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インタビュー
2024.11.29
12月6日に横浜アリーナで開催される『モーニング娘。’24 コンサートツアー秋 WE CAN DANCE !〜Blå Eld〜石田亜佑美 FINAL』をもって、モーニング娘。’24およびハロー!プロジェクトを卒業する石田亜佑美さんに、non-no webがインタビュー。
“繋ぐ”というキーワードを立て、これまでの石田さんのモーニング娘。人生を紐解く卒業連載の最終回は、石田さんが今まで大事にしてきたダンスパートについて、卒業を意識してから決意するまでの気持ちの変化や本音、最後のMV撮影やレコーディングについてなど、今だからこそ話せるエピソードを赤裸々に語ってもらいました。大好きなモーニング娘。のメンバーたちのダンスを見て感じたこと、それぞれのメンバーに未来のモーニング娘。へと繋いでいってほしいと思うところ、そして石田さん自身が描く未来についてまで、たっぷりお届けします。
ダンスパートにかける思い、後輩に託したいこと

――卒業後に自身のダンスパートが後輩に引き継がれていくイメージはありますか?
現時点ではまだないですね。なぜなら今の私はラストツアーで歌っている楽曲たちすべてに、「石田亜佑美という印象を超残して卒業するぞ!」 という意気込みでやっているので、「もし石田がいなくなったらここは誰が踊るの?」とファンの皆さんに思ってもらわないと困るからです(笑)。でも、逆にメンバーのほうから引き継いでいこうという気持ちはすごく感じています。特に小田(さくら)が「石田さんから学ばないと!」と率先して声に出してくれて、ラストツアーのリハーサルに入ってからは「石田さん、教えてください」ってわざわざ私のところまで聞きにきてくれたりするんですよ。そしてその様子を見ている他の後輩メンバーも「私も教えてください」って一緒についてくる、みたいな。それは素直にすごくうれしいです。北川(莉央)は「石田さんがハロプロダンス部を卒業されたら、私が代わりに行って北川としてではなく、あたかも石田さんのような顔をして真ん中で踊ります」と言っていて(笑)。あのスキップもできなかった北川がそんなことを言ってくれるようになるなんて、すごく感慨深いし、おもしろい以上になんかうれしかったですね。そして北川と同じ15期メンバーだと、ほまたん(岡村ほまれ)はハロプロダンス部などで一緒に練習してきたからこそ、彼女のクセみたいな部分もすごく分かるので、「ここをこうしたらもっとよくなるよ」など気づいたところはできるだけ言葉で伝えているつもりです。自分では意識していなかったですけれど、こうやって話していると意外と引き継ぐエピソードがありますね……!
――自分のダンスパートを今後誰が踊るかなどは気になりますか?
それはすごく楽しみです。引き継ぐメンバーはもしかしたらプレッシャーなどを感じたりすることもあるかもしれませんが、私もその経験があるので気持ちはすごく分かります。でもそうやって大きく心を動かされるような経験が今の自分を作ってくれたと思うので、絶対大丈夫です。そして個人的には、引き継いでくれたメンバーがどんなふうに思って踊ってくれているのか、いつか機会があったら聞いてみたいです。純粋に私が知りたいだけなのですが(笑)。
――「だーnce」動画については連載二回目でもお話を聞きましたが、それ以降に何か新しい反応はあったりしましたか?
「だーnce」は時代ごとに分けて投稿しているので、見ている人にとって「自分が好きになった時代だ!」みたいな曲が出てくるタイミングがそれぞれにあって。その話を聞くといろんな人がいろんなタイミングでモーニング娘。と出会ってくれているんだなと改めて実感します。モーニング娘。’15の時など、自分の中では自信がなかった時代にも、そこでファンになってくださった方がいて改めて心強くなったり。あとは、ずっとダンスを教えてくださっているYOSHIKO先生と、過去の楽曲を踊るにあたって当時の思い出話をすることがあるんですけど、それがすごく自分にとっては新鮮で。例えば『夕暮れは雨上がり』の振り付けにはバレエ的な要素が入っているのですが、それはつんく♂さんからのリクエストを反映してそうなった、みたいな。これまで自分たちが知らなかったエピソードを聞けるのもうれしかったりします。
――自身がいた時代に確立した新しいモーニング娘。を後輩に繋いでいきたいなどの思いはありますか?
「新しいモーニング娘。」と周りから言っていただくことは光栄なのですが、何か新しいことを自分たちの力でやってきたというより、こんなにいろんな歴史があるグループにいて、まだ新しいことをやらせてもらえるというのは感謝しかないなという気持ちのほうが強いです。モーニング娘。という名前や、そこにいるからこそできる経験に感謝することばかりですね。
卒業を決意したきっかけ、ラストMVでの思い出

――改めて卒業を考え出したタイミングなどについてもお話を聞かせてください。
3年前ぐらいから卒業というキーワードは頭の片隅にありました。もし自分が卒業するとしたら最後にどんな公演をするんだろう? と思ったのが始まりですね。卒業公演に対する憧れじゃないですけど、注目を浴びる自分への興味みたいな気持ちからそんなことを考えたりするようになりました。モーニング娘。として活動を続けていくなかで「今の自分にできること」というのは常にテーマとしてあって、そこから少し余裕が生まれて物事を楽しめるようになって、さらに周りのことを広い視野で見られるようになって……。そういうタイミングで自分がこの先何ができるか、何をやりたいかの想像ができるようになったのも大きいのかなと思います。そして本格的に決意したのは今年に入ってすぐの頃なのですが、急に「今だ」と思う時があったんです。
――今だと思ったタイミングについてもう少し詳しくお話を聞けますか?
卒業までに叶えたいことをリストアップしたノートを作っていたんですけど、そこには東北6県でのライブや、地元・宮城でより大きな会場に立つなど、自分にとってすごく大切な東北で成し遂げたい、大きな目標などを書いていて。それらを叶えるためには、私の卒業が一つのエンジンになるんじゃないかな、と思ったんです。実際はタイミングだったり、私一人の思いだけではどうにもならない部分もあって、すべてを叶えることはできなかったのですが。だからといってそこで次の機会が来るのを待つのは自分らしくない、今だ! と思ったんです。ファンの方はご存じかと思うんですけど、私はいつかリーダーをやってみたいな、とも思っていました。同期メンバーも応援してくれていたので、それを叶えられないことに対しては申し訳なくはあったのですが、それよりも時を進めてみようという気持ちになり、それがイコール卒業だったんです。今モーニング娘。として活動していることはすごく楽しいですし、あったかい気持ちにもなれて幸せしかないんですけど、その反動で昔みたいなどこかヒリヒリとした感じを求めている自分もいたり(笑)、だからこそ行動を起こしてみたい! と思いました。卒業を決めたら同期メンバーからも、「本当に頑張ったね!」と悩んだ過程も含めてすべてをすごく肯定してもらえて、そこで心がスッと軽くなりました。
――同期である10期メンバーの絆の強さも伝わってくるエピソードですね。
10期メンバーが一番10期のことを好きなんですよ。好きすぎるがゆえ、モーニング娘。から10期がいなくなることについて、私含めて寂しいと感じているので、その気持ちでここまでやってこれたというのはありますね。私としては同期の3人がそれぞれにしっかりモーニング娘。として活動をしてきて、今はそれぞれまた別の分野で頑張っているからこそ、自分の武器は現役であることしかないとこれまでは思っていたんです。でもまた少し別の視点で考えると、10期の中で自分が最後まで残ったのは偶然でもあるし、一人で残ったからこそ人間的に成長できた部分がたくさんあるなとも思えて。だから今は待つのは違うと思ったことも、ここまで残って活動してきたことも、すべては繋がっていて今の自分があるんだなと思うことができました。
――現役メンバーの石田さんの卒業に対する反応はどうでしたか?
小田には発表する前からなんとなく話をしたりしていました。でも自分が卒業を決意するよりもっと前に、野中(美希)と「歴代のメンバーはみんな卒業をギリギリまで隠して発表するけど、それってグループにとって本当にいいことなのかな? グループにとっては大きな出来事だからこそ、サプライズじゃなくて早めに教えてもらったほうがちゃんと目標を立てて準備できるのにね」と話していたことがあって。それなのに、自分も結局サプライズみたいな直前発表になってしまって申し訳なかったです……。メンバーに発表したのは日本武道館公演のリハーサルの日だったんですけど、それは皆さんに発表する1週間前ぐらいでしたね。(弓桁)朱琴ちゃんを号泣させてしまったり、私も伝えながら思わず泣いてしまったんですけど、メンバーの反応がすごく優しくてうれしかったです。今のメンバーはなんか特に温かい空気感を持っているんですよね、12期なんて後輩なのに、お姉さんみたいな感じで気にかけてくれて。ちなみに何人かのメンバーは今年に入って私がマネージャーさんとよく打ち合わせをしている姿を見ていて、なんとなく勘付いていたみたいです。「石田さんから最近、卒業する人独特のオーラ出てました」とズバッと言ってくる子もいました(笑)。
――自身で卒業を決意したのが今年の1月、世間に発表されたのは6月ですがその間はどんな心境で過ごしていましたか?
いろいろ考えてしまって一人で泣いたりしていました。自分で決めたことではあるし、前向きな気持ちだったはずなのに、本当に大丈夫なのかな、と急に不安になったりして。メンバーにどうやって伝えるかも想像するだけで、すごく泣けてきてしまったりしましたね。気持ち的にもすごく不安定になっていたなと思います。思い出したら今また泣けてきました……(涙)。メンバーにはなかなか伝えられずにいたのですが、その代わりにどぅー(工藤遥)や、竹内(朱莉)さん、勝田(里奈)さんなどのグループから卒業した経験があって、事情を分かってくれる周りの人には卒業への気持ちを話したりはしていたので、そこでたくさん励ましてもらって、ポジティブな気持ちを取り戻すみたいなこともありました。無事に発表を終えた今は、すごく気持ちが楽になって楽しいです!ファンの方の中には泣いてくださったりする人もいて、その気持ちはすごくうれしいんですけど、同時に「私は卒業した後も皆さんとすぐに会うつもりだよ!?」と思ったりも(笑)。でもモーニング娘。の石田亜佑美にはもう会えなくなりますもんね……。
――最後のレコーディングやMV撮影の思い出も少し聞かせていただけますか?
一言で言うとうれしかったです。私にとっては最後だけど、なんら変わらずいつも通りに進んでいく感じがすごくよくて。モーニング娘。として今までやってきたことを、そのままできたことがうれしかったですね。卒業記念CDのレコーディングも終えたのですが、それがすごくて。すごさについてはまだ今はあまり言えないんですけど、思いがたっぷり詰まっているので楽しみにしていただけたらなと思います。MVとしてはラストが『勇敢なダンス』で、とにかく私のダンスをたくさん撮っていただきました。だからこそMVの完成度は自分のダンスにかかっているかもしれない、と勝手にドキドキしたりしていたんですけど、出来上がったものを見たら素敵でうれしかったです。監督の意向で他のメンバーと私が絡むシーンが組み込まれているのですが、ここは撮影当日に急にやるよって言われたんですよ。「フリーで」と言われ、「え⁉︎」みたいな(笑)。そんなこともあり、結構ドタバタした部分もあったんですけど、とりあえず数分で動きを決めて撮っていく、みたいな感じでした。なんとかこなせたのはやっぱり13年やってきた経験があるなとも改めて感じたり(笑)。メンバーそれぞれの感じもすごく出ていて、(牧野)真莉愛と横ちゃん(横山玲奈)は「私たちはこうするんで、石田さんはアイコンタクトお願いします」みたいに提案してくれたり、生田(衣梨奈)さんと野中(美希)とのシーンも二人が決めてきてくれたり。逆に15期は「石田さん、どうすればいいですか⁉︎」みたいな感じでそれがまた可愛くて。この記事を読んでくださった方には、またぜひMVを見てそんな背景があったんだと思いながら楽しんでもらえたらうれしいです。朱琴ちゃんが体調不良でMV撮影に参加できなかったのは残念な気持ちもあるのですが、リリースされるDVDの中に収録されたDance Shot Ver.とGroup Lip Ver.には朱琴ちゃんもいるので、そちらも見ていただきたいですね。
後輩メンバーのダンスの好きなところ、未来のモーニング娘。に繋いでいってほしいところ

――それではメンバーについて、それぞれのダンスの好きなところを教えてください。石田さんはペアで、少人数のユニットで、メンバーと踊るシーンも多かったので、そこでの思い出なども交えていただけたら。そして、未来のモーニング娘。に繋いでいってほしいそれぞれのメンバーのいいところや個性についてもお願いします。
まずは17期からいきますね。朱琴ちゃんは最近自分でダンスを習いに行くようになったんですけど、そのことをブログなどで発信しているところ含めてすごくいいなって思っていて。みんなが自然と朱琴ちゃんのダンスに注目するし、そうやって見られることで本人もより磨かれるじゃないですか。どんなレッスンを受けているのか気になって動画を見せてもらったこともあるんですけど、難しいクラスに挑戦していて頑張っているんだなとうれしくなりました。朱琴ちゃんのダンスをステージで見ていると、どの振り付けにも常に本気で、私が加入した時のモーニング娘。っぽい雰囲気や魅力みたいなものを感じます。憧れの先輩として小田をあげている子なので、目力の表現も強くて素敵です。好きなことがあって、それを研究するというのは絶対その子にとって大きな武器になるので、ますますこれから強くなっていくと思うんですけど、それも楽しみです。繋いでいってほしいところは、私がライブに全力をかけている気持ちを、朱琴ちゃんはしっかり受け取ってくれている気がしていて。もしかしたらこの先、活動をしていて急に手を抜きたくなるような瞬間が訪れたりすることもあると思うんですよ。でもそういう時こそ、自分を奮い立たせて頑張ってほしいし、後輩ができた時にそのモーニング娘。としての熱い気持ちをさらに繋いでいってくれたらうれしいです。
はるさん(井上春華)を見ていると「この振り付けは自信があるんだな」というのが伝わってきたりするようになって、すごく成長を感じています。その分かりやすいところ含めて、見守っていて楽しい気持ちになるんです。そして朱琴ちゃんが私の入ってきた時代のモーニング娘。だったとしたら、はるさんは初期のモーニング娘。の振り付けや空気感が似合う子で。その初期の独特な空気感を再現するのって難しいんですよ。私がやってもちょっとダンサブルになりすぎちゃったりして、自分的にはちょっとイマイチで。だから今のメンバーでその感じを再現するなら、はるさんが一番うまいんじゃないかと思います。すごく大きな強みですよね。そしてダンスを一生懸命頑張っていることを、はるさんが思っている以上にメンバーや周りのスタッフさんはすごく評価しているので、もっと自信を持って! と伝えたいです。そして繋いでいってほしいところとは少し違うかもしれないのですが、私ははるさんの歌声がすごく好きで。はるさんが歌うと、その曲の新しい世界を発見することができるというか、そんな魅力的な歌声の持ち主だなと思います。歌でもダンスでも唯一無二の魅力や雰囲気を出せるメンバーなので、だからこそ既に大事なパートを任されていたりもします。自分でその個性をもっと自覚したら、さらに進化すると思うので今から楽しみです。私が卒業してグループとしてのバランスが少し変わってくると思うんですけど、その変化をキャッチしながらはるさんの色をもっと出してほしいです。
16期のらいりー(櫻井梨央)は、個人的にダンスを一番教えたかもしれないメンバーです。誰よりも表情が豊かな子なので、同じようにダンスにもグルーヴがあることを感じてほしいと思ってしまうんですよ。ポテンシャルがあるからこそ、期待するレベルが高くなってしまうというのもあると思います。印象に残っているエピソードだと、『スカッとMy Heart』で間奏パートを二人で踊ることになって、最初は「石田さん、教えてください〜」という状態からスタートしたのに、ツアーの中盤ではもう余裕が出てきていて「ここ、もっと遊べますよね?」とビジョンを使った魅せ方をらいりーから提案してくれて。そうやってダンスをエンタメとしてちゃんと昇華できるセンスがある子なので、これから自分の引き出しをもっと増やしていったら、ダンスで会場を沸かせることもさらにできるようになると思います。そんな姿を見られる日が来ることを期待しています。繋いでいってほしいらいりーの素敵なところは、ハロー!プロジェクトのメンバーを好きな気持ちです。ハロコンでも休憩時間があると廊下に出て、誰か来ないか待っていて、ハロプロメンバーと話すタイミングを楽しみにしているような可愛い部分があって。可愛さ余ってつい「また廊下出てるじゃん〜」といじりたくもなってしまうんですけど、「やめてくださいよ〜!」みたいな感じでそこに乗ってくれるんです。誰にでも臆せず話しかけられるキャラクターも、本当にいいなって思いますね。グループの垣根を飛び越えて交流ができる、コミュニケーション能力の高い子なので、繋ぐだけじゃなくて進化もさせてくれるんじゃないかなと思います。
――続いて15期メンバーもお願いします
めい(山﨑愛生)ちゃんは本当におもしろい子で。「このダンス得意です、このダンスはちょっと苦手です」と自分からはっきり言ってくるんですよ(笑)。つい最近だと「(最新アルバム『Professionals-17th』に収録されている)15期ユニット曲の『おっちょこちょいなファンタジアロマンス』のダンスが得意です」って言っていて、確かにすごく上手でした。めいは、上半身のアイソレーションや女性らしい動きがすごくうまいんですよね。そうやって得意なことはちゃんと自覚している子なんですけど、意識してカメラ目線をしたり踊ったりするのは苦手みたいで。私としてはその苦手意識をなくして、意識する部分にも目を向けて、もっと魅力を高めてほしいんですけど、めいの無意識で自然体な部分も本当に魅力的なので、そこはなくさないでいてくれたらうれしいです。繋いでほしいところは、今年宮城でコンサートをしていた時、私が地元をすごく大切に思っているということを受けて、「めいも(出身地の)北海道がすごく大事です」と言っていて。彼女も地元愛が強い子なので、そんな部分はこれから私の代わりに繋いでいってくれるんじゃないかと思います。あとめいとは、移動中の新幹線の中などでモーニング娘。のいいところや、改善したほうがいいと思うことについて語り合ったりする仲なんですよ。だいたいその日のライブ映像を一緒に見ながら話すんですけど、しっかり自分の意見や考え方がある子で。素敵な考え方を持っているからこそ、そこにも自信を持ってもっと発信していってくれたらうれしいです。
ほまは、「いいじゃん!」と思うパフォーマンスを最近になってさらに見せてくれるようになりました。『おっちょこちょいなファンタジアロマンス』をパフォーマンスしている時に自然と目線を使っていたりとか、ハロコンのユニット曲でアンジュルムの『はっきりしようぜ』をパフォーマンスしているときもすごくよくて。激しいダンスというより、思いを込めてしっとりとした感じで踊るのが得意な子なので、そのよさがすごく出ていたんですよ。そして褒めるとより一層気持ちを込めて踊ってくれるような素直な性格の持ち主なので、自然ともっと褒めたくなるし、いいところを見つけてあげたいって思わせてくれるところも魅力です。本人の中でもダンスを頑張りたいという気持ちがすごくあって、それが伝わってくる子だし、ちょっと泣き虫な部分もありますけどそれ以上に頑張り屋さんなので、ダンス部でも引き続き頑張ってほしいですね。オラオラモードで踊っているほまたんの姿を見るのも楽しみにしています(笑)。そしてダンスだけじゃなく、自然体で可愛い歌声もすごく好きです。繋いでいってほしい部分は、優しさですかね。私はほまれの優しいところがすごく好きで。卒業を伝えた後にも個別で連絡をくれたんですけど、文面からその優しさが伝わってきて思わず泣いてしまいました。普段から自然にコミュニケーションをとってくれる子で、私がアップしたInstagramのストーリーズに可愛いスタンプを送ってきてくれた、と思ったら変顔の自撮りを送りつけてきたり(笑)。おもしろいし優しい子なんですよね。その優しさでこれからもメンバーを繋いでいってほしいです。
北川については、この連載の二回目でも一度お話ししているのですが、ダンスが本当にできない時代からたくさんの努力を重ねて大きく成長した子です。だからこそ、ダンスに対しての意識がすごく高いメンバーだと思います。ただ踊るだけじゃなく、指先の表現にまでその意識をちゃんと向けているので、その姿を見ていると私もうれしくなるし、もっと応援したい気持ちになります。ダンスの実力はもちろん大事ですけど、私はそれ以上に気持ちや意識という部分も大事にしてきたので、そういうところにまで自分と同じように熱量を持って取り込んでくれるメンバーと、一緒に活動できたこともうれしかったです。だからこそ最後まで自分が伝えられることはすべて伝えていきたいなと思っています。繋いでほしいこともその意識の高さにかかってくるんですけど、北川はこれから未経験で加入してくる子にとって希望になるメンバーでもあると思います。練習や努力をすればこんな風になれるよ、というのを体現し続けてくれているので、心強い存在ですよね。ダンスが苦手な子にどうやったら伝わるかというのも誰より理解していると思いますし、踊れなかった時代の自分もちゃんと大事にしている子だからこそ、教えるのもすごく上手で。モーニング娘。はどんな個性を持った人が入ってくるかわからないグループだからこそ、北川のような存在は大きな強みになると思います。
13期のよこ(横山)のダンスはとにかくセンスです。以前、non-no webさんでかえでぃー(加賀楓)の卒業インタビューがあった時に、メンバーのそれぞれのダンスについて触れている箇所がありましたが、かえでぃーのよこに対しての分析には賛同しかなかったです。もともと持っているものもあるし、器用だし、アイドルとしてのスキルも高くて……すごいと思います。今回のツアーでよこと一緒に踊る瞬間があるんですけど、よこはズレたことが一回もないんですよ。音の取り方が常に完璧で。そして二人で踊っているパートがすごくそろっているといろんな人から褒めてもらえるので、それを本人に伝えたら「石田さんのことをすごくよく見て踊っているので」と言っていて。そうやって何かを担うとなった時に抜群のセンスを見せてくれる子なので、いつも「やられた〜!」とうれしい気持ちにさせてもらっています。しかもそれをアピールせずにサラッとやっているところも含めて、よこの魅力ですよね。そんなよこに繋いでいってほしいのは、やっぱりセンスなんですよね。パフォーマンスに関してだと、笑うところとカッコつけるところ、決めるところ、全部がすごく上手で。感覚もあるので簡単にできることではないですけど、継承していってくれたらうれしいです。それからやっぱりよこといえば、しゃべり方だったり間の取り方だったり、お笑いという部分でもずば抜けたものを持っているので、そこもですね。よこがいるかいないかで、MCの内容が変わってくるぐらい大事な存在なんです。もちろんセンスも大事ですけど、人や周りをよく見ているからこそだと思うので、そこを繋いでいってくれたらうれしいです。
12期のあかねちん(羽賀朱香)のダンスも私はとっても好きなんです。本人にも伝えたことがあるんですけど、肩甲骨の所から腕のようにして踊るのがすごく上手で。だからすごくダンスがきれいに見えるんですよ。前リーダーの譜久村聖さんはその場を掌握するダンスが得意な方だったんですけど、あかねちんも同じようなタイプで、一人真ん中で手を伸ばすだけでもサマになるような、そんな魅力や個性の持ち主です。でも本人的にはダンスが得意だとは全然思っていないみたいで、よく踊るのが難しいと言っているんですよね。あとはステップを踏む振り付けの時に、手の位置が分からなくなるとも言っていて。確かにそういうときって手の振りがついていないことが多いので、言っている意味はすごく分かるんですけど。それで困った時にあかねちんはよくペンギンみたいな手にしていて、それがまたかわいくて! だからダンスの部分でも自分に自信を持ってほしいです。そしてあかねちんもよことはまた違った、素敵なセンスの持ち主なんですよね。カメラ目線をするしないのチョイスだったり、言葉の伝え方やニュアンスも素敵で。場をまとめるのもすごく得意なので、グループにとって本当に大切な存在です。あとはモーニング娘。に対しての愛情がすごく深い子なので、そういう部分も繋いでいってほしいですね。
真莉愛は、ブレることなく自分を貫いていていいですよね。すごく自分のこだわりを持ってステージに立っていることも知っていますし、だからこそ彼女がやることには全部に意味があって、そういうところを尊敬します。例えば『the 摩天楼 ショー』の落ちサビが真莉愛のパートになったんですけど、そのフレーズに対して本当にいろんなことを考えて向き合っていて。そこまで考えているからこそ、「今日は寂しさ8割で歌ってみたんですけど、寂しすぎたかもしれないから次は会えてうれしい気持ちを多めにして歌ってみます」とかそういう発言がサラッと出てくるんですよ。一つのパートに対しても、これだけの熱量や意識を持ってステージに立つメンバーがいるということが、モーニング娘。の強みにもなっていると思います。そしてダンスに関しては常に牧野真莉愛として踊っていて、みんなが見たいと思う全力な姿を常に見せてくれるようなイメージがあります。ファンの皆さんには伝わると思うんですけど、とにかく“すごく真莉愛”なんですよ。繋いでいってほしいのはそのこだわり、ですね。でも自分の思っていることを口に出して言ってくれるようになったのは結構最近なんです。口に出して伝えてくれることで、よりそのこだわりや気持ちを知ることができて私もうれしいですし、聞いているほうはすごく感化されるので、グループにとってもいい影響をもたらしてくれているなとも思います。真莉愛はモーニング娘。を飛び越えて、ハロー!プロジェクト愛がすごくある子なので、それがパフォーマンスにも繋がっていて。そしてその憧れを自分のものにして体現するのも上手なんですよ。そういうところもすごく素敵だし、何かを大事にする気持ちを絶やさず繋いでいってほしいです。
野中もおもしろい子ですよね。真莉愛とはまた違うこだわりをしっかりと持っていて。そして今気づいたんですけど、私は今まであまり野中のダンスを語ったことがないかもしれないです。野中は加入してから一気にダンスが変わった瞬間がありました。本人に何かあったのか聞いたら「鞘師(里保)さんをマネして踊るようにしてみました」と言っていて。確かに言われてみたら、前よりも踊っている時の上半身がすごく安定していたんです。その時にちゃんと分析してマネをしたりするのが上手な子なんだ、ということを知りました。それを今では野中の型として昇華させていて、その柔軟さもすごくいいなと思いますね。研究するセンスがあるからこそ、これからも気になったものはどんどん取り入れて引き出しを増やしていってほしいですし、また新しい一面を見せてくれる時があるんだろうなって今から楽しみです。野中に繋いでいってほしいのは、人間としてのおもしろさですね。すごく興味深い部分を持った子なんですよ。最近のライブではカッコいいイメージですけど、MCではすごく独特の雰囲気があったり、ギャップがすごいですよね。MCでも人と違うことをしようっていう、その大胆な精神みたいなものが今のモーニング娘。のいいスパイスになっていると思いますし、いいなって思います。英語力を保つために一時活動を休んで留学したこともそうですし、曲を作ったり、新しいことをおもしろいと思ってやってくれるところが素敵です。ついストイックになりがちなモーニング娘。だからこそ、こうやってパッと視点を変えてくれる存在がすごく大きいし、大切だなって思います。
長年一緒に活動してきたメンバーたちの魅力、そしてこれからの石田亜佑美

――残すところはあと2名となりました。相当付き合いの長い二人ですよね。
はい(笑)。11期の小田は……純粋にすごくダンスが上手です。でも時々急に幼い感じになったりするから、そこを気をつけてねと伝えています。楽しくなると動き方が幼く、子どもになっちゃうんですよ。小田さくらという人間の幅としてはすごくおもしろい部分なんですけど、そうしないで踊ってほしいと思うのは、単純に私の好みの問題です。本人も、そんな私のことを分かった上で聞いてくれているとは思うんですけど(笑)。でもあんなにダンスがうまいのに、小田は自分に基礎がないということをすごくコンプレックスにしていて。でもそうやって向き合って努力をし続けているからこそ、ダンスが上手になり続けているんだと思います。確かにモーニング娘。の振り付けではないダンスのステップをしたりすると、小田のちょっと不器用なところが出てきたりすることもあるんですよ。でもそこで「石田さんのマネをして覚えるのでちょっと横で踊ってください」とか、今でも言ってくれるんです。そのいい意味での貪欲さが常に小田のダンスには反映されていて、これからも進化し続けるんだろうなって思いますね。繋いでいってほしい部分は、モーニング娘。としての軸です。モーニング娘。だったらこっちを選択するよね、というのを絶対にハズさない子ですし、これからもグループをそうやって導いてくれる存在であってほしいなと思います。モーニング娘。へのリスペクトもすごく強くて、歴史にも詳しいけど、詳しくない人に対してどうこう言わない心の広さもある人です。だけど芯には何があっても揺るがないマインドがあって、そこもカッコいい。すべてに重みがあるので簡単に人に繋げるようなものではないかもしれませんが(笑)、小田なら繋いでくれるだろうなという気持ちもあります。
9期の生田さんとは『LOVEマシーン』とか『恋愛レボリューション21』など、初期の楽曲を踊る時に、めちゃくちゃリズムが合うんですよ。そしてリズムだけじゃなく、手を振る斜めの角度までバッチリで。これに気づいたのは確からいりーが加入してきた頃なので結構最近なんですけど、逆に合わないというパターンもあるんだ、ということを知って。今まで意識していなかったけど、やっぱり13年間一緒に踊ってきたのってこういうところに出るんだな、と改めて感じました。踊り方はそれぞれ全然違うはずなのに不思議ですよね。普通のダンスを踊ったらきっとそうはならないんですけど、モーニング娘。の楽曲を踊るとなったらそうなるのがおもしろいなって思いました。改めてそう考えるとグッときますね。私と生田さんは踊るパートやユニット曲が一緒になることが多くて、曲だと『大人になれば 大人になれる』が大好きなんですけど、この曲は振り付け自体は難しくないのに合わせるのがすごく難しくて。そういうことを一緒にやってきた存在だからこそ、今こんなにも息がぴったりと合うんだなって思います。昔を思い返したら一緒にアクロバットもやっていましたね!生田さんにいろんな意味で補助してもらっていました(笑)。繋いでほしいことは、私は生田さんのずっと“えりぽん”なところを尊敬していて。衣装一つとっても、飾り一つとっても、“えりぽん”を徹底しているんですよ。大人数でアイドルをやっているからこそ、そういうこだわりを持って個性をアピールすることってすごく大事ですし、好きなものを大事にする姿勢は周りにいい意味で伝染していくので素敵だなと思います。でも生田さんの場合は自分だけじゃなくて、他のメンバーのプロデュースもすごく上手なんです。生田さんが去年の春ツアーの衣装を担当してくださって、そこで初めて背中が開いている衣装を選んでもらったんですよ。そこから背中が自分の中での新しいキーワードになって、ラスト写真集でもテーマにしていたり、なんだかそういう部分でもすごく感謝していますね。生田さんがいなかったらこのキーワードには出合えていなかったと思いますし。これは裏話なんですけど、実はその背中が開いた衣装は最初、生田さんが自分で着ようとしていたらしいんですよ。でもこれは亜佑美ちゃんのほうが似合うのではって勧めてくれたんです。
――駆け足となってしまいましたが、最後に今話せる範囲で、石田さん自身の未来についてのお話しが聞けたらうれしいです
今はモーニング娘。の活動にすべてを注いでいるので、卒業した後のことに関しては全然動けていないんですよ。だからある意味私が一番心配ではあるんですけど(笑)、皆さんとまたすぐ会えるようにとは思っているので心配しないでください。今までも長くお休みをしたことがないので、「卒業したらなんでもしたいことできるね」とも周りから言われるんですけど、私としては今のところ全然休む気はないです。なぜなら一人になってからも、こうしてお仕事があるかわからないじゃないですか。だから休んでいる場合じゃないと思っていて。願わなくても休みの日は絶対出てくると思いますし、休んでいたがゆえにチャンスを逃したりするのは嫌なので、引き続き前のめりな気持ちは持ち続けて頑張りたいなと思います。実は具体的な目標もあって、宮城でラジオ番組をやってみたいんです。ラジオだったらおばあちゃんたちも聞いてくれるだろうし、そんな欲はちゃんとあって。あとは舞台にも出たいですし……。そしてその合間にお休みがあったら、伊勢神宮に行きたいです。どぅーと行こうねって約束しているので、それは絶対叶えたいですね。
――大好きなライブをまたしたい、ライブをするステージにまた戻ってきたいという気持ちはありますか?
ライブは大好きなんですけど、私は“モーニング娘。のライブ”が好きなんですよね。舞台セットや照明があって、カメラがあって……。だから今の段階では一人で踊って歌うイメージはあまりできていないんです。どうやったってモーニング娘。のライブで感じた楽しさには勝てないって今は思うので。でもこの前、モーニング娘。OGの藤本美貴さんとお話をさせてもらった時に、「なんでもできるんだよ、一人だと。絶対楽しいよ」って言葉をかけていただいて。そこでちょっと心が動かされたので、これから気持ちが変化していったりすることはあるかもしれません。なのでまた「やってみたい!」と思うことがあったら、戻ってきたいと思います!
モーニング娘。’24のInformation

11月27日(水)に通算17枚目の、石田亜佑美さんにとってはラストとなるアルバムが発売に!石田さんのダンスにフィーチャーしたリード曲『勇敢なダンス』をはじめ、13曲を収録。初回生産限定盤に付属するBlu-ray Discには、春ツアーの舞台裏に密着した『モーニング娘。’24 MOTTO DOCUMENTARY in BUDOKAN』(Huluオリジナル番組)も収録。
⚫︎いしだ あゆみ 1997年1月7日生まれ、宮城県仙台市出身。『モーニング娘。10期メンバー『元気印』オーディション』に合格し、2011年9月29日にモーニング娘。10期メンバーとして加入。2012年1月25日に48thシングル『ピョコピョコ ウルトラ』でCDデビュー。現在はサブリーダーを務める。メンバーカラーはロイヤルブルー。ニックネームはだーいし、あゆみん。トップレベルのダンススキルを持つことから“ダンスマシーン”という異名を持つ。
トップス¥12100/レイ ビームス 新宿 その他/スタイリスト私物
撮影/山越翔太郎 ヘア&メイク/河嶋希(io) スタイリスト/佐藤朱香 取材・原文/武内亜紗

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