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友野一希連載【 #トモノのモノ語り。】vol.23「2023-24シーズン開幕インタビュー」<フィギュアスケート男子>
フィギュアスケーター友野一希選手の好きなことや、お気に入りのアイテムについて紹介する連載がスタート! 最近買ったもの、気になっていることのほか、競技に関することや、近況などを貴重なオフショットとともに報告!
友野一希の「トモノのモノ語り。」
友野一希連載「ベストバイ2023&全日本選手権振り返り 」【 #トモノのモノ語り。】vol.33<フィギュアスケート男子>
2024.01.25 更新日:2024.02.03
こんにちは、フィギュアスケーターの友野一希です。
僕の好きなことや、お気に入りのアイテムについて紹介する連載「トモノのモノ語り。」33回目。
今回は2023年に僕の毎日を彩ってくれた10個のアイテムをピックアップ。ファッションを中心にさまざまなジャンルのベストバイを紹介します!
そしてそして久しぶりの通常回更新いうことで、近況パートもボリュームたっぷり! 昨年の全日本選手権や年末年始についてお話しています!
BEST BUY
#友野一希が2023年買ってよかったモノ
GERNOT LINDNER(ゲルノット・リンドナー)のメガネ
やっと紹介できます! 昨年の10月から僕のコレクションに仲間入りした新しいメガネ。
購入したのは去年の世界選手権前。2本目のメガネが欲しいなと探していたある日のこと、世界各国のアイウェアブランドを扱うグローブスペックスの京都店に行ったんです。お店に入って一番に目に入ったのがこのゲルノット・リンドナー。その瞬間「あ!これなんじゃないかな」と直感が働いてすぐさま手に取りました。かけてみたらそれが確信に変わって。高い買い物ではあったんですけど、もう即決でした。「これで世界選手権頑張ろう!」と自分を鼓舞してくれた大事なメガネです。
受け取りまでは半年~1年。うまくいけばNEWトモノで次のシーズンを迎えられるかもなんて想像しながら、待つ時間も楽しくて。そして秋がくる頃、ちょうどグランプリシリーズ初戦のカナダ大会の前に「できました!」と連絡をもらって。新しい気持ちでグランプリに臨めたんです。
デザイナーを務めるのは、あのスティーブ・ジョブズも愛用していた世界的なアイウェアブランド、LUNOR(ルノア)の創始者、ゲルノット・リンドナー。そんな彼がスターリングシルバーを使用したメガネを作りたいという思いから自身の名を付けて立ち上げた、クラフトマンシップが詰まったブランドでもあるんです。ルノアの雰囲気もありつつ、シルバーならではの質感、色味が芸術的で。細部までこだわりが詰まっていて、モノ作りのよさをダイレクトに感じます。
当初は「あれ? 前見たときと印象違うかも?」なんて思ったんですけど、かけていくうちにめっちゃなじんできて。シルバーなので経年変化で少しずつ色が変わって、僕の肌になじんできたかなって。こういうところが自分で作るヴィンテージという感じがしてときめきますし、今後もその変化も楽しみながらメンテナンスして大切に使っていきたいです。
形はクラウンパントではあるんですが、丸と四角のコンビネーションになっていて……つまり、丸と四角のいいとこどりっていうのかな(笑)。さらにこれは「KYOTO」という名前のモデルで、そこにも惹かれました。サイドには「handmade in Germany」とシルバー925を表す「925」、そしてモデル名の「Kyoto I」の刻印入り。かけていると見えない部分ではあるんですけど、そんなディティールも含めてお気に入り。これをかけるといつものコーデがぐっと締まって洗練されたムードをまとえる気がするんです。
COMME des GARÇONS (コム デ ギャルソン)のセットアップ
2023年の自分を象徴する服といえば、このコム デ ギャルソン・オムのセットアップ。
古着もいいけど新しい服にもどんどん挑戦していきたいと思っていた2023年。ギャルソンのアイテムを買うのは初めてでしたが、着ていくうちに、“僕といえば”といえる1着になりました。
一番の魅力はスーツ生地でありながら、ウェスト部分がゴムだったり、パンツの裾が絞られていたり、ジッパーがついていたりと、ジャージの要素がミックスされているところ。だからバンケットでも着られるし、ラフに普段使いもできちゃう。それにまるまるとしたシルエットが自分の雰囲気にもあっていて、着ているとよく褒められるんです
そして、もしかしたら気づいてる方もいるのかな? 実は気に入りすぎてもう一着セットアップを購入してました。こちらはコム デ ギャルソン オム ドゥというフォーマルなラインのもの。素材の切り替えがあったりと、また違うカッコよさがあって。 スーツなんだけど、デザインにはしっかりギャルソンの世界観が落とし込まれていて、そんなところがモード好きの心をくすぐって離さないんです。
中国杯のバンケットで着ていたのが2着目のセットアップ。どちらも大好きなので気分に合わせて使い分けていきたいです。
New Balance(ニューバランス)のスニーカー
2023年といえば、僕の中で空前のスニーカーブームが到来! 本連載でもたくさん紹介しました。その中でもこのニューバランスの「M2002RM I」は、 買ってからじわじわ好きになってベストバイにのし上がってきた大出世枠。
かかと部分がないサンダルのようなデザインなので夏用かと思いきや、意外と冬に大活躍。中の素材がぬくぬくあったかいので、冬にはけるサンダルとして重宝しました。ちょっとそこまで!というシーンでは迷わずこれを選ぶし、ちょっと決めすぎたコーデの日にはこのシューズではずしたりとか。とにかく出場頻度が多くて、友野家の玄関には常にこの子が出ている状態でしたね。
Onitsuka Tiger(オニツカタイガー)のスニーカー
続いてもスニーカーですが、こちらは初登場。オニツカタイガーの大定番「MEXICO 66™(メキシコ66)」です。
黒のスニーカーは以前にも紹介したナイキのエア フォース 1を持っているんですが、あちらはオールブラック。今回は黒にアクセントが入ったものが欲しいなと思っていたところにベストな1足を見つけました。
シンプルなんだけど、白いストライプの存在感は唯一無二。ローテクでシックなムードが僕の好みにぴったり。モードなファッションにも古着にも合う万能選手で、ショッピングに行く日はほぼほぼこの子をはいています。
何よりこの子はメキシコオリンピックのために作られたスポーツシューズなので、はきごこち抜群でずっと歩けちゃう神シューズ。超超おすすめです!
VESTI(ヴェスティ)のスウェット
イタリアのブランド、ヴェスティのハーフジップスウェットです。これはもう皆さんご存じの通り、ずっと着てましたねぇ。派遣のおともであり、もはや親友みたいな存在。1万円以下というお手頃価格でロングユースできる優秀な子です。
僕は首が詰まっているデザインが大好き。理由は守られている感覚があるからなんですが、これは衿の立ち方がとてもきれいで、高級感がある。ラグランのスリーブや着た時のシルエットもよくて、着る度にいいなぁって惚れ直しちゃう。
あとはジッパーのスライダー部分だけがシルバーなのも本当に可愛くて!!
この上からコートをはおってもいいし、ジャージの上からでも着ることができちゃうポテンシャルの高さも最高。 裏起毛なので雪の日でもめっちゃ暖かいんですよ。
僕のはXLで、女性の方ならLがおすすめかな? ちょっと大きめで着るのが可愛いし、カラバリも豊富。今後また買い足そうと思ってるくらい大好きなスウェットです。
COMME DES GARÇONS HOMME PLUS(コム デ ギャルソン・オム プリュス)のバッグ
プライベートでいつも使っていたのが、コム デ ギャルソン・オム プリュスのボストンバッグ。これも間違いないですね。丈夫だけどきれいめラグジュアリーなムードもあって、自分の好みど真ん中のバッグです。
見た目はもちろん、なんでもぽんぽん入る懐の深さもポイント。僕は気分で変えることができるように普段メガネを2つ持ち歩いているのでメガネケース2つに、お財布に、香水に……といつものセットに加え、ペットボトルなんかも入っちゃう。パンパンになってもかっこよく持ち歩けるし、なんなら入れれば入れるほど可愛い! 逆に荷物が少ない日でも形が崩れない、超おりこうなバッグ。ポーターの生地を使用しているのでガシガシ使えるタフさも魅力。今年もたくさんの場所に連れて行こうと思います。
order(オーダー)のパンツ
2023年はパンツが豊作の年でした。その中でも春夏一番はいたパンツといえばこれ。代官山のセレクトショップOのオリジナルブランドであるorderのパンツです。去年はここのブランドのアイテムをたくさんゲットしました!
シャカシャカした素材のloose gabardine pantsは、シーンを選ぶことなく気軽にはける、本当に間違いないパンツ。この子も派遣のおともとしていろいろなところにはいて行きましたね。楽なのにかっこいい、まさに最強のパンツです。
LOS ANGELES APPAREL(ロサンゼルスアパレル)のパンツ
先ほどのorderが春夏、そしてこの冬大活躍しているのがロサンゼルス アパレルのスウェットパンツ。アメリカンアパレルの創業者が設立したメイドインアメリカのブランドで、豊富なラインナップの中でも特にスウェットは大人気。
僕も肉厚で太めで、はいていくうちにくたくたになるような育てるスウェットが欲しいなと思い、去年購入しました。
はくと下にストンと重心が下がって、シルエットがとてもきれいに見えるところがお気に入り。しかもめちゃくちゃあったかくて安心感がすごい。
足元はブーツでも、先ほどのオニツカタイガーでもニューバランスでも……つまり何でもOK。「何着よっかな?」って日はこれとヴェスティのスウェットを合わせてコートはおればもう冬のおでかけコーデが完成。そんな手軽さも好きな理由のひとつです。
BOSE(ボーズ)のスピーカー
でん! ベストバイなんでファッション以外も紹介しないと。こちらBOSEの「SoundLink Flex Bluetooth® スピーカー」です!
きっかけは去年の「アイスエクスプロージョン」で一緒に出演させていただいたケイトリン・ウィーバーさん。毎回楽屋で音楽を流してみんなのテンションを上げてくれるんですが、そこで使っていたのがこのスピーカー。何気なく聴いていたら、すごくコンパクトな見た目からパワフルなサウンドが流れてきてびっくり。すぐに「買お!」となりました。ショーで一緒だった(森口)澄士も僕と同じ気持ちだったみたいで。後日持っているのを見て「買ってるやん!」って(笑)。
ちょうど以前持っていたBOSEのスピーカーがかなり古くなり、持ち歩ける新しいものが欲しいなって思っていたタイミング。 この子はそんな僕の気分にどんぴしゃでした。家にはメインのスピーカーもあるんですけど、これなら違う部屋に持って行くこともできますし、生活のクオリティが上がりまくりです。
防水仕様なので旅行やアウトドアでも大活躍。特に派遣の時は部屋でだいたい音楽を聞いているので、試合の必須アイテム。 みんなで部屋で遊んでいる時に流したり、草太とかと部屋でだべってる時に草太が勝手に接続して好きな曲をかけたり。派遣先にスピーカーを持参するのは音楽好きが多いスケーターあるある。みんなで時々スピーカートークをしながら情報交換をしてるんですよ。
ギャルソンのバッグにもすっぽり入るサイズで、迫力のある音が楽しめる神スピーカー。ちょっといい手軽なスピーカーが欲しいなってときは絶対これ。他に可愛い色もありますし、みなさんにもめちゃくちゃおすすめしたいアイテムです。
山一ハガネのYS BLADES(ワイエス・ブレード)
ラストはやっぱりこれですね。昨年一年間とてもお世話になったYS BLADESのブレード。ちょうどこれまで使っていたものが古くなったので、試してみたいなと自分で購入しました。
使っているのは「翔」というモデル。軽いし、頑丈だし、何より滑り心地が本当によくて、初めてはいたときは本当に感動しました。本当に「スケーティングうまくなったんじゃない?」っていうくらいめちゃくちゃ滑るんです。氷を削る音さえも違いがあり、はじいた時のカン!って音がすごく心地よくて、これが特殊鋼なんだなと実感しています。
自分で買ったものということもあってとても大事にしていますし、昨年の僕のスケーティングを支えてくれた大切な大切な相棒です。
岩谷堂箪笥の箪笥
番外編です! これはバイじゃないんですけど……ベストいただいた賞は間違いなく岩谷堂箪笥です。これは使えば使うほどすごさが分かるといいますか……どこに行っても見かけますし、その度にとんでもなく素晴らしいものをいただいてしまったんだと身が引き締まります。
江戸時代からの歴史をもつ伝統工芸品なので、存在感を感じる美しいたたずまい。僕がいただいた「一・五尺抽出箱 7段」は現代向けにアップデートされていて、今の時代でも使いやすい工夫がされているもの。主に大事な書類などを入れているのですが、どんな時でも守ってくれているという安心感があります(笑)。これからもそのよさを味わいながら一生大切に使っていきたいです。
全日本選手権を振り返って
さてさて1か月ぶりの近況報告!
全日本が終わってからは一度燃え尽き症候群になっていました。試合を迎えるまでは「もうあの練習したくない」と思うくらいハードな練習をしてきましたし、本番は本番で本当にすごい試合だったので。
今までに比べて精神的な疲労がやばくて。なんなら去年まではまだ余裕があったのかもと思えたくらい(笑)。
それくらい全部出し切って、もうまったく体が動かない状態に。終わった瞬間「やっと休める……」って思いました(笑)。こんなに疲れたのは初めてで、「とりあえず一回休まなきゃ」と初めて思った大会でした。
収穫のひとつはそうやってしっかり休むことで、休養の大切さを知ることができたこと。それは体にとってはもちろん、精神的な意味でも。いいこともあれば悪いことも、そして悔しいこともあった全日本。それを全部整理するためにも一回スケートを忘れてゆっくりできたのは自分にとって意味があったと思います。
練習を再開したらやっぱりスケートって楽しいなって思えたし、今は新たな気持ちで次の試合に向け、練習を仕切り直しているところです。
全日本選手権での演技について
ショートプログラム
ショートはとにかく緊張していました。周りからも言われたんですけど、地に足がついてなかったというのかな。緊張が勝っちゃって、それが4回転サルコーのミスにつながったのかなと思います。
ただサルコーは本当に調子がよかったんですよ。会場の長野に来てからサルコーをミスしたのはあの本番の1本だけだった。その分本当に悔しかったし、試合って本当に難しいなと痛感しました。
でもそこから崩れてしまうことなくスピン、ステップとすべてレベル4がとれたことはよかったです。ジャンプでミスをしても、今まで取り組んできた土台が揺らがなかったことは成長といっていい。
全日本のショートではいつもミスが出てしまうので、来シーズンこそはノーミスを目指します。
フリープログラム
実はショートよりフリーのほうがトラブルが多かったんです。その日自体調子が万全とはいえず、6分間練習での動きもよくなかったので。
でも調子が悪い時でもちゃんと試合までもっていけるようイメージトレーニングをしていたので、ここで変に動いて調子をもっと悪くするよりも演技に向けて気持ちを切り替えようと。6分でトーループがほぼ1発も決まらなかったことへの不安はありましたけど、冷静さを忘れず、思い切って演技に臨みました。
正直なところ、演技中のことはあんまり覚えていないんです。体が勝手に動いて、気づいたらジャンプが全部終わって、ステップパートに入っていた。
集中力だけで乗り切ったあっという間の4分間。すごく不思議で、なかなかない体験でした。あんな感覚はシニア1年目の世界選手権のフリー以来かもしれません。
音楽が鳴り止み演技が終わると、目の前には僕が目標としていた光景が広がっていた。演技も、客席からの拍手も、すべて思い描いていたイメージ通りのものだった。
リンクを上がるまでは絶対プログラムの世界観を崩さないようにしようと決めていたので、挨拶をしている時もそれを守り続けていました。
まだ意識がプログラムの中にあったのか、ふわふわした気持ちのままリンクサイドに戻ってきて。先生たちの顔を見た時にほっとして、やっと現実に戻ってきた感覚がありました。
先生たちからは「おつかれおつかれ、終わってよかった」って。あまり覚えていないんですけど、いつも通り迎えてもらったと思います。
フリーではサルコーのリベンジを果たせたし、1番滑走から高得点を出せたこともよかった。ミスがあった中でのあの得点は今後の自分にとって自信にもなりました。
今の自分に必要なのは修業期間
それから1か月。とにかく今はポジティブな気持ちでいっぱいです。
ここ2、3年間はずっと休みなしでやってきて、今回やっとまとまった時間が取れるなと。あれだけアイスショーに出演させていただいたり、忙しかったりする中でよくここまで成長してこられたなという気持ちがありつつも、本音としては一回しっかり時間を作らないとこれ以上自分は成長できないなとも思っていたので。
全日本は最終グループ全員が自分の演技をやりきったことで、自分の立ち位置を知ることができた。今の僕は自分の限界を超えなければいけない。それには修業期間という時間が必要なんだと改めて気づいたいい機会になりました。
派遣について悔しい気持ちはありますけど、演技に対しては本当に満足できているし、その分時間ができてこれから来シーズンに向けて準備ができると思うとすごくわくわくします。これをプラスに捉えて、この期間で爆発的な成長を遂げることができれば!
ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックについて
そして僕にはやっぱりオリンピックまでやりたいなという気持ちがある。それなら長い目で見た時に、この時間がかなり大切になってくると感じています。
オリンピックまで約2年と考えると、今がまさにベストなタイミング。なんなら、ついてるなとも思ったくらい。
僕としては今一つな状態で大会に出る方がまずいなと感じていて。そこで中途半端な成績を出して、とりあえず満足して終わるんじゃなくて、ちゃんと力をつけて金メダルを取って帰るくらいじゃないと。それくらいにならないと日本代表として派遣される意味がないとさえ思う。だからこの修業期間で強くなって、来シーズンにリベンジができたら。
実は僕、全日本が終わってからインフルエンザにかかってしまって。その後もぶり返したりで、半分以上寝たきり状態だったんです。おかげで練習再開もかなり遅れてしまって……。でもそうやって休んでいる間にいろいろ咀嚼して、こういった考えがまとまったんです。だからやっぱり休むことも大事ですね。
毎回全日本が終わった後は体調を崩しちゃうんですけど、本当に今回はレベちでしたね。病は気からっていいますけど、すべて終わった瞬間に体のガードが甘くなって、全部入り込んできちゃったというか。それくらい追い込んでたんだなあって。
今は国スポ(国民スポーツ大会)に向けて少しずつペースを上げているところです。体力面など心配な部分がまだまだあるんですけど、できることをしっかりやって、新年1発目の試合でいいスタートを切れるようにしたいです。
全日本はオリンピックに向けた大切な“ピース”
自分なりに総括すると、全日本はこの先の僕が限界を突破していくための起爆剤だった。
この悔しさが自分には必要だったと感じたし、今のこの時間が今後の僕にとって必要不可欠だと感じました。
そして今回の全日本で手に入れたのは、オリンピックに向けたパズルのピースの一つ。2年後に向けた大事なパズルのピースがカチリとはまった、そんな意味をもつ大会になりました。
来シーズンのプログラムについて
今回は充実したオフが送れそうで、すでに来シーズンのことも少しずつ考え始めています。プログラムはショート、フリーどちらも変えようかなと思いつつ、「Halston」は大好きになったプログラムでもあるし、またやりたいなという気持ちがあるので、オリンピックシーズンにもう一回やれたらな、とも。
新しいプログラムの振付師さんもまだ迷っているところ。今回は考える時間がたっぷりあるから……いや、やっぱりあんまりないですね(笑)。早めに決めてすぐに取り組んでいけたらと考えています!
全日本選手権終了後&年越しは今年もサウナへ
長野では「The Sauna」というサウナに行きました。もともと3年前の長野での全日本の時に行く予定だったんですが、試合直後に体調を崩してしまって僕は行けなかったんです。
今回の全日本前、(本田)太一から「ちゃんと体調整えとけよ」って言われて「なんやろ?」って思ってたら、あの時のリベンジとして太一が予約してくれてたんです。
しかもサウナの後でアイスダンスと女子の試合を応援できるような午前の時間。みんなでおつかれ会もできて、めちゃくちゃいいアテンドをしてもらっちゃいました。
そして大晦日は今年も「神戸サウナ」で。その後の初詣までがワンセットです。
年越しサウナではだいたい「こんなことあったね」、「あんなこともあったよね」って言い合ってみんなで1年を振り返るんです。楽しそうな人もいれば、しんみりしてる人もいたり。去年悔しい思いをしてた人が今年笑ってたらこっちまでうれしいし……それぞれどんな1年を過ごしたのか思い出す、とてもいい時間なんです。
僕にとっての2023年はというと……人生で一番長い1年でした。休まずよくあれだけ走り抜いたと思います。いろいろなことを思い出しながら、また1年頑張ろうと思えた年越しでした。
試合、アイスショー…今後の予定
そして2月に入ったら大ちゃん(高橋大輔さん)がプロデュースする新しいショー「滑走屋」の準備も。めちゃくちゃ楽しみだし、メインキャストとして出るという責任感もあります。僕も多分たくさん出ると思いますし、足を引っ張らないようみんなをまとめていけたらと。少しでもいいショーにできるよう、目の前のことに全力で取り組んでいきます。
そしてその後はもう一試合! オランダで開催されるチャレンジカップに出場するので、引き続き気を引き締めて頑張っていこうと思います!
改めていつも応援ありがとうございます。2024年もどうぞよろしくお願いします!
語り/友野一希 構成/轟木愛美
※今回は「お気楽お悩み相談室」はお休みです。次回お届けしますので、お楽しみに!
Profile
フィギュアスケート選手 |
1998年5月15日生まれ、大阪府堺市出身。上野芝スケートクラブ所属。
趣味は古着屋巡り、サウナ。自分らしいスケートを追求し、唯一無二の武器へと変えてきた25歳。観客の心まで躍らせるHappyな演技で世界を熱狂させる愛されスケーター。
日本フィギュア界の“いい兄ちゃん”的存在で、後輩からの信頼も厚い。実直な人柄、好きなことに対する探究心など、近年競技以外で見せる魅力にも大きな注目が集まる。
昨シーズンは全日本選手権で初の表彰台、自らの力で世界選手権出場を果たし自己ベストを更新するなど確実な成長を示した1年に。オフシーズン中はありとあらゆるアイスショーに出演。各ショーの特性に合わせた多彩なパフォーマンスでエンターテイナーぶりを発揮。初めてキャラクターを演じた「ワンピース・オン・アイス」での熱演も各界で話題の的となった。
成長を求め自分のプライドをかけた戦いへと臨んだ今シーズン。あえて強みを封印した挑戦のフリー「Halston」は、試合を重ねるごとに輝きを増し、これまで地道に磨いてきたものが結実したプログラムに。昨年12月の全日本選手権では、芸術性を極めたフィギュアスケートの真骨頂ともいえる演技で美しく崇高な世界観を作り上げた。今シーズンの後半からは、2026年のオリンピックを見据え、さらにパワーアップするための修業期間に突入。エンターテイナーでありながら、その素顔は常に冷静沈着で、飽くなき探求を続ける真のアスリート。これまで何度も自分と対峙し成長を遂げてきた彼が、また新しい壁を自らの力で乗り越えていく姿に注目したい。
Interview
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フィギュアスケーター友野一希連載・全日本選手権直前インタビュー【 #トモノのモノ語り。】vol.11 <フィギュアスケート男子>
友野一希選手に全日本選手権への意気込みをインタビュー! 最新の練習の様子、課題の4回転ジャンプ、そしてNHK杯での決意のこと。トップ選手としてのSNSの付き合い方についても詳しく伺いました
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フィギュアスケーター友野一希連載・2022-2023シーズン開幕インタビュー!【 #トモノのモノ語り。】vol.4<フィギュアスケート男子>
フィギュアスケーター友野一希選手の好きなことや、お気に入りのアイテムについて紹介する連載がスタート! 最近買ったもの、気になっていることのほか、競技に関することや、近況などを貴重なオフショットとともに報告! 第4回は特別編として、2022-2023シーズン開幕インタビューをお届けします!
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【友野一希選手独占インタビュー】「僕は諦めたことがない」努力と覚悟の先に切り拓いた新しいステージ。輝きを放ったシーズンを振り返る【フィギュアスケート男子】
“ベテランと言われる年齢になったけど、今スケートがとても楽しい”。そう話すのは、今シーズン極上の演技で自己ベストを何度も更新し、メダル争いに食い込む選手へと成長を遂げた友野一希選手。
権威ある四大陸選手権で初のメダルを獲得し、世界選手権でも存在感を見せつけ勢いに乗る彼に独占インタビューを敢行。
アイスショーを終え、大阪に戻られたばかりの4月。拠点の浪速アイススケート場にお邪魔して貴重なお話を伺った。
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【友野一希選手インタビュー】最近のファッション事情から、ハマっていること、 私服コーデも公開!【フィギュアスケート男子】
趣味は古着屋さん巡りや革靴を愛でること。フィギュアスケート界きってのファッショニスタで知られる友野選手の最近のお買い物事情からファッションのこだわり、さらには最近ハマっていることについてたっぷり聞いてみました! こだわりの詰まった私服コーデも公開!
Special
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友野一希連載【 #トモノのモノ語り。】vol.17「山本草太さん、島田高志郎さんと語る、全日本選手権」<フィギュアスケート男子>
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フィギュアスケーター友野一希さんの人気連載に初ゲスト! 山本草太さん、島田高志郎さんを迎え、今シーズンの振り返りトーク! 世界選手権の話題から、やってみたいお互いのプログラムまで盛り沢山でお届け!
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フィギュアスケーター友野一希さんの人気連載に初ゲスト! 山本草太さん、島田高志郎さんを迎え、最初の出会いから、仲よしエピソード、普段なかなか話せない思いをそれぞれの視点から語っていただきました。ラストは仲よし加速が止まらない3人の関係性についても!
Kazuki Tomono 友野一希
フィギュアスケーター
1998年5月15日生まれ、大阪府堺市出身。
2026年のミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックを目指す男子シングル日本代表。感情をスケートにのせ、観客の心まで躍らせるHappyな演技で世界を熱狂させる愛されスケーター。
古着、サウナ、インテリアショップ巡りなど多彩な趣味をもつ26歳。実直な人柄、好きなことに対する探究心など、近年は競技以外で見せる魅力にも注目が集まる。
表現の名手であり、オフシーズンはアイスショーに引っ張りだこ。各ショーの特性に合わせた多彩なパフォーマンスでエンターテイナーぶりを発揮している。
新シーズンは「競技者としてより高みへ」をテーマに練習に励む日々。今季のフリープログラムは『Butterfly』。さなぎが蝶へと変化するように、彼もまた、圧倒的変化を求め日々成長中。その美しき進化に出会える日はもうすぐそこだ。
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