長く続くコロナ禍で、日本に住む外国の方々の大変さはいかほどだろう。仕事や住居が確保できるかの不安は増し、もしかしてコロナ? と思っても検査機関にアクセスするのだって、私たちの何倍も苦労されているのではないか。
バクちゃんは、やさしくキュートな絵柄とは裏腹に、ゴリゴリの社会派漫画だ。バクちゃんが地球で感じる悲しみや切なさは、日本で生活する外国人のつらさそのものだろう。ときに不利な状況に追い込まれ、差別され、人でないような扱いを受ける。
この作品を読むことで、今日本で何が起きているのかを知ることができる。彼らがただ生きようとするだけでどんな目に遭うのかを。
けれどこの作品はそれをただ告発したのではない。バクちゃんたちのやさしくまっすぐな生き方に心を照らされ、自分もバクちゃんたちの味方側でありたいと改めて強く思わされる。私たちはこの気持ちを忘れがちだ。だからこんなふうに何度も強く胸に刻まないといけないのだ。