グルメ&ライフ部
No.198 lico
これで完璧!ルーブル美術館の楽しみ方~後編~ #31
2025.04.02
前回に引き続き、ルーブル美術館の楽しみ方をご紹介します。今回は、必見の作品や効率的な回り方を詳しく解説します。想定する所要時間は3~4時間で、朝入場し、ランチまで楽しみたい方におすすめの内容となっています。
特に、彫刻よりは絵画派、華やかなものが好き、有名どころを効率よく回りたい方にぴったりのプランです。限られた時間の中で、ルーブル美術館の魅力を最大限に味わうためのポイントをお伝えします!
ルーブル美術館の構成
まずはルーブル美術館の建物の構造を確認しましょう。ルーブル美術館は、地上3階・地下1階の構造で、リシュリュー翼、シュリー翼、ドゥノン翼の3つのパートに分かれています。それぞれの翼には、異なるテーマや時代の展示があります。
また、ヨーロッパの建物は0階から始まるため、日本の建物との階数のズレに注意が必要です。現地スタッフと話す際に混同しないよう、階数の確認をしっかり行いましょう。
入場したらモナ・リザへ
入場したらまずはモナ・リザを目指しましょう。ここが一番混むので、朝一の空いている時間に訪れます。モナ・リザは1階、ドゥノン翼(部屋番号は711)に展示してあります。人気作品のため、あちこちにモナ・リザまでの順路を示す看板が立っていますが、迷う前にスタッフに場所を聞くのも1つの手です。

民衆を導く自由の女神
モナ・リザのすぐ近く、700番の部屋にはフランス革命を描いた名作、「民衆を導く自由の女神」が展示してあります。ルーブル美術館で最も好きな絵画で、見るたびにエネルギーをもらう作品です。体制への反感を力強く表現し、圧倒的な大きさで迫力満点。暗く描かれた民衆と、明るく輝く自由の女神のコントラストが絶妙で、希望と絶望の対比が胸に響きます。民衆の表情には絶望、怒り、意思が込められ、ただの絵画ではなく、強いメッセージを感じさせます。

皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式
「皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式」は、ルーブルでも指折りの巨大な作品で、高校の世界史の授業で一度は見たことがあるはず。その圧倒的な大きさと細部まで描かれたディテールが魅力です。特に、ヴェルサイユ宮殿の同名作品と見比べるのが面白いです。実は、全く同じ作品を複製することは禁じられていたため、細かい部分に違いがちりばめられています。その違いの意図は作者にしか分かりませんが、考察することで鑑賞がさらに深まります。ヴェルサイユ宮殿を訪れる方は、ぜひ間違い探しとその考察を楽しんでください。

サモトラケのニケ
「民衆を導く自由の女神」、「皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式」の順に鑑賞しそのまま部屋を抜けると待ち構えるのは「サモトラケのニケ」。こちらもルーブルを代表する作品です。いつ行っても混んでいますが、こちらも朝は比較的すいています。部屋番号は703です。
アポロンのギャラリー
サモトラケのニケの左にある通路を進み、すぐ右を向くと現れる黄金の間。私がルーブルで最も好きな部屋です。絶対王政時代のプリンセスのアクセサリーや調度品が展示されています。調度品は他の部屋にも多くありますが、ここでは部屋自体が黄金に輝いているため、華やかさが増しています。
特に朝の陽ざしが差し込む頃は、部屋の輝きが一層増します。朝、空いている間にこの贅沢な空間を堪能してみてはいかがでしょうか。

ルネサンス絵画をゆっくり鑑賞
アポロンのギャラリーを抜けたら、708番から712番の部屋にかけてルネサンス絵画を楽しみます。星の数ほどあるルネサンス絵画の中から、お気に入りの1枚を見つけてください。通路は続きますが、時間の関係で途中で右折します。715番の部屋を通って0階に降りましょう。
ミロのヴィーナス
続いて目指すのはミロのヴィーナス。階段を降りるとすぐに、行き方を示す看板が見つかるはずです。たくさんの彫刻が並ぶ部屋をいくつか抜け345番の部屋へ向かいます。

リシュリュー翼へ
ここまでドゥノン翼を見学してきましたが、次はリシュリュー翼の1階へ向かいます。ここでは、ナポレオン3世の居室群をはじめとする、豪華な調度品の数々が展示されています。華やかで贅沢な空間が広がり、まるで宮殿の中を歩いているような気分を味わえます。
途中でシュリー翼を通過しますが、0階を通るか1階を通るかはお好みで。どちらを選んでも、それぞれの展示を楽しみながらリシュリュー翼へ向かうことができます。
0階を通過した方も、238番の部屋を出た後にある大きなエスカレーターで1階に上りましょう。調度品を鑑賞しながら、ナポレオンの居室を目指します。



螺旋階段
ナポレオン3世の居室を見学したら、557と505の部屋の間にある階段で2階へ向かいます。個人的に、この階段はルーブルで最も美しい階段だと思います。
ガラス天井から差し込む柔らかな光と重厚な建築が織りなす景色はまるで一枚の絵画のようです。ぜひこの美しい階段で素敵な一枚を撮影してみてください。

リシュリュー翼2階を見学
ここではフランドル絵画を楽しむことができます。比較的空いているエリアで、一日中落ち着いて鑑賞できるのが魅力です。静かな時間が流れるこの空間では、ソファに腰かけて休憩しながらじっくりと絵画を堪能するのもおすすめです。
特に注目したいのは、フェルメール作「天文学者」と、繊細な装飾が施された額縁の展示。作品だけでなく、額縁そのものにも職人技が光る美しさが詰まっています。

これをもって出口へ向かいますが、お手洗いはこのエリアで済ませておくのがおすすめです。ここは数が多く、清潔で、人も少なめなので、常に行列ができている人気エリアのお手洗いよりも快適に利用できます。最後に立ち寄り、スムーズにルーブルを後にしましょう。
まとめ
今回ご紹介したルートでも、実際に回れたのはルーブル美術館のわずか3分の1ほど。まだまだ未開拓のエリアがたくさんあります。
美術館内のレストランでランチをとり、午後もじっくり鑑賞を楽しむのもおすすめですし、また別の日に訪れて新たな発見をするのも素敵な楽しみ方です。何度訪れても新しい感動が待っているのが、ルーブル美術館の魅力。自分に合ったスタイルで、何度でも訪れてみてください!
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出身地
愛知県
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身長
159cm
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学年
大学2年生
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推し
推し:Mrs. GREEN APPLE