動画撮影も採用試験に。学生さんの熱量が伝わってきてうれしい
コロナ禍の採用で松竹が大きく変えたのは、最初のESと適性検査にプラスして、1分間の動画を撮って送ってもらうことです。直接お会いできる機会が減ってしまったので、23卒の採用で初めて導入しました。ESも動画も複数名の社員で見ることによって、偏りなく選考するようにしています。動画では、その人自身のまとっている雰囲気が伝わってくるので、ESだけでは見えなかったところも含め、〇・五次面接ぐらいの感覚で拝見していました。面接官も事前に動画を見て、どういう人柄なのかを知った上で臨めるので、コミュニケーションがより円滑になったという手ごたえもありました。学生さんにとっては負担になるので、悩ましかったのですが、「動画を送ってでも松竹に」という熱量を持った人たちが応募してくれたので、その点もよかったかなと思ってます。
面接は、オンラインで一次から三次まで行い、最終は対面。コロナ禍でも、学生さんに不安なく面接に参加してほしかったので、”接続トラブルは評価に関係ありません”としっかり伝えたりなどの事前フォローは丁寧にやりました。あと、こちら側もオンラインになって、学生さんの背景によって印象が変わってしまうなど不可抗力で変なバイアスがかかってしまわないように面接官の価値観のアップデートを行いました。
模範解答のカンペを作るより、自分の言葉で誠実に答えてほしい
見るポイントはあまり変わってはいませんが、パソコンの前に原稿を置いて読んでるのかな?と思うような学生さんもいたりするので、お互い表情を見ながらコミュニケーションをとってほしいなと思います。用意したものを読もうとすると、やりとりに齟齬があったり、質問にうまく答えられなかったりするので、対面と同じような準備をしてほしいです。
それから、テンプレや模範解答のような話も印象に残りづらいです。内容自体は決して間違いではないのですが、よくあるエピソードで終わってしまって、せっかくの個性が見えづらくなってしまいます。自分の言葉で話しているなと伝わってくる方だと、いろいろ質問をしても、納得感のある答えが返ってきますし、私ももっとお話ししたいと感じます。エピソードの大小は関係なくて、その人自身が出来事をどう捉えて、どう行動を起こしたかが知りたい。“こういうことができたなら、一緒に新しいことができそうだな”と、働くビジョンを見せてくれる話があるといいですね。
コロナ禍のせいなのか、”話すことがない”と採用の場で自信のない学生が増えた気がするんです。何もしてない人って、多分いない。制約のあるなかで、小さなことでも日々何かを乗り越えていると思うので、丁寧に自分と向き合ってほしいです。自己分析の結果、どうして松竹がいいのか、松竹で何をしたいのかを語ることができれば問題ないと思っています。
あとは、面接で予想外の質問がきた時に、適当に勢いで答えるのではなく、たとえば「少し考えてもいいですか」や、「先ほどこう言ってしまったんですけど、やっぱりこう思います」など、熟考したり、訂正したりしても全然いいんです。自分の言葉で誠実に答えようとする姿勢からは、個性や信頼できる人柄が伝わってくる。面接の場でそういう学生さんに出会うと、一緒に働きたいなって思います。