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インタビュー
2025.04.24
世界中で支持されているマンガ『鬼滅の刃』(著:吾峠呼世晴)の舞台シリーズ5作目が絶賛上演中! 5作目で描かれるのは原作コミックス12〜15巻に収録されている“刀鍛冶の里編”。主人公・竈門炭治郎にとって最大の敵である鬼舞辻(※) 無惨につかえる鬼の“上弦の壱・黒死牟”と“上弦の弐・童磨”も映像出演で舞台に初登場する。黒死牟役は加藤和樹さん、童磨役は浦井健治さんと、ミュージカル界で大活躍するおふたりが“舞台「鬼滅の刃」”に参戦! 本作への思いや、幅広い世代に人気の2.5次元舞台の魅力について聞きました!
※鬼舞辻の「辻」は「一点しんにょう」が正式表記となります。
ー本作への出演が決まった経緯を教えてください。
加藤 僕は前作の“遊郭潜入”を観させていただいたんです。鬼滅の舞台を観るのは初めてでしたが、ストーリーはもちろん、映像技術にもものすごく感動してしまって。それをスタッフさんにもお伝えしていたんですが、その後にこうしてお話をいただいて「マジか」と驚きました。この世界の中に自分が入れることになるとは思っていなかったので、素直に嬉しい気持ちでした。
浦井 僕は大の鬼滅ファンなんです。もちろん原作マンガも大好きですが、アニメの作画の美しさも大好きで。何回もリピートしてみたり読んだりしていたんですが、それをどこかで知ってくださったようで、今回のお話に繋がりました。
ー本作で鬼側を演じるということで、鬼への想いも変わったりしましたか?
浦井 そうなんですよね。もう前作の“遊郭潜入”に登場した鬼の堕姫と妓夫太郎なんて泣けてしょうがないですよ(笑)。
加藤 僕も舞台をみたときにボロ泣き(笑)。恥ずかしげもなく泣いてしまいました。
浦井 最後まで素直になれないけど、実はちゃんと繋がっていて…愛の深さを感じますよね。そして最後の最後に堕姫が「お兄ちゃん」っていうところが炭治郎と禰󠄀豆子ともリンクしていて素晴らしいなと思います。
加藤 『鬼滅の刃』自体が家族や兄妹がテーマになっているじゃないですか。
浦井 そうだね。
加藤 大人になるとちょっと忘れがちだけど、子供のころに交わした約束や言葉や人と人の繋がりが大事だってことを改めて気付かされる作品だなと思います。僕の仕事も人と人とが繋がっていく仕事なので、ちゃんと大切にしていこうとこの作品で思い知らされましたね。
ーご自身の役以外で、本作で気になるキャラクターはいますか?
浦井 玉壺は気になる……。
加藤 玉壺ね。あれは……大変だよね。
浦井 だよね。頸を斬られると頸だけになるからね。あれを舞台でどう表現するんだろう。
加藤 それはもう演出の元吉さんが魔法をかけてくれるだろうから(笑)。
浦井 鬼の憎珀天がどんなふうに分裂していくのかとか、分裂したあとをどう演じていくのか……も気になるところ。
加藤 鬼殺隊のメンバーもそれぞれ戦い方が違うから、そこもみどころになるよね。
浦井 あとけっこう歌うんだよね、上弦の鬼たちも。最初はそれがけっこう衝撃で。“上弦の鬼、歌うのか……”って。でも、いざみるとそれがすごく理にかなっているのも素晴らしいところ。お客様に曲が愛されて、上弦の鬼が歌っていた曲を口ずさんで帰っていただけるようにがんばりたいですね。
加藤 それ、ちょっとおどろおどろしい光景だね(笑)。
ー『鬼滅の刃』は幅広い世代にファンがいる原作だからこそ、本作で初めて2.5次元の舞台をみるという人も多いと思います。おふたりが思う2.5次元舞台の魅力はどこにあると思いますか。
加藤 僕自身、初めての舞台出演がミュージカル『テニスの王子様』で2.5次元作品でした。20年前近くのことではあるので、当時は今のように映像技術やLEDなどの照明もまだそんなに使われていない時代。生身の人間たちががんばって悪戦苦闘しながらも懸命に作っているのが2.5次元舞台のイメージのひとつでした。でもそこから時を経て、改めて2.5次元作品をみて思うのは、エンタメの力のすごさです。2.5次元舞台にエンタメのすべてがある。2次元と3次元のどちらも良さも感じられて、そのふたつをつなげる2.5次元の舞台にしかない新たな刺激がたくさんあるんです。“みたい人がみるもの”ではなく、“みるべきもの”になっていると思います。
浦井 かっこいい……!
加藤 (笑)。
浦井 僕は2.5次元舞台が、キャラクターを海外に持っていけるものになっているなと感じています。言語を超えてキャラクターで勝負できるのは、すごい強み。改めて日本のエンターテイメントの誇りのひとつです。
Profile
加藤和樹 ●かとう かずき
2005年にミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴びる。2006年には音楽活動も開始し、韓国、台湾、中国でもCDデビューを果たしている。ドラマ、映画、舞台のほか、ミュージカルや声優としても活躍。主な出演作にミュージカル『キングアーサー』、『るろうに剣心 京都編』など。
浦井健治 ●うらい けんじ
2000年『仮面ライダークウガ』で俳優デビュー。2004年にミュージカル『エリザベート』でルドルフ皇太子役に抜擢される。舞台以外もアーティストとしてもソロコンサートをするなど活躍。主な出演作にミュージカル『キングアーサー』、舞台『天保十二年のシェイクスピア』など。
取材・文/上村祐子 web構成/non-no編集部