友野一希の「トモノのモノ語り。」

友野一希連載【 #トモノのモノ語り。】vol.6「サウナトーク<延長戦>とげんさんサマーカップ」<フィギュアスケート男子>

2022.08.21 更新日:2023.12.22

フィギュアスケート友野一希連載「トモノのモノ語り。」

vol.6 語り出したら止まらない! 熱いサウナトーク<延長戦>

こんにちは、フィギュアスケーターの友野一希です。

僕の好きなことや、お気に入りのアイテムについて紹介する連載、第6回目です。

一度では到底語り足りなかったサウナトーク。2セット目では、僕の好きなサウナの条件と、全国のおすすめサウナについて語ります。

▷▶前回の「トモノのモノ語り。」サウナ編をおさらい!

僕の好きなサウナの条件

僕がサウナに行くのはだいたい一人。練習後に誰かと行くこともありますけど、買い物と同じで、向き合って一人で考える時間があるほうがいいんですよね。だから一人で古着屋行ってサウナ行くってのがほっんとに最高の休日の過ごし方なんです。

いろいろなサウナや水風呂があるバラエティ豊かなサウナーの遊園地みたいなのもいいなって思いますけど、僕はサウナに集中できる環境が整っているかを大事にしてて。
あとは湿度の高さと水風呂の温度も。最初は水風呂は冷たいのが正義だと思ってたんですけど、入ってくうちに17、18℃がベストな温度だと気付いて。
気持ちよく入れる温度で、ゆっくり落ち着ける環境が整ったサ
ウナが僕の好きなサウナ。その上で全国のおすすめのサウナをいくつかピックアップしてみました。

おすすめサウナセレクション:関西編


言葉で言い表せない特別感。マイレジェンドサウナ

友野一希選手のおすすめサウナ「神戸サウナ」

雨の日も風の日も「神戸サウナ」。

 「神戸サウナ&スパ(以下、神戸サウナ)」は僕にとって特別なサウナ。どれくらい特別かっていうと今年の年越しをここで過ごしたくらい(笑)。1日オフになったら迷わず行くし、フィンランドサウナをリニューアルするために募っていたクラウドファンディングでも支援しました。

友野一希選手のおすすめサウナ「神戸サウナ」で年越し

年越しだって「神戸サウナ」。

ここはサウナに集中するという意味では最高の環境。
特に木の香りが心地よいフィンランドサウナは、テレビも置いてなくて、何もない静かな空間でひたすらサウナと向き合える。

熱が冷めることなくすぐ水風呂に入れるよう、動線も完璧で、水風呂の温度はちょっと冷ための11.7℃。これは阪神・淡路大震災の記憶を風化させることがないようにと、その日付1月17日にちなんで設定されたもので、地元に根付いた何から何までレジェンドなサウナなんです。

梅田の二大サウナ

友野一希選手のおすすめサウナ「大東洋」のちゃんぽん

サウナ後はいつもよりごはんがおいしく感じます。特に「大東洋」のちゃんぽんは体に染みる!

梅田のサウナといえばこの二つ。
「ニュージャパン梅田店」は、世界初のカプセルホテルとしても有名な歴史ある施設。最近リニューアルされてサウナもピカピカ。広くて人も多くないのでとにかく静かでゆっくりできるのが魅力です。
前にも紹介した「サウナ&スパ カプセルホテル 大東洋(以下大東洋)」のサウナはもうとにかく熱い。熱すぎて僕は「漢(おとこ)サウナ」って呼んでる(笑)。
よくも悪くも「THE 大阪」って感じのダイナミックなサウナで、飲食店にたとえるなら、「神戸サウナ」は老舗の
料理店、「大東洋」は親しみのある安くてうまい店って感じ。行くとやっぱりこれ!っていう安心感があるんですよ。

サウナ強めなスーパー銭湯

初心者の方でも行きやすいスーパー銭湯。中にはめっちゃサウナに力を入れてるところも。

「天然温泉 延羽の湯 本店 羽曳野」はサウナ専門施設じゃないのにトップクラスのサウナ環境で、サウナーからも大人気。鶴橋店もあるけど、僕は羽曳野店が一押し。ここも意味わからんくらい熱いです。
大阪でお手頃価格でいいサウナに入りたいって時はここ。あ、泉佐野市にお住いの方はもちろん「岩塩 りんくうの湯」vol.5参照がありますよ。

おすすめサウナセレクション:サウナ遠征編


おもてなしの心で包み込む、心温まるサウナ

友野一希選手のおすすめサウナ「大垣サウナ」

実家に帰ったような安心感「大垣サウナ」。

イベントなどで地方に行く機会が多く、サウナ遠征も捗ります。
特に思い出深いのは、(木科)雄登と行った岐阜県大垣市の「大垣サウナ」
細かいところまでおもてなしの心が行き届いた、心温まる空間。家族経営でやってはるので実家のような安心感と懐かしさがあって、サウナと同じくらい気持ちがぽかぽかしてきます。

定期的に自宅にハガキが届くのもうれしくて、また必ず帰ってきたくなる場所。サウナって施設だけじゃなく、環境や雰囲気とかも含めてサウナが完成するんだなってことを教えてくれたのがこの「大垣サウナ」です。

また大垣市は「水の都」と呼ばれていて、水風呂にはその名水を使用しているので、そのまま飲めるくらいきれいでとにかく水質がいいんです。


これぞサウナーの聖地! ミネラルたっぷりの天然水を使用した水風呂は格別!

友野一希選手のおすすめサウナ「サウナしきじ」

サウナーの聖地に降り立つ!

水質のよさといえば、静岡県にある「サウナしきじ」も外せません。
サウナの聖地と呼ばれていて、全国からサウナーが巡礼にくる名店中の名店。
ちなみにお見せできないのが残念ですが、今日着てるのもここのTシャツです☺︎

サウナは2種類あって、特に激熱の薬草サウナで蒸されたあとに飛び込む水風呂のよさといったらもう! 爽快感が体中を駆け巡ります。
水風呂には自然の中でろ過されたミネラルたっぷりの天然水を使用していて、肌あたりなめらか。体に水分が入り込んで全身に行き渡っていくような感覚が最高に気持ちいいんです。
「水質のよさなんて分かるわけないだろ」って思うかもしれないんですけど、これが分かるんですよ。冷たいのにずっと入っていたくなる、水に包み込まれるような肌触り。

大垣しかり、静岡しかり、よい水があるところにはよいサウナがあるって言われているのは本当なんだなというのを身をもって体験しました。


ととのう率No.1! サウナ室から横浜の夜景を一望!

友野一希選手のおすすめサウナ「スカイスパ横浜」

いつも飛ぶ感覚があって毎回気絶するように入眠。

あとは横浜に行ったら必ず行くのが「スカイスパYOKOHAMA」
「一番ととのう場所はどこですか」って聞かれたら秒で「ここ!」って答えるくらい、いつも飛ぶ感覚があって。なんかやばい話みたいになってますけど(笑)。
湿度も高めに管理されているし、サウナと水風呂の温度のバランスも絶妙で、ととのう条件が揃っているっていったらいいんかな。
ほんとに毎回気絶するように寝ちゃって、気づいたら30分くらい経ってた……って感じ。
アウフグース(ロウリュで発生した蒸気をタオルであおぎ熱風を送ること)のレベルも随一で、なんとアウフグースの世界チャンピオンを決める世界大会の予選会場にもなっているほど。
ここも木の香りがいいし、14階の高さにあるサウナ室からきれいな夜景が見えてリラックス効果抜群。大好きすぎてスケーター仲間ともめっちゃ行ってます。

おすすめサウナセレクション:大自然編


滝×サウナ! 大自然でテントサウナを満喫!

友野一希選手のおすすめテントサウナ「飛雪の滝キャンプ場」

水風呂代わりの滝つぼまで猛ダッシュ! 大自然の中でととのう気持ちよさ!

大自然の中で思う存分サウナが楽しめる、最近話題の「テントサウナ」。ずっと行ってみたくて最近ようやく叶いました。
訪れたのは三重県南牟婁郡にある「飛雪の滝キャンプ場」キャンプ場内にサウナがあり、そのすぐ目の前が滝、という最高のロケーション。

専用テントの中にはセルフロウリュもできる本格的なサウナが用意されていて、しっかり温まって汗をかいたら、一目散に駆け出して冷たい滝つぼにダイブ! そのまま滝に打たれながらクールダウンしたら、あとはリクライニングチェアで滝の音を聞きながら外気浴っていう圧倒的な開放感。

テントサウナは水着で入るので友達とも気軽に行けるし、プライベートな空間なので、知らない人と一緒に入る一般的なサウナに抵抗がある人にもおすすめ。
こちらで大自然でととのうよさを知ってしまったので、今後は全国のこういったサウナをいろいろ攻めてみたいです。そうだ、最近はキャンプにも興味があるので、いつかサウナと一緒にできたら最高だろうなあ……。

2回にわたってお届けしたサウナ語り。
以前はおっちゃんがやるものみたいなイメージがあったかもしれませんが、最近は女性でも入りやすいおしゃれなサウナが増えてますし、僕のおすすめの「神戸サウナ」にはレディーススパもあるので、ぜひ一度体験してもらえたらうれしいです。

初戦のげんさんサマーカップを迎えるまで

楽しかった「THE ICE」が終わってすぐ、翌日からチーム合宿で盛岡へ。アイスショーから競技へと気持ちを切り替え、10日後に迫った初戦に向けてハードな練習を乗り越えました。
とはいえ合宿中は全体での練習がメインになるので、競技プログラムを通しで練習できたのは1日1回ほど。初戦のげんさんサマーカップ(以下、サマーカップ)では、その練習不足が出てしまい反省しています。

それから靴の問題も。
ここ1か月ほど新しい靴を試してきましたが、自分の中で試合のクオリティまでもっていくことができなかった。ショー、合宿中もジャンプの不安があり、直前まで悩んだ結果、
サマーカップの5日前に靴を戻すことを決めました。ギリギリの決断は僕にとって賭けでもありましたが、そこからなんとかジャンプの調子を戻して挑んだのがサマーカップでした。

収穫の多かったサマーカップ

結果は2位と優勝を逃し、悔しい気持ちがありますが、とても収穫の多い大会となりました。

というのも実はここ1か月くらいトーループの感覚がよくなくてずっと苦戦していたんです。だけど試合の中で跳ぶうちに、だんだんとそれが戻ってくる感覚があって。ミスもありましたが、自分らしいジャンプを取り戻すきっかけになりました。

それから山本草太選手の存在も大きかったですね。前にも話したように
(vol.5参照)、今シーズンは草太を意識して戦うことになるだろうとは思っていましたが、やっぱり想像してた通りの仕上がり具合で。シニア合宿でもよい練習が積めているというのを見ていたし、僕もちゃんと切り替えてやってかないと置いてかれるなって。だから今は草太の演技を見てすごく燃えているんです。


試合の感想はというと、「ああこれがサマーカップだな」というのを感じました。僕は毎年ここでスイッチが入って、エンジンをかけていくというのがあったので。逆にサマーカップの結果がよかったら心配されるような気もします(笑)。
だから自分がスロースターターだというのは自覚していますが、それは僕の弱点でもある。今シーズンはそんな自分をたたき直して、次は260、270点台にのせられるように。

あとは試合ごとの振れ幅が大きすぎるのも悪いところなので、どんなときもいい演技ができるのが普通になるよう、基準を上げていくことが必要だとわかりました。

正直に言うと、ハードスケジュールで調整もうまくいかず、一時は出るかどうか迷っていたのですが、出場してよかったと心から思えた試合でした。

今回の感想は、「やっぱ草太すげえ」

サマーカップの翌日には、草太と(山隈)太一朗とサウナに行ってつかの間のリフレッシュ。そしてすぐにまた合宿が始まって、ちょうど昨日帰ってきたところです。

合宿では4回転ジャンプの確率を上げるための練習がメイン。とにかく跳んで跳んで跳びまくろうってのが8月9月の作戦です。そうやって4回転に対する不安がなくなれば、自ずとプログラムのクオリティを上げていけるんじゃないかなと考えています。

今はまだこなすだけで精一杯ですが、草太はもうプログラムの完成度を上げていく段階だった。サマーカップでは国際試合でもトップレベルに入るような点数でしたし、ずっと僕が追ってきた山本草太が帰ってきたなって思いました! 

ああなんか僕、草太のことばっかり話してますね(笑)。 本当に今シーズンは草太と戦えるのが楽しみなんです。勝手に意識してるだけですけど。

身近に追いかける背中があって、刺激を受けて。とにかく今はとても充実した日々を送れています! 次の試合はほぼ決まってはいますが調整中。近畿選手権にも出場することになるかと思いますので、それまで一歩一歩練習を積んでいきます。

語り/友野一希 企画・構成/轟木愛美

Profile

友野一希友野一希選手のインスタグラム 友野一希選手のTwitter

フィギュアスケート選手

 

1998年5月15日生まれ、大阪府堺市出身。上野芝スケートクラブ所属。

趣味は古着屋巡り、サウナ。
“浪速のエンターテイナー”の異名をもつ、表現力豊かな唯一無二のスケーター。
層の厚い日本男子の中で、地道に積み重ねてきた努力が先シーズン開花。四大陸選手権2位、世界選手権では世界歴代6位の記録でショート3位につける大躍進を遂げ、今後ますますの活躍が期待される選手。
▶詳しいプロフィール&これまでの活躍はこちら



  Interview  

Kazuki Tomono

フィギュアスケーター

1998年5月15日生まれ、大阪府堺市出身。
2026年のミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックを目指す男子シングル日本代表。感情をスケートにのせ、観客の心まで躍らせるHappyな演技で世界を熱狂させる愛されスケーター。
古着、サウナ、インテリアショップ巡りなど多彩な趣味をもつ26歳。実直な人柄、好きなことに対する探究心など、近年は競技以外で見せる魅力にも注目が集まる。
表現の名手であり、オフシーズンはアイスショーに引っ張りだこ。各ショーの特性に合わせた多彩なパフォーマンスでエンターテイナーぶりを発揮している。
新シーズンは「競技者としてより高みへ」をテーマに練習に励む日々。今季のフリープログラムは『Butterfly』。さなぎが蝶へと変化するように、彼もまた、圧倒的変化を求め日々成長中。その美しき進化に出会える日はもうすぐそこだ。

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