馬場ふみかとMiyuki Kitaharaが初コラボ。雪が舞う“真っ白な世界”を表現【馬場ふみかのふみかける】

2022年8月20日

馬場ふみかが気になるクリエイターをお迎えしてお届けする連載「馬場ふみかのふみかける」。真っ白なドレスに、どこか冷たさのある花。そして、夏に降る雪は思いも寄らない物語の始まりを予感させる。

Miyuki Kitahara

クリエイター

イギリスのアートスクール、アーツ・ユニバーシティ・ボーンマスでファッションを学び、フセインチャラヤンで経験を積む。2016年より自身のブランドをスタート。ループするモチーフや手作りのパーツなどから作られる、まるで着ることのできるアートのようなアイテムたちが見る人の心をつかんでいる。

馬場ふみかとMiyuki Kitaharaさんがコラボ_1

―― 今回のコラボレーションは、ふみかがMiyukiKitaharaのお洋服を気になっていたことがきっかけで実現したそうですね。

ふみか　そうなんです。Miyukiさんのお洋服はこれまでも撮影でちょこちょこ着用させていただいていて。直近だとノンノ７月号で着たパールがたくさんついているキャミソールやチョーカーが特に印象に残っています。どれも繊細で、見たことのないデザインばかりで、スタイリストさんに「どこのブランドなんですか？」って聞くと「MiyukiKitaharaです」って教えてもらうことが何回かあって、ずっと気になっていたんです。

Miyuki　ありがとうございます。いつも可愛く着てくださっていて、誌面を見ながら「ありがとうございます」って思っていました！

―― スタイリングや撮影のテーマは、どのように決められましたか？

Miyuki　MiyukiKitaharaの2022-23AWのテーマが『雪月花』なんですが、今回はその中の雪にフォーカスして全部真っ白な感じにするのがいいかなと思いました。オファーをいただいてすぐに思いついたんですが、ちゃんと考えなかったということではないですよ（笑）。

ふみか　とても分かります！私も、感覚を大事になんでも即決しがちなので（笑）。

―― ―雪にフォーカスしようと思ったのは、Miyukiさんのふみかに対するイメージも大きかったのでしょうか？

Miyuki　そうですね。私は馬場さんのことをメディアでしか拝見したことがなかったのですが、黒よりも絶対に白のほうが似合うと思っていて。でも、白といっても可愛らしいフワフワな感じではなくて、凛としてかっこいい白が合うと思ったんです。

―― 数あるルックの中から、ミニ丈のドレスを選ばれた理由は？

Miyuki　いちばん似合うと思ったからですね。実際に着ていただいたら、すごくお似合いでした。

ふみか　うれしいです。着た瞬間の印象は、映画『ナルニア国物語』に出てくる魔女みたいだなって。冷たさを表現できるように表情も無機質な感じでカメラ前に立ちました。まつげが凍っているふうに見えるメイクも含めて、撮影したのは夏だけど、氷点下の場所にいるような気分になりました（笑）。

―― メイクに関しては、どのようなディレクションをされましたか？

Miyuki　基本的に全部白がいいなと思って、そうお伝えしました。ただ、あまりやりすぎるとヘッドピースがいらなくなってしまう。ブランドのよさを伝えるにはヘッドピースは絶対なので、インパクトはありながらも引き算したメイクをお願いしました。

馬場ふみかとMiyukiKitaharaさんがコラボ_2

ドレス￥88000・ヘッドピース￥120000・グローブ（参考商品）／MiyukiKitahara　タイツ／スタイリスト私物

―― おっしゃる通り、ヘッドピースはMiyukiKitaharaを象徴するアイテムのひとつだと思いますが、なぜヘッドピースも作られるようになったのでしょうか？

Miyuki　私は洋服をデザインする時に、アイテムごとではなく、トータルで考えるんです。「この服に合うのはこんなヘッドピース」というようにヘッドピースも含めてひとつのルックが完成します。洋服だけよりも雰囲気が出て、世界観を創ることができる重要なアイテムです。

―― 今日の撮影でつけたお花のヘッドピースは、どのように作られたのですか？

Miyuki　素材は真鍮なんですが、そもそもこのお花自体のパーツというものは存在しなくて、ふたつのパーツを溶接して作っているんです。それをメッキ屋さんにお願いして、シルバーのメッキに加工してもらいました。

ふみか　すごく手が込んでいるんですね！１シーズンぶんのヘッドピースを作るだけで、とっても時間がかかりそうです。

Miyuki　本当にその通りです。ありものでも可愛いものはあるんですけど、手が混んだものこそより可愛いと思ってしまうので、パーツから作るという工程には特にこだわりたいんですよね。

ふみか　繊細な美しさがあって素敵です。いつか結婚式でつけてみたいと思いました♡ 今のところ特に予定はないのですが（笑）

―― 雪にフォーカスすることを決めたあと、スモークをたいて撮影するというアイデアはどのように浮かんだのでしょうか？

Miyuki　フォトグラファーのYuji WatanabeさんにはAWのルック撮影もしていただいていたので、「雪にフォーカスして全部真っ白な世界を表現したい」とだけお伝えしました。私はカメラマンさんにイメージ写真を送らないようにしているんです。それは、見たものに寄せなきゃいけないと思ってしまう人が多いと思うから。今回も文字だけでお伝えしたら、Watanabeさんが「じゃあスモークをたいての撮影はどうですか？」というアイデアを出してくださって、すぐに「いいですね！」とお返事しました。

撮影が始まってからもそのスタンスは同じで、最終形のイメージってあると思うんですが、私は、当日撮影して自分の想像とは異なる別のいいものが生まれたら、それでいいと思うタイプなんです。自分のやりたいことがすべていい方向に進むとはかぎらないので、最初のイメージに固執する必要はないと考えていて。私が100％の力を出すのは、洋服を作るところまで。それ以降の表現は、いい意味で、まわりにもお任せしながら創り上げていく。今日の写真も事前に思い描いていたイメージとは違いますが、結果的にそれがすごく可愛くて素敵な１枚になりました。

ふみか　強さもあるのに、今にも消えそうですよね。風が吹いたら、しゃらしゃらって粉になってしまいそうな儚さを感じました。素敵な衣装とビジュアルを作っていただき、ありがとうございました！

▶【馬場ふみかのふみかける】記事まとめ

Profile

馬場ふみか

女優・モデル

1995年６月21日生まれ。新潟県出身。2014年から雑誌（ファッション誌）『non-no』の専属モデルを務める。2015年『仮面ライダードライブ』敵女幹部・メディックを演じて話題に。『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』3rd Season（2017年）などの出演を経て『深夜のダメ恋図鑑』（2018年）、『3Bの恋人』（2021年）で主演を務めるなど、女優としても躍進中。

モデル／馬場ふみか　撮影／Yuji Watanabe（Perle）　ヘア&メイク／北原果（KiKi inc.）　スタイリスト／Miyuki Kitahara　取材・文／吉川由希子　web構成／轟木愛美　web編成／吉川樹生