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【20歳のための名作シネマ入門】年末年始のおともに! 今見ておきたいおすすめ映画12選

ライター・松山梢が選ぶ、恋愛映画の名作たち

松山梢

松山梢

映画専門誌「ロードショー」の編集を経てフリーライターに。「non-no」「MORE」「MAQUIA」「BAILA」など、女性誌を中心にエンタメに関する記事やインタビューを執筆している。「non-no」本誌のシネマコラムでは、新作レビューを連載中。

映画が誕生してから、100年以上。映像技術が進化し、サブスクや配信など楽しむ手段も大きく変化したけれど、そこで描かれるのが人間なら、“恋する気持ち”はいつの時代も不変。「こんな恋がしてみたい♡」と思わせてくれる、ラブストーリーの傑作をご紹介。

『セレンディピティ』(2001)上映時間:1時間31分/アメリカ

映画『セレンディピティ』メインビジュアル
Everett Collection/アフロ

Story

舞台はクリスマス前のニューヨーク。買い物客でにぎわうデパートで、偶然、黒いカシミアの手袋に同時に手を伸ばしたジョナサン(ジョン・キューザック)とサラ(ケイト・ベッキンセール)。その後、カフェ「セレンディピティ3」で2度目の偶然に遭遇したことで惹かれ合った2人は、ロマンティックなひとときを過ごす。お互いに恋人がいたため、「この出会いが本当の運命ならまた会えるはず」と、ある提案をして別れることに。

Recommend Point

タイトルのセレンディピティは、“幸せな偶然”という意味。劇中には、ジョナサンが1日に何度も“サラ”という名前を耳にしたり、ジョナサンがおすすめしていた映画ポスターを、サラがたまたま街中で目にしたりと、小さな偶然がいくつも登場する。スマホやSNSがない時代に、必死で相手につながるヒントを見つけようとする2人の姿は、あまりにももどかしくてハラハラ……。結局“運命の出会い”を引き寄せるには、見過ごしそうな偶然というサインをキャッチする、アンテナの感度の高さが重要なのかも!? 失恋して立ち直れなかったり、恋する気持ちが湧かない時に、何度でも見返してときめきをチャージしたい1本。

『ノッティングヒルの恋人』(1999)上映時間:2時間3分/アメリカ

映画『ノッティングヒルの恋人』メインビジュアル
Moviestore Collection/AFLO

Story

ロンドン西部のノッティングヒルで小さな書店を営むウィリアム(ヒュー・グラント)の店に、ある日、ハリウッド女優のアナ(ジュリア・ロバーツ)が偶然立ち寄る。その直後、街角でアナとぶつかり、オレンジジュースをこぼしてしまったウィリアムは、着替えをしてもらうために自宅アパートへ招き入れる。アナは不器用ながらも誠実なウィリアムに惹かれ、2人はやがて恋に落ちることに。

Recommend Point

生まれた国も職業も違う2人が直面するのは、乗り越えるのが難しい、あまりにも大きな環境のギャップ。打たれ弱いウィリアムが、何度傷ついても行動を起こす姿は健気だし、「私も1人の女。好きな男の人に愛してほしいと願ってる」と語る、大スターであるが故のアナの孤独にも胸が締めつけられる。エルヴィス・コステロの「She」が流れるラストは、最高に幸せな気持ちになれる名シーン。冴えない書店主とハリウッド女優の恋という夢のような設定は、脳内で“推しとの恋”に置き換え、妄想せずにはいられない。ちなみに本作は、オードリー・ヘプバーン主演の『ローマの休日』にオマージュを捧げたシーンやセリフが散りばめられているので、こちらもぜひ。

『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)』(1995)上映時間:1時間42分/アメリカ

映画『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)』メインビジュアル
AFLO

Story                                    

ヨーロッパを旅行中のアメリカ人青年・ジェシー(イーサン・ホーク)と、祖母が住むハンガリーのブダペストからパリへ帰る途中のセリーヌ(ジュリー・デルピー)は、ユーロトレインの車内で隣り合い、意気投合。オーストリアのウィーンで途中下車し、ジェシーの帰国のフライトまでの14時間、一緒に過ごすことにする。

Recommend Point

歴史的な建物が並ぶ美しいウィーンの街を舞台に、予定も決めずにフラフラと歩き、夜明けを迎えるまでの2人を映した物語。大きな出来事は何も起こらないけれど、家族のことや将来のこと、人生や恋愛や死について語り合う詩的でユーモア溢れる会話は、ずっと聞いていたくなるくらいロマンティック。お互いへの興味を探り合うちょっとした気まずさや、初めてキスする時のドキドキ、夜明けが近づくにつれて高まる切なさと儚さは、恋の始まりの醍醐味をギュッと凝縮している。完璧な出会いを果たした2人がその後、どんな運命を歩んだのか……。続編の『ビフォア・サンセット』(2004)、『ビフォア・ミッドナイト』(2013)もあわせて見てみて。

ライター・松山梢が選ぶ、“アガる”映画の名作たち

難しいことは考えず、頭を空っぽにして楽しみたい時におすすめ! 映画の世界観に没入できて、見終わった後にスカッと爽快な気分になれる名作3本。

『ロッキー・ホラー・ショー』(1975)上映時間:1時間39分/イギリス

映画『ロッキー・ホラー・ショー』メインビジュアル

ディズニープラスの「スター」で配信中 © 2022 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

映画『ロッキーホラーショー』ジャケ写

ディズニープラスの「スター」で配信中 © 2022 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

Story

恩師であるスコット博士に婚約の報告をしようと出かけたブラッド(バリー・ボストウィック)とジャネット(スーザン・サランドン)。ところが嵐で道に迷い、山中で車がパンクしてしまう。電話を借りようと近くの古城を訪ねると、そこでは主のフランクリン・フルター(ティム・カリー)が、目を疑うような奇怪なパーティを開いていた。

Recommend Point

キュートなカップルのほっこりラブストーリーで幕開けした物語が、突如、ガツンと頭を殴られるような奇妙奇天烈な世界に引きずり込まれ、最後には、よくわからないけど熱狂している……。中毒性を持つカルト・ミュージカルの傑作。奇抜なヘアメイクや衣装、エロティックで悪趣味なストーリーに面食らうのに、流れる音楽はどれも耳に残る明るい名曲というギャップも楽しい。本国アメリカでは、登場人物に扮したコスプレ姿の若者たちが、映画にツッコミを入れたり、劇中のダンスと同じ振りをしたりするパーティ上映で盛り上がり、異例のロングランヒットを記録した。ドラマ『glee/グリー』や映画『ウォールフラワー』など、多くの作品にも影響を与えた名作。友達と観ればワイワイ盛り上がれるはず!

『キル・ビル Vo.1』(2003)上映時間:1時間53分/アメリカ

映画『キル・ビル Vo.1』メインビジュアル

Moviestore Collection/AFLO

Story

妊娠を機に殺し屋稼業から足を洗ったザ・ブライド(ユマ・サーマン)は、結婚式当日にかつてのボスであるビルの襲撃を受け、夫や子供まで殺されてしまう。4年後、昏睡状態から目覚めたザ・ブライドは、ビルへの復讐に向けて動き始める。

Recommend Point

B級映画と日本カルチャーをこよなく愛する、クエンティン・タランティーノ監督のこだわりが炸裂したヒット作。日本を舞台に繰り広げられる激しいアクションとバイオレンスは、笑っちゃうほど爽快。音楽と映像はいちいちポップでかっこいいし、敵の“ゴーゴー夕張”役で登場する栗山千明もかわいいし、外国人キャストが駆使するカタコトの日本語&ヘンテコな日本描写もすべてひっくるめて愛おしい! 大量の血しぶきが舞う、カオスな世界観を浴びるように楽しんで。2部作なので、『キル・ビル Vo.2』も一緒にどうぞ。

『チャーリーズ・エンジェル』(2000)上映時間:1時間38分/アメリカ

映画『チャーリーズ・エンジェル』メインビジュアル

©2000 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

映画『チャーリーズ・エンジェル』ジャケ写

デジタル配信中 Blu-ray 2,619円(税込)/DVD 1,551円(税込) 発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント ©2000 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERV

Story

チャーリー探偵事務所で働くディラン(ドリュー・バリモア)、ナタリー(キャメロン・ディアス)、アレックス(ルーシー・リュー)の元に、誘拐された男性の救出依頼が届く。その人物は、通信ソフト会社ノックステクノロジーの創設者ノックス(サム・ロックウェル)。過去に彼の会社を買収しようとしていた通信衛星会社レッドスターのオーナー、ロジャー・コーウィン(ティム・カリー)が怪しいと見た3人は、コーウィンに接近することに。

Recommend Point

1976年〜1981年に放送された人気ドラマのリメイク版。クリステン・スチュワート主演の2019年版も記憶に新しいけれど、ド派手でノー天気な雰囲気漂う2000年版が特におすすめ。この映画において男性はあくまでもサブキャラに過ぎず、強くて美しくて賢い3人の美女たちが、敵をガンガンぶっ倒していく様がとにかくかっこいい。そして、水着、チャイナドレス、カーレース用のボディスーツ、男装などなどのコスプレも、見ているだけでワクワクさせられる。デスティニーズ・チャイルドが歌う主題歌「インディペンデント・ウーマン」と共にブチ上がること確実。

ライター・松山梢が選ぶ、ファッションにキュンとくる映画の名作たち

映画はその時代のカルチャーを映す鏡。ヘアもメイクもファッションもインテリアも、どこを切りとっても「かわいい」しか出てこない、色褪せない名作をご紹介。

『シェルブールの雨傘』(1963)上映時間:1時間31分/フランス

映画『シェルブールの雨傘』メインビジュアル

AFLO

Story

フランス北西部の港町シェルブール。17歳の傘屋の娘・ジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、20歳の自動車整備工・ギイ(ニーノ・カステルヌオーヴォ)と結婚を誓い合った恋人同士。ところがある日、ギイの元にアルジェリア戦争の召集令状が届き、愛する2人は引き裂かれてしまう。

Recommend Point

今も現役で活躍するフランスの至宝、カトリーヌ・ドヌーヴが世界的に注目を集めるきっかけとなった60年前のミュージカル映画。2013年にLVMHがデジタル修復に協賛するなど、おしゃれ映画のアイコニックな存在として愛され続けている。ハーフアップにリボンをあしらったガーリーなヘアスタイルや、ワンピースにカーディガンを合わせるコーデ、バーバリーのトレンチコートなど、ドヌーヴ演じるジュヌヴィエーヴが体現する洗練されたフレンチシックは、どれも美ビジュアル。登場する部屋の壁という壁、なんなら家の外壁までとにかくカラフルなので、インテリア熱も刺激されるはず。

『クルーレス』(1995)上映時間:1時間38分/アメリカ

映画『クルーレス』メインビジュアル

Album/アフロ

Story

ビバリーヒルズに暮らす16歳の高校生シェール(アリシア・シルヴァーストーン)の趣味は、学校内のダサい人をおしゃれに変身させること。人気者の彼女はある日、セクシーな転校生のクリスチャンに夢中になるものの、彼がゲイであることを知りショックを受ける。さらに、自分が変身させた同級生のタイが、いつの間にか自分よりも人気者になっていた……。

Recommend Point

90年代にアイドル的な人気を博したアリシア・シルヴァーストーン主演のガールズムービー。ファッション好きのお嬢様らしく、毎日のコーデをコンピューターに任せるという驚きの描写も登場。クロップド丈のニットや美脚が目を引く超ミニスカ、シースルートップス、映画を象徴する黄色いチェックのセットアップなど、まさに“今”マネしたいコーデがてんこ盛り。ヒロインがノー天気なギャルに見せかけて、実は繊細で真面目でいい子という設定も好感度大。おしゃれをしたくなるだけじゃなく、元気ももらえる1本。

『パリの恋人』(1957)上映時間:1時間43分/アメリカ

映画『パリの恋人』メインビジュアル

Collection Christophel/アフロ

Story

カメラマンのディック(フレッド・アステア)は、ファッション雑誌「クオリティ」の編集長マギーに古本屋で働くジョー(オードリー・ヘプバーン)を推薦。ジョーはファッションにまったく興味がなかったものの、尊敬する哲学者が暮らすパリへ行けると聞き、モデルを引き受けることに。

Recommend Point

ファッションアイコンとしても人気だったオードリー・ヘプバーンの出演作は、どれも洗練されていておしゃれ。特にこの映画はモード誌を舞台にした物語のため、50年代ファッションの魅力が次々と映し出されるオープニングタイトルから、一瞬で心をつかまれる(ちなみにこのページで紹介している写真は、1950年代の雑誌「ハーパースバザー」で実際に使用された写真の別カット!)。地味な書店員役のオードリーがモデルとしてスカウトされ、パリの名所をバックに着せ替え人形のように次々とファッションシュートを行う展開に、ときめかずにはいられない。アカデミー衣装デザイン賞にも選ばれたエレガントな衣装は、『麗しのサブリナ』(1954)、『ティファニーで朝食を』(1961)でもオードリーとタッグを組んだジバンシィのもの。

ライター・松山梢が選ぶ、泣ける映画の名作たち

恋愛や勉強、友人関係や仕事にちょっぴり疲れた時は、人目を気にせず思いっきり泣いて心にうるおいをチャージ。目の前の世界が今よりも愛おしく見え、周囲の人をもっと大切にしたくなるはず。

『いまを生きる』(1989)上映時間:2時間8分/アメリカ

映画『今を生きる』メインビジュアル

Moviestore Collection/AFLO

Story

1959年、全寮制の名門校ウェルトン・アカデミーに、OBの英語教師ジョン・キーティング(ロビン・ウィリアムズ)が赴任してくる。厳格な規律に縛られていた生徒たちは、キーティングの型破りな授業に戸惑いながらも、次第に自由な生き方を教えられていく。そして、キーティングが学生時代に結成した「死せる詩人の会」を復活させるものの、ある悲劇が起きてしまう……。

Recommend Point

映画に登場する学生たちは、厳しい規則に縛られ、親の過度な期待を背負う現状に不満を持ちながらも、枠からはみ出す勇気を持ち合わせていない青年ばかり。“カゴの中の鳥”のような彼らが、1人の教師との出会いによって、視点を変えて物事を見ることの大切さを教わり、「今、この瞬間を生きる」ことに目覚めていく高揚感は必見。文字通り彼らが勇気を出して“立ち上がる”ラストは、涙なくしては見られない名場面。一歩踏み出す勇気が出ない時、現状を打破したい時に何度でも見返したくなる、お守りのような映画になるはず。

『マイ・ガール』(1991)上映時間:1時間42分/アメリカ

映画『マイ・ガール』メインビジュアル

© 1991 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

映画『マイガール』ジャケ写

『マイ・ガール』 デジタル配信中 Blu-ray 2,619円(税込)/DVD 1,551円(税込) 発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント © 1991 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

Story

舞台は1972年のペンシルヴェニア州マディソン。葬儀屋を営む父(ダン・エイクロイド)と祖母と暮らすベーダ(アンナ・クラムスキー)は、11歳の女の子。ある日、美容師のシェリー(ジェイミー・リー・カーティス)が葬儀屋で働くようになると、急接近する父とシェリーの仲が気になるように。ベーダは、毎日のように遊ぶ親友のトーマス(マコーレー・カルキン)と共に、2人の恋を邪魔しようと画策する。

Recommend Point

担任の先生への恋心、父の恋人への嫉妬心、トーマスへの友情など、ベーダが少女から大人へ成長する段階で直面する繊細な心の動きが本当にリアル。誰よりも死への恐怖を抱いている彼女が経験する出来事はあまりにも残酷だけど、悲しみを経験するほど、人は確実に強く、優しくなれることも教えてくれる。ベーダを演じたアンナ・クラムスキーの天真爛漫さと、トーマスを演じたマコーレー・カルキンの天使ぶりに悶絶。

『ラブストーリー』(2003)上映時間:2時間13分/韓国

映画『ラブストーリー』メインビジュアル

© 2003 Cinema Service Co., Ltd., EGGFILM. Co., Ltd, All Rights Reserved

映画『ラブストーリー』ジャケ写

「ラブストーリー」 Blu-ray、DVD発売中&デジタル配信中 発売・販売元:ツイン © 2003 Cinema Service Co., Ltd., EGGFILM. Co., Ltd, All Rights Reserved

Story

大学生のジヘ(ソン・イェジン)は、演劇劇部の先輩サンミン(チョ・インソン)に想いを寄せていたものの、同じくサンミンに想いを寄せる友人からメールの代筆を頼まれ、引き受けてしまう。複雑な気持ちを抱える彼女はある日、家の中で35年前に書かれた日記帳と何十通もの手紙を発見。そこには、若き日の母の切ない初恋の物語が綴られていた。

Recommend Point

『愛の不時着』のソン・イェジンが、主人公のジヘと母親の若い頃を2役演じた話題作。過去と現在を織り交ぜて描きながら、母と娘の二世代にわたる愛の奇跡をドラマティックに描く。時代と戦争に翻弄された母の初恋があまりに切なすぎるし、その切なさが意外な形で昇華する映画のラストに涙が止まらない。20年前も今もまったく変わらない、ソン・イェジンの可憐さと泣きの演技の上手さにも驚かされる。

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