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松田青子著『持続可能な魂の利用』【街の書店員・花田菜々子のハタチブックセンター】

街の書店員のおすすめ本ハタチブックセンター

フェミニズム、そして革命。新時代のアイドル小説


『持続可能な魂の利用』

松田青子・著 ¥1500 中央公論新社


セクハラを受けたことをきっかけに職を失った30代の敬子は、ある女性アイドルグループのセンター、決して笑わない××の魅力にハマり、××にのめり込んでいく。一方でこの国の男尊女卑への怒りは爆発寸前となり、物語は怒涛の展開にーー。

 『「おじさん」から少女たちが見えなくなった当初は、確かに、少しは騒ぎになった。』なんていう、突飛な一文で始まるちょっと不思議な物語。  

 今、女性アイドルのファンだという女性はとても多い。その姿を見ているだけで元気をもらえたり幸せな気持ちになる、ということは今や性別に関係なく多くの人が感じていることだ。だがしかし、「おじさん」を憎む主人公は、女性アイドルにほとんど恋愛のような気持ちを抱きながら、この女性アイドルの輝きも「おじさん」によって作られたものではないかと葛藤する。

 物語は現実と虚構を織り交ぜながら、時空を超えて加速していく。「あ、これって怒っていいことだったんだ」「これって変なことだったんだ」というたくさんの発見とともに、もしかしたら世界は私たちの手で変えられるのかも? という元気をくれる。遊園地の乗り物に乗るような気持ちで身をまかせ、このパワフルな小説をぜひ体験してみてほしい。




おじさんは決して敵ではない……の2冊


『おまじない』

西加奈子・著 ¥1300 筑摩書房


おじさんと少女の特別な関係を描く短編小説集。といっても性や恋愛の関係ではなく、通りすがりのような関係性の中で、少女を力づけるおじさんたちの言葉に焦点を当てる。




『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』

ブレイディみかこ・著 ¥1350 筑摩書房


イギリスに住む著者が、差別や貧困の問題にぶつかりながらも懸命に生きるおっさんたちの姿をユーモラスに描く。ちょっとダメな彼らの人間らしい魅力がダイレクトに伝わる。




はなだ ななこ 
HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE店長。新刊は『シングルファーザーの年下彼氏の子ども2人と格闘しまくって考えた「家族とは何なのか問題」のこと』。



2020年9月号掲載

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