個人的に最近は「恋愛小説って特に進んで読みたいジャンルではないかな〜」という気分だったのだけど、これは久々に「うわー!ヤバい!おもしろい!」と興奮状態のままぐわっと読み終えてしまった1冊。
会話やメール、チャット(LINE的な)がふんだんに盛り込まれた文章もおしゃれだし、主人公はクールで知的なのだけど冷めているわけではなくて、まわりの人の分析だけでなく、自分の内面の混乱や複雑に揺れる感情までもフラットに見つめて描写しているのがこの本最大の魅力。
作者は1991年生まれ、本作の発売時は26歳。ミレニアル世代の代弁者として世界中で注目され、このデビュー作も27ヶ国で翻訳されているとか。海外のドラマや映画好きはもちろんのこと、海外の小説はふだんあまり手に取らないという人にもこれだけはぜひ読んでみてほしい!
海外の女子カルチャー批評なら右に出る者なし、の山崎まどかさんの翻訳もビシッとハマってて最高によい! 2021年必読の1冊です!