

「コロナ禍の影響で企業を選ぶ基準に変化はあったか」「志望業界の変更はあったか」の質問は、昨年よりも「なかった」が上回る結果に! コロナ禍が長引き、"withコロナ"が世間的にもどの企業にも意識されつつあるため、将来の見通しがつくようになったからかも。安心・安定は必要だけど、やはり"自分のやりたいことを仕事にしたい"という思いはコロナ禍になっても変わりはないみたい。

志望した業界は?

1位は昨年と同様で「生活・公共・福祉サービス」業界。なんと、36.5%の人が志望していて、ダントツで1位という結果に。続いて、2位13.0%、3位12.5%、4位12.0%、5位10.5%と、2位〜5位の業界はあまり差はなし。安定した職業のイメージがある公務員を志望していた人は約2%だった。

コロナ禍の影響で、企業を選ぶ基準に変化はありましたか?

「変化があった」と答えた人は、「安定している」「将来性がある」「企業の規模が大きい」「リモートワークができる」を主に重視して選んだよう。

就活中、志望業界の変更はありましたか?

「変更があった」人は、「もっと魅力的な業界を見つけた」「自分に向いてないと感じた」が主な理由。「企業が採用を中止したから」「業界の業績が落ちていたから」というコロナ禍の影響は、8.7%と少数に。

気になるデータ

卒業後、新卒で就職した会社で定年まで働きたいと考えていますか?

昨年は「分からない」が47%、「はい」が27%という結果。今年はコロナ禍に左右されない企業選びをしている分、定年まで勤めたい人が多い傾向に。「いいえ」の人は転職や起業でキャリアアップをもくろんでいる人多し!

発表! 就活で一番大変だったことランキング2022

やっぱり就活は気苦労も多いみたい。特に先輩たちが大変だと感じたことをピックアップ。乗り越えるために工夫したことも聞きました。

自己分析

「改めて分析してみると自分自身についてあまり知らないことに気づいた」「自分の長所を見つけるのが大変だった」と感じた人多し。「いろんな人に"私ってどんな人?"と聞いてみるのが案外ヒントになるかも」というアドバイスのように、一人で考えるだけでなく、友達や家族などの周りの声を参考にして分析を進めるのがベスト。

メンタルの維持

自分を見定められることってかなりのストレス!「いつ終わるんだろうとへこんだ時もあったけど、"一人じゃない""将来に直結することだし今やらないと"と思って頑張った」と自分を奮い立たせていた先輩も多数。「たまに趣味に没頭する日を作る」なんて人も!

ガクチカ

"ガクチカ=学生時代に力を入れたこと"。コロナ禍でも工夫して過ごしたことを書いた人が多かった。また、アルバイトやサークル活動のことでなくても、「大学で何を学んだか、通って変わったこと、人間として成長したことを中心に書いた。資格習得のこともつけ加えて、新しい知識を自分のものにすることへの熱意を伝えた」という人も。

対面の面接対策

面接対策はとにかく練習に限る! 「面接官の経験がある大学の先生3人に面接を1~2回ずつお願いして練習」「答えづらい質問にも対応できるように練習しておくと、その緊張感に慣れて、本番でもスムーズに話せる」

スケジュール管理

「さまざまな企業のスケジュールでこんがらがってしまい、ESが間に合わなかったことが」と多くの企業にエントリーしていると管理も大変。「予定をカツカツにしすぎるとしんどくなる。休める時は休むようにした」との声もあり。

リモートの面接対策

すでに当たり前のように実施されているリモート面接。「カメラの目線や部屋の明るさ(画面全体の白さ)などで、面接官に与える印象はかなり変わるので、セッティングもしっかり行ったほうがいい」とのアドバイスが。

気になるデータ

選考で、グループディスカッションはありましたか?

グループディスカッションは「なかった」が昨年の49%から60%に拡大。リモートで経験した人は「発言をゆずり合う&時差も感じてやりとりがスムーズにいかなかった」や、「途中でネット回線が切れてしまった人がいて待機時間があった」などの苦労もあったみたい。

インターン

インターンシップとは就業体験をすることで、経験すると早期選考に有利という情報も。ただし、人気企業は応募も多く激戦。「インターンに応募する前から自己分析や応募動機などの対策も進めておいて!」とのこと。

気になるデータ

インターンを経験した企業数は?

インターン経験なしという人が多い一方で、10社以上経験をしたという猛者が7.5%も! インターンの内容は、1DAYが圧倒的に多く、オンラインでのグループワーク&プレゼンや、ワークショップが主流。なかには「説明会とほぼ変わらなかった」という人も。「オンラインだからこそ何社も体験しやすい」というポジティブな意見も!

OB・OG訪問

コロナ禍の影響か、OB・OG訪問をしない人が多数。形式は「先輩方も忙しいため、オンラインなら気軽に受けてもらえた」とのこと。また、「SNSやネットの口コミのほうが情報が豊富」との意見多し。ただし、「ネットの情報は信頼性がイマイチだから直接聞きたい」との声も根強い。

気になるデータ

OB・OG訪問をした人数は?

OB・OG訪問をした中で多かった形式は?

情報収集で役立ったツールは?

OB・OG訪問をしない代わりに、ほとんどの人が就活情報サイトを活用して情報収集。また、SNSのオープンチャットで志望業界を登録して情報交換をし合ったり、就職支援団体に登録したり、大学のキャリアセンターや教授、先輩などの身近な人たちを頼りにしていた。

non-no大学生エディターズが内定獲得までの日々をプレイバック! 私の就活奮闘記

就活生の数だけドラマがある! ここでは23卒・内定者にインタビューを実施。どのように就活に取り組んだのか、じっくり聞きました。
※取材は8月上旬に行いました。

23卒就活生現在の活動状況

8月時点で内定先が決まっている人は53%! 一方で内定の有無にかかわらず夏採用や後期採用に望みをかけ、諦めずに就活を続けている人が59%いることも判明。内定を勝ち取った人の秘訣を学んで、今後の自分の就活に役立てて。

よダちゃん。さん・大学4年

よダちゃん。さん・大学4年
内定獲得後も就活を継続

面接対策は
自信がつくまで猛練習!

就活カレンダー

インターンを経て、業界を絞れた。イキイキと働ける企業を選択

「私は周りが就活を始めたタイミングで動き出しました。その時は、教師になるのではなく、“就職する”ということしか決めてなかったので、化粧品、アパレル、娯楽、流通など、いろんな業界の企業イベントに参加し、インターンシップもさまざまな会社に申し込みました。会社説明会に参加、インターンを10社ほど経験して、自分が一番イキイキと働けると感じたのがアパレル業界だったので、大学3年の10月の時点で、第一志望の業界にして活動を進めることにしました」

就活史上最大の壁に直面。面接対策は数をこなすと自信に!

「就活する上で、一番大変だったのは、対面の面接。1次試験はほとんどオンラインでしたが、2次からは対面で行われることも多く、マスクを外して話す場面もありました。私は油断をしていて、リップをしないまま家を出てしまい、そのまま面接に臨んだことが。顔色が悪く見えないかと気が気じゃなかったので、それからリップは就活バッグに必ず入れておくようになりました(笑)。大学の先輩も同じ経験があったようなので、普段リップを塗り忘れがちな人は気をつけたほうがいいかもしれません。あと、なかなか面接が通らなかった時に、自分のどこがダメなのか分からなくてそれを分析するのにすごく苦労しました。面接練習はいろんな人とやったほうがいいです。友達や先輩とやると、圧迫感や淡々とした面接の雰囲気を感じられないので、どちらかといえばキャリアセンターの人や就活エージェントの方に頼んで対策したほうがいいかも。内定をもらった今でも、もっと練習しておけばよかったと思ってます(笑)。実際、練習の数をこなしていると、だんだんと緊張しなくなってきたり、言いたいことがスムーズに言えるようになりました。私は早口になるくせがあることも分かったので、ゆっくり話すことを意識するようにもなりました。面接は練習をすればするほど自信もついて、心に余裕を持って挑めますよ」

周りの人を気にしすぎてはダメ。就活の中で楽しみを見つけて!

「大学4年の春頃、人の就活状況をすごく気にしすぎて、気分が落ち込んだことがあるんです。情報共有が大事な時もあるけれど、“あの子はあんなに内定を持ってるのに”と思ってしまうこともあったので、しばらく友達と就活の話をするのをやめました。“自分は自分”と思うことと、同じような状況の人がいるSNSで話したり、大学の先輩に電話をして話を聞いてもらったりすることで、元気を取り戻しました。あとは、事前に面接会場近くで気になるカフェを探すという楽しみを見つけたりも。カフェへ行ってひと息つくだけでも気分転換になります」

“好き”を叶える会社で働きたいから納得いくまで就活を続けました

「ここまで3社から内定をいただいたのですが、流通業界の2社は辞退しました。ファッションに関わる仕事のほうが自分に合っていると思ったので、アパレル企業のみに絞り活動を継続。その後、夏採用を行う企業があることを知り、思いきって受けてみることにしました。今、最終試験まで残っている会社があるので、頑張りたいです!」

自己分析はかなり大事!進みたい業界に挑戦すべき

「こうして就活を振り返ると、自己分析は、自分が気づいてない部分が見えてくるので、すごく大切だと感じました。それから、一人でするのもいいけど、イベントに参加したり、友達や親に、自分の幼少期や中高時代の話を聞くことも大切です。私は、幼少期から家族や友達を喜ばせたいという思いが強く、自分よりも人のために尽くしていたことが21年間の人生で多いことが分かったので、“人に何か幸せな価値観を与えられるアパレル業界で働きたい”という結論にたどり着くことができました。これから就活を始める人や就活中の人には、自分の人生なので、周りの目を気にせずに、自分のペースで頑張って、心から働きたいと思えるような業界に進んでほしいです」

就活内定獲得への道イラスト3-1

就活必勝アイテム

就活内定獲得への道アイテムカット3-2

①有名スーツブランドのスカートとパンツセット。②大学入学式のために買った『Samantha Thavasa』のバッグが再登板。靴は5cmヒールを愛用。③メイクはベージュやブラウン系でナチュラルさを意識。④フィアンセの『ポイントへアスティック』は、アホ毛対策に。就活ノートは、面接の反省点や思ったことなどを書いておく用。

WanCOさん・大学4年

WanCOさん・大学4年
内定獲得して就活終了

予想外の質問は
ストックしたネタで切り返し

就活カレンダー

コロナ禍で暇だったので早めに就活をスタート!

「家族がマスコミ業界で働いていたので、小さい頃から興味があり、早く業界のことを知りたかったんです。また、コロナ禍で時間を持て余してるくらいなら、早めに就活をしようという考えで、大学2年から就活を始めました。でも、スタート時は何も分からずに、とりあえずインターンをしてみようと、思い出せないくらいの数の会社に応募。マスコミ業界は、他の業界と比べて、機材を触ることができたり、グループワークをしたりと実際に体験できる内容が多く、楽しいと感じたので、試験を受けるのもマスコミ業界に絞りました。でも、コロナ禍の中、オンラインのよさも感じていて。OB・OG訪問では、手土産がいるか考えなくていいし、先輩方も仕事終わりに自宅からつないでくださったり。オンラインだからこそリラックスしてお話しできたのかなと思ってます。あと、インターンや説明会もスケジュールを詰め込みすぎてたし、選考も各地に行って面接を受けないといけなかったかもしれないので、私のような就活のやり方はオンラインじゃなかったら倒れてたかも(笑)」

予想外の質問でも慌てずに手持ちのネタを応用すると◎

「マスコミ業界だからか、ひとくせある試験が多くて、ESは番組企画を考えるとか、動画選考は“ことわざを使った自己PRにしてください”とか。面接では“面接の順番はトップバッターか一番最後か、どちらがいいと思うか”という質問も。想像もしていない質問をされた時は、聞かれたことだけ答えていてはなんのアピールにもならないので、自分に寄せて考えてました。私の場合は、部活で取り組んでいた吹奏楽や大学で勉強していることなど、どう聞かれても使うぞと決めたネタを自分の中でいくつかストック。質問された内容に合わせてネタの切り口を変えるだけで乗り切れました」

何十年もいる会社を選ぶ第一歩。未来が変わると思って!

「内定をいただけたのは1社で、自分の希望していた、地元のテレビ局の技術職採用です。でも、全国放送のお仕事にもやはり憧れがあって。東京のキー局の後期採用を受けるか迷いました。悩んだ末、内定企業で働く未来に魅力を感じ、就活を終えることに。就活は、転職しない限りは何十年も勤める会社を選ぶものだと思うので、本当に約1年真剣に取り組むことで未来が変わるんですよね。今だけだと思って、つらくても頑張り抜いてよかったです」

就活必勝アイテム

就活内定獲得への道アイテムカット4-1

①地元の百貨店で購入したスーツとバッグ。②私服で面接に行く時にも重宝したパンプス。③『AUBE』の色落ちしにくいリップ&ひと塗りでグラデが決まるアイシャドウと自作の面接対策用資料。④楽天の通販で買ったスマホスタンドは動画撮影に便利。

ののさん・修士2年

ののさん・修士2年
内定獲得して就活終了

企業で"働く人"を見て
就職先を決めました

就活カレンダー

ファーストキャリアは何にしたいか深く考えた

「私が食品系の会社に行きたいと思ったのは中学生の時。陸上部の中距離競技の選手として、食事制限をしたり、減量したりするなかで、食に興味を持ちました。大学では栄養学を専攻し、大学院で研究もしてます。だから就活は食品業界一本で……と言いたいところですが、迷った時期も。夏のインターンで食品系企業の倍率が高く、自分は突破できるのか、そもそも合ってないかもと不安になったんです。でも、他の業界の仕事を体験しても違うと感じました。それに、最初に働く会社をどうしようと考えた時に、他の職種は転職でもチャンスがあるかもしれないけど、食品業界の研究職は大学院を卒業する今じゃないと挑戦できないと。やっぱりチャレンジしてみようと気持ちを立て直すことができました」

パーソナルカラー診断は就活前にしておくべき

「食品業界は食べ物を扱うので、清潔感が求められると思い、面接対策で見た目には特に気をつけました。事前にパーソナルカラー診断に行って、自分の似合う色が分かった上でコスメ一式もそろえ、また、顔が明るく見えるように、マスクもピンクにしてました。さらに、最終面接まではほぼオンラインだったので、パソコンにつけるタイプのライトも購入。顔が明るくなると、気持ちまで明るくなり、自信を持ってオンライン面接に挑めたような気がします」

その会社の人と働きたいかどうかが最終的な判断に

「最終的に4社から内定をいただいたんですけど、就職先に選んだ会社は、選考の過程で出会う社員の方々の印象がよかったのが決め手。面接のたびに丁寧に話を聞いてくださって、自分の能力をしっかり評価してくれそうだと感じたので、この企業で働きたいなって思ったんです。他の会社は、面接が適当だと感じられたり、社員の方の雰囲気も自分には合わないかもと思って。人の力って大きいですね。就活が終わった今は、本当に自由になった気分(笑)。いつか必ず終わりは来るので、就活は集中して頑張ったほうがいいです! 自己分析、ESや面接対策……やるべきことをやってたらなんとかなります。あとは、運と縁。実は、入社を決めた会社は、ウェブテストの締め切り時間が過ぎていて、ダメ元で受験したんです。そしたら、システムの都合か運よくまだ受けることができ、その後、選考も進んで内定をいただけた。ダメだと思っても、諦めない心が大切かもしれないです!」

就活必勝アイテム

就活内定獲得への道アイテムカット5-1

①有名スーツブランドのパンツスーツ。②地元の百貨店で買ったバッグ&5cmヒール靴。③説明会から面接までを細かく記録していた就活ノート&ファイル。④リモート面接で必須だったAmazonで購入したライト&清潔感重視の"イエベ春"用コスメ。

2022年11月号掲載
Icons made from svg iconsis licensed by CC BY 4.0