芦田さん演じる女子高生のうららと、一人暮らしの老婦人・雪。映画『メタモルフォーゼの縁側』で年の差58歳の二人を結びつけたのは、1冊のBL漫画。
「私が思う漫画の一番の魅力は、想像する余地があることです。絵から"このキャラクターはどんな声なんだろう? どう動くんだろう?"って自分のなかでイメージしながら読むのが楽しいんです」
自身にも、好きなものがきっかけで友達と意気投合した思い出が。
「私がハマっているのが、高校で学び始めた世界史です。同じ時代のいろいろな国の歴史を知ることで、国同士のつながりが見えてくるのがおもしろくて! 同じように世界史が好きな友達と、ああでもないこうでもないって、よく語り合っています。今まで興味がなかった西洋美術にも目を向けるようになって、今は絵画を鑑賞するために予備知識を身につけようとか、やりたいことが増えていっているところです。自分の好きなことに夢中になっている時は、うららに負けないくらい生き生きしています」
そんな芦田さんが劇中の好きなシーンの一つとしてあげてくれたのが、雪との何げないやりとり。
「落ち込むうららが、雪さんから"人って、思ってもみないようになるものだからね" って声をかけてもらった後、雪さんに借りた傘を開くと、内側にお花の絵が広がっているんです。雨にはネガティブなイメージもあると思うけど、逆境のなかでも、すぐそばで心に灯がともるような出来事が待っているんだなって。そんなメッセージが伝わってきて、すごく印象に残っているシーンです」
最後に、ノンノ読者に映画を通して届けたい、こんなメッセージ。
「この映画を通して、私も好きなものを好きだと言ってもいいんだと背中を押されました。そんな気持ちを持っていれば、うららと雪さんのような素敵な出会いと楽しい日々が待っていると思います」