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2021.10.27
フランシスは親友のボビーと詩のパフォーマンス活動をする大学生。ある日女性作家のメリッサ宅に二人で招かれたことをきっかけに、その夫である俳優ニックに惹かれ始めるが、4人の思いはそれぞれに絡まり、交錯していく──。
個人的に最近は「恋愛小説って特に進んで読みたいジャンルではないかな〜」という気分だったのだけど、これは久々に「うわー!ヤバい!おもしろい!」と興奮状態のままぐわっと読み終えてしまった1冊。
会話やメール、チャット(LINE的な)がふんだんに盛り込まれた文章もおしゃれだし、主人公はクールで知的なのだけど冷めているわけではなくて、まわりの人の分析だけでなく、自分の内面の混乱や複雑に揺れる感情までもフラットに見つめて描写しているのがこの本最大の魅力。
作者は1991年生まれ、本作の発売時は26歳。ミレニアル世代の代弁者として世界中で注目され、このデビュー作も27ヶ国で翻訳されているとか。海外のドラマや映画好きはもちろんのこと、海外の小説はふだんあまり手に取らないという人にもこれだけはぜひ読んでみてほしい!
海外の女子カルチャー批評なら右に出る者なし、の山崎まどかさんの翻訳もビシッとハマってて最高によい! 2021年必読の1冊です!
海外発、注目のイマドキ女子小説
モナ・アワド・著 加藤有佳織、日野原慶・訳 ¥1980 書肆侃侃房
自分の体のサイズに悩む主人公エリザベスは普通の幸せが欲しいだけだが、体形がそうさせない。同じコンプレックスを抱える女性たちと関わりつつダイエットに取り組み、次第にやせていくのだが──。
中学校の映画サークルの仲よし4人組女子たちは、「みんなで同じ高校へ行こう」と約束を交わすが、その裏にはそれぞれの思惑と計算、秘密が渦巻いていた。思春期特有の言葉にできない複雑な心を描く。
●はなだ ななこ
HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE店長。著書に『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』がある。