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No.049 えむのブログ

No.049 えむ

No.049 えむ

大学4年生/奈良県出身

身長:165cm
推し:最推しは櫻井ももちゃん(≠ME)。マンガ、小説、アイドル、ミュージカルなど多方向に好き好きビーム放出中♡

二次元の海に溺れつつ、美術館やカフェによく出没する多趣味人間です。日々溢れる“好きときめき”を共有したいです!

【読書の秋】眠れない夜はアンソロジーを片手に。さくっと読めてしっとり味わうおすすめの4冊

【読書の秋】眠れない夜はアンソロジーを片手に。さくっと読めてしっとり味わうおすすめの4冊_1_1
 non-no大学生エディターズ、9月のお題記事は「『◯◯の秋』始めました!」。〇〇の秋と聞いて、みなさんが一番に思い浮かべるのは何ですか? 幼い頃から今もなお、自他ともに認める“本の虫”である私にとって、秋は「読書の秋」一択。夏が過ぎ日が沈む時間が早くなり、長く感じるようになった夜はどっぷり物語に浸かるのが至福のひととき。

 今回は私のおすすめのアンソロジーを4冊ご紹介します。アンソロジーの魅力は一冊にいくつもの短編がぎゅっと詰まっているところ。一編をさくっと短い時間で読破できるので、読書がちょっぴり苦手なあなたの入門の一冊にも、新しくお気に入りの作家さんと出会いたいあなたの冒険の一冊にもおすすめ!

ひとつ屋根の下、めくりめく感情 ー『この部屋で君と』

【読書の秋】眠れない夜はアンソロジーを片手に。さくっと読めてしっとり味わうおすすめの4冊_1_2
新潮文庫nex『この部屋で君と』/朝井リョウ,飛鳥井千砂,越谷オサム,坂木司,徳永圭,似鳥鶏,三上延,吉川トリコ
 腐れ縁の恋人たち、似た趣味をもつ女の子同士、出張先の先輩と後輩、勝手に住みついた妖怪……ひとつ屋根の下で繰り広げられる「同居」がテーマのアンソロジー、『この部屋で君と』。豪華な8人の作家さんが集結した一冊で、比較的軽やかな文体でポップに楽しめるのが特徴です。くすっと笑えるシーンが登場したりとさくっと読み進められる一方で、描き出される登場人物の心情がリアルに迫ってくる余韻の深さがあります。誰かと一緒に暮らすことの楽しさ、素晴らしさ、難しさ、奇妙さを8通りまるっと味わって。

 そして私がこの本を推す理由のひとつが、素敵な装丁にあります。ポップで惹かれる表紙に、中にはなんと、各編に登場するお部屋の間取り図が……!ぱらぱらと 眺めているだけでワクワクできるイチオシの一冊。

ときに甘く、ほろ苦く。大人が正直になるためのひとつの答え ー 『もう一杯、飲む?』

【読書の秋】眠れない夜はアンソロジーを片手に。さくっと読めてしっとり味わうおすすめの4冊_1_3
新潮文庫『もう一杯、飲む?』/角田光代,島本理生,燃え殻,朝倉かすみ,ラズウェル細木,小泉武夫,岸本佐知子,北村薫
 「お酒」がテーマの一冊、『もう一杯、飲む?』では、小説にエッセイと9人の作家さんによる珠玉の一編がちびちびと味わえる。お酒を嗜むようになり、「酔い」を覚えた年齢だからこそしっとりと染み渡る一冊です。秋の夜にぴったり。

 個人的には、島本理生さんの『その指で』が大好きでした。大人の色気を漂わせた男の人が登場するんですけど、彼があまりにも魅力たっぷりで終始キュンキュンときめきが収まりませんでした……。これを機に、島本理生さんの他の小説も読んでみようと決心したほど。

トリックが最初から判明してるなんてアリ? 新感覚ミステリ ー『鍵のかかった部屋 5つの密室』

【読書の秋】眠れない夜はアンソロジーを片手に。さくっと読めてしっとり味わうおすすめの4冊_1_4
新潮文庫nex『鍵のかかった部屋 5つの密室』/似鳥鶏,友井羊,彩瀬まる,芦沢央,島田荘司
 「密室がある。糸を使って外から鍵を閉めたのだ。」
 『鍵のかかった部屋 5つの密室』は5人の作家さんによる「密室」アンソロジーなのですが、なんと肝心の密室トリックが明かされた状態で始まるのです。鍵と糸による全く同じトリックを用いた、5つの異なるストーリー。それぞれの作家さんの独特なアプローチをダイレクトに感じることのできる斬新な1冊です。

 似鳥鶏さんはどんなテーマにおいてもチャーミングでコミカルな愛嬌のあるお話を書かれるなというのと、島田荘司さんの『世界にただひとりのサンタクロース』はかなり重厚な読み応えのある一編だなというのが私の感想。ミステリを普段読まない方でも、楽しめるはず。

食事をする、生き物だから。誰かと食卓を囲む、人間だから。ー 『あなたとなら食べてもいい』

【読書の秋】眠れない夜はアンソロジーを片手に。さくっと読めてしっとり味わうおすすめの4冊_1_5
新潮文庫nex『あなたとなら食べてもいい』/千早茜,遠藤彩見,田中兆子,神田茜,深沢潮,柚木麻子,町田そのこ
 「食」をめぐる風景が登場するアンソロジー『あなたとなら食べてもいい』。今活躍されている錚々たる作家陣が名を連ねており、手に取った私の第一印象は「わ、豪華だな……!」でした。「食」がテーマではありますが、いわゆるグルメ小説とはまた違ったアプローチ。「食べる」という生き物に普遍的な行為を通して「生きること」「誰かと食べること」といった人間の深淵に迫る物語がぎゅっと詰まっています。

 心に訴えかけてくるような作品の数々が印象的。特に、田中兆子さんの『居酒屋むじな』が私のお気に入りでした。少しクセのある語り口調と、しんみりとした余韻を残す物語がぐっときて、ほろっと切なくあたたかい涙が溢れます。

眠れない夜はアンソロジーを片手に

 アンソロジーはいろんな作家さんのさまざまなジャンルの物語を贅沢に楽しめる、まさに物語の宝石箱。秋の長い夜のお供はアンソロジーで決まり。お気に入りの物語、お気に入りの一冊、お気に入りの作家さんを探す旅に出よう。現実では体験できない多くのものをもたらしてくれる小説は、私たちをきっと豊かにしてくれる。

 私も、今年の秋もしっかり「読書の秋」を満喫して特別な1冊を見つけようと思います♡

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