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【モーニング娘。'22】加賀楓卒業記念インタビュー後編 ダンスからひもとくグループの魅力、後輩メンバーへの思い

【モーニング娘。'22】アイドルの活動を通して新しく生まれた“ダンスを突き詰めたい”という強い気持ち【加賀楓】

モーニング娘。’22加賀楓⑤

2022年12月10日(土)に日本武道館にて開催されるモーニング娘。'22コンサートツアー最終公演をもってグループおよびハロー!プロジェクトから卒業する加賀楓さんをクローズアップ。クールな魅力が引き立つ撮り下ろし写真と、ダンス愛を詰め込んだインタビューをお届けします。後編ではダンスという切り口でメンバーのパフォーマンスを分析。後輩メンバーへの思いや自身の転機につながるようなエピソードについても語ってもらいました。

個性豊かなモーニング娘。‘22メンバーそれぞれの“ダンス”の魅力

モーニング娘。’22加賀楓⑥

―― ではここからモーニング娘。‘22メンバーそれぞれに、是非“ダンス”という視点からコメントやメッセージをいただければと思います。

はい! では先輩から順にいきますね。譜久村(聖)さんは歌もそうなんですけど、芯にある柔らかさが魅力的なイメージ。ダンスってゆっくりした動きほど体幹が必要とされたりするので、そういう曲がすごく似合いますよね。具体的に言うと『MY VISION』でダンスメンバーとして踊っていた時の譜久村さんがすごく好きなんです。今この曲では歌メンバーになってしまったので、もうダンスしている姿を見ることはないかもしれないんですけど、MVでは見られるのでnon-no web読者の皆さんにもチェックしてもらいたいですね

生田(衣梨奈)さんはアクロバットができるというのもあり、上下の激しい動きはグループの中でも一番得意だと思います。モーニング娘。の楽曲ではあまりフロアを使ったダンスはないんですけど、『弩級のゴーサイン』では床に手をつくところがあるので、そこの生田さんを見てほしいですね。あとちょっとマニアックな話になるんですけど、『モーニング娘。'19コンサートツアー春 ~BEST WISHES!』のメドレーで一瞬しゃがむ振りがあるんですけど、そのシーンもすごくカッコよかったです。膝を使って上下にいく動きって足腰が強くないとキマらないので、女性でカッコよくできる人ってあまりいないんですよ

石田(亜佑美)さんは今のモーニング娘。において生粋のパワーダンサーですよね。しなやかで女性らしい曲線を生かしたダンスもすごく上手ですけど、元々チアダンスをやっていたのもあって、手足の力を瞬時に出せるのが石田さんならではの個性だと思います。その強さが出るようなヒップホップっぽい曲をもっと見てみたいです。あとリズムの捉え方が鞘師さんと同じで体の内側にあるので、そこも素敵だなと思って見ています

小田(さくら)さんはとにかく全てが、モーニング娘。でできているような人ですよね。常に16ビートを刻んでいて、足でリズムをとるタイプなので、テンポの速い曲がすごく似合います。『ここにいるぜぇ!』とかはまさにそう。速い曲ってリズムに乗れないと本当にかっこ悪く見えてしまうので、そういう曲ほど小田さんのダンスがより魅力的に見えると思います

野中(美希)さんは今、筋トレを頑張っていてインナーマッスルがすごいんですよ。しなやかだけど譜久村さんとはまたちょっと違った感じで、体の内側で動きを止められるイメージというか。この動きは私も最近できるようになったばかりなんですけど、見た目以上に難しいんです。言い方はあまり素敵じゃないんですけど、“地味に筋肉が必要なダンス”ってとりあえず呼ぶことにします(笑)。そしてこのジャンルにおいて野中さんは今、トップレベルに上手だと思います

―― “地味に筋肉が必要なダンス”についてもう少し具体的に教えてもらえますか?

はい。モーニング娘。の楽曲だと『青春小僧が泣いている』のイントロのパンチをする振り付けがまさにそうなんですけど、あれってパンチじゃなくてダンス用語でいう「ヒット」なんですよ。重要なのは肩なんですけど、野中さんはそれを簡単にやっているイメージ。上半身を一定の位置で止めたりするのもそうで、実は筋肉が必要で結構難しいんですけど、そういうのも上手だと思います。ハロー!プロジェクトってダンスに関してはある意味応用編から入ってしまうので、こうやって基礎が必要とされるものほど難しいと感じる子が多いと思うんですよね

―― デビュー後は活動のためにたくさん覚えることがあるので、ゆっくり基礎に向き合う時間はあまりなさそうですよね。

そうですね。でもハロー!プロジェクトってとにかくいろんな先生のやっていることを見よう見まねで習得することが求められるので、コピー能力がすごく鍛えられるんですよ。それはまた一つの個性だし、独特でもあるけどおもしろさや魅力だなとも思います。

次は牧野(真莉愛)さんですね。元々バレエをやっていた人なので、手や足の先まで意識の届け方が丁寧できれいだなと思います。姿勢のよさもバレエをやっていた人っていう感じですぐ分かるし、きれいですよね。バレエってすべてのダンスの元にあるぐらい重要なジャンルだと思うので、私もやっていたらよかったな、と思います。牧野さんとは本当にタイプや踊り方は全然違うと思うんですけど、曲中では最近結構シンメになることが多くて、ファンの人からも『よかったよ!』と言ってもらえるのでそういうのもうれしいです。

羽賀(朱音)さんは曲に合わせて、その曲に一番合う踊り方ができる器用な人。『ピョコピョコ ウルトラ』と『KOKORO&KARADA』を見比べてもらったりするとすごく分かりやすいんですけど、本当に全然違うんですよ。でもあくまで自然体なのがまたすごいというか。それは曲を本当によく聴いて理解しているからこそできることだなっていつも感心しています。

横山(玲奈)も羽賀さんと同じように器用なんですけど、元々ジャズダンスをやっていた子なので、またちょっと印象が違います。鞘師さんや石田さんと同じように内側でリズムを感じて表現できるし、逆に縦に分かりやすくリズムを刻むこともできる。そういう器用さがあるんですよね。あと横山は身長が高くないんですけど、だからこそフォーメーションダンスでは立ち位置に合わせた見せ方の調整を細かくしていて、そういうアイドルならではのスキルもちゃんと磨いているのがすごいなと思います

このまま成長してほしい、将来有望な後輩メンバーたち

モーニング娘。’22加賀楓⑦

―― ここからは後輩にあたるメンバーですね。

はい。北川(莉央)はもう今のままでいてほしいです。着実に努力をする子なんですよね。加入してきた当初はジャンプもスキップもできなくて本当に衝撃を受けましたが、とにかく日々進化している子なので、この取材が終わって記事が公開されるタイミングではまた変わっていると思います。歌っている時に首から髪の毛を触るクセは直して!ということだけはいつも注意していますが……表現がワンパターンになっちゃうのでもったいないよ!って。でも北川って本当におもしろいんですよね。『スキップやって』って言われるとできないけど、本番でかっこよくパフォーマンスするように意識の持っていき方を変えると、普通にできちゃうみたいな。それはもう才能ですよね。

(岡村)ほまれは、とにかく手足が長いのでダンスが本当に映えます。とくにここ1年ぐらいで自信がついたのか、パフォーマンスがより輝いていますよね。本人は自覚しているか分からないですけど。オーラがすごくあるんですよ。本人は未経験でモーニング娘。に入ったのでダンスに対しては苦手意識を持っているみたいなんですけど、本当にそんな必要はないよ!って思います。楽しむほどもっと輝くタイプだからこそ、今のままでいてほしいです。昔のほまれも好きだけど、今のほまれは本当に最高です。

(山﨑)愛生ちゃんは同期の北川とほまれとはまったく違うタイプで、ダンスを見たまま踊れるような子。二人が先生に「もう一回見せてください!」って言っている横で「分かりました〜」と言ってできちゃう子というか

―― 加賀さんと同じ能力の持ち主ということですね。

そうですね。動きを見て、分析して、それをすぐ自分に落とし込めるという部分は似ていると思います。あと愛生といえばアイドルっぽいルックスも強みですよね。最初はすごい偏食家だし、先輩メンバーたちも心配して「栄養ちゃんととりなさい!」って口うるさく言ってたんですけど、細いのは体質ということが分かって安心しました(笑)。彼女だからこそ似合う衣装みたいなものもあるし、自分の個性を突き詰めてもっともっと輝いて欲しいなと思います。

櫻井(梨央)は本当にとにかく、毎日努力を怠ることなく頑張っているので、そのまま自分に厳しく頑張り続けてほしいです。本番前まで映像をずっと見て確認していますし、すごいなって思います。あと櫻井は自分が間違ったことを受け入れるのが早いんですよ。だから努力できるのかなって。先輩ばかりの環境はつらいことも多いと思いますけど、成長できる速度も速いと思うので、このまま頑張ってほしいです。入ってきたばかりの時はなかなか目が合わなかったんですけど、最近はちょっと合うようになってきて成長も感じます。慣れが変な方向にいくのはよくないですけど、彼女にそんな心配は必要ないかなと思いますね

―― ダンスからひもとく今のモーニング娘。の魅力、ますます興味深いです。加賀さんがダンスという視点でオススメしたいモーニング娘。の楽曲はありますか?

『花が咲く 太陽浴びて』ですね。これはたしか1回しかツアーでやっていなくて、あまりコンサートで披露したことがない曲なんですけど、見れば見るほどおもしろい振り付けなんです。自分もそうですし、グループ全体のスキルも当時より上がっているので、今のメンバーでやったらすごいものをお見せできるんじゃないかなと思います。曲調は落ち着いていてすごく盛り上がるタイプではないけれども、だからこそ魅せていけるんじゃないかなって。でも私も実は最近までこの曲の存在をちょっと忘れていたんですよね(笑)。改めて見たらダンスの仕組みがすごく凝っていて、この魅力をちゃんと理解したうえでパフォーマンスしたかったなって思いました

―― では加賀さんが“自分のダンス”に注目してほしいと思う楽曲はありますか?

今パッと思い浮かんだのは『KOKORO&KARADA』です。元々得意なジャンルというのもあるんですけど、最初に振り入れした時にすごく楽しかったんです。研修生の頃からお世話になっている先生の振り付けなので、どういう風に踊ればかっこよく見えるかというのが自分に染み付いている部分もあったと思います。だからこそ欲を言えば、他のメンバーにここをこうしたほうがいい!と言いたいところもあるんですけど、それをやってしまうと今頑張って追求している個々の個性がなくなっちゃうので、ひたすら自分で実践しています(笑)

―― 自分で振付してみたいと思うことはありますか? 具体的に思う楽曲もあれば知りたいです。

あります、振付するのは好きですね。具体的にしてみたいなと思ったことがあるのは『よしよししてほしいの』です。ちょうどこの時期、振付の分析にすごくハマっていたんですよ。レコーディングの段階ではまだ振りがついていなくて、想像し放題だったというのもあります。今の振付もすごく好きなんですけど、もし自分で振りを作るなら音がすごくきれいな曲なので、それを活かした感じにしてみたいですね。さっきのダンスの基礎みたいな話だったり、今のメンバーでやりたい楽曲の話もそうなんですけど、私は後から『あぁ、これを知っていたらもっとこうしたかった!』と思うことが多いんですよ

※インタビューは11月前半に実施。その後、加賀さんが既存のモーニング娘。楽曲に新しく振付をした動画が公式YouTubeにアップされました。

―― 突き詰めていきたいタイプだからこそ、どんどん深くなっていくということですよね。

はい。なのでやっぱりダンスに関してももっと基礎からやりたい、いろんなジャンルをやってみたいという思いがどんどん強くなっていきました。最近改めてハロー!プロジェクトのダンスの先生のすごさを感じます。ハロプロっていろんなジャンルのダンスを詰め込んだ振りが多いのですが、そういうのを知らない子でもダンスが上手に見えるようにしてくださるんですよ。でも先生としてはもっともっとこうしたい、という部分も絶対にあると思うので、私はそこに応えられるようになりたいなって

ハロプロ以外のアーティストからの刺激、アイドルの経験あってこその気づき、そして未来

モーニング娘。’22加賀楓⑧

―― “ハロプロダンス部”の活動も刺激になったのではないでしょうか。

はい。今私はロックダンスというジャンルにもっと挑戦したいなと思っているんですけど、それは『ハロプロダンス学園』でDA PUMPのKENZOさんに教えてもらったことが大きいです。ロックダンスには裏拍があると教えてもらってすごく感動しました。カッコよく踊るためにはやっぱり基礎が大事だなと改めてそこでも思いました

―― ダンスを極めたいという思いにハロプロのアイドルとしての経験が大きく関係しているのが、また加賀さんにしかない魅力やおもしろさだと思いますが。

そうですね。ダンスしかやっていなかったら声はあまり使わないので表現の方法も全然違うと思いますし、出会う先生も違ったかもしれないですよね。でもなんとなくでいいよ、とはならないのがハロプロならではだと思います。とにかく上へ上へと行きたがるというか(笑)

―― (笑)。向上心があるということですよね。

そうです! 必ずしもアイドルにとって完璧な歌やダンスは必要ないかもしれませんが、ハロプロはそこにすごく情熱があるんです。だから私もダンスだけじゃなく、歌もうまくなりたいって思いましたし

―― 歌に関してのお話も聞きたいです。

歌うことは昔から嫌いじゃなかったんですよ。得意でもないんですけど(笑)。最近割と歌が安定してきてよくなったと言っていただくことがあるのですが、それはK-POPの影響かなと自分では思います。地声を張るより、息を吐きながら軽く歌うスタイルがあるんだということを知って、自分でも取り入れてみようと思ったらそれがしっくりきました。あとはとにかく喉の使い方を研究しましたね。声質はなかなか変えられないので、ならば喉を使うテクニックが自分には必要なんだなって。その面ですごく影響を受けたのはNissy(西島隆弘)さん。滑るように喉を動かせる方なんですけど、すごくかっこいいなと思って頑張って真似しながら練習しました

―― どちらかと言えばカッコいい、クールな印象の加賀さんですがアイドルという活動で難しかったことはありますか?

カッコいい感じのものは自然にできるけど、可愛い感じのものは頑張ってやるという意識だったんです、昔は。でも例えば『ピョコピョコ ウルトラ』みたいな可愛い曲も好きなんですよね。可愛いからではなく、楽曲として好きというか。実際振りも結構難しいステップですし。だから何事に対してもまず先入観は捨てて、純粋に好きという気持ちを素直に出せばいいじゃん、という結論にやっと最近辿り着けたんです。これは一つの例えですけど、そうやって音楽を楽しむことの大切さは活動期間を通して学びました。歌にもダンスにも自分の意思をちゃんと乗せるということの大切さにも、最近改めて気づけましたし

―― そんな気づきに至るきっかけとなったような出来事も具体的にあれば教えてください。

なんでも疑問から始まり、それを研究していくので、いろんな点と点が繋がっていった感じです。でもやっぱりK-POPから受けた影響は結構ありますね。ダンスの練習動画を見て、フォーメーションや振りが気になって調べていったらあるメンバーが気になり、その人のルーツを調べて行ったらまた別の部分に辿り着いたり。日本人だとアイドル以外のアーティストをすごく研究していました。気になったことはとにかく研究せずにいられない性格なので、対象は常に変わっていきます。あとは現場で得たものもやっぱり大きいですね。ファンの方の盛り上がりは常にめちゃくちゃチェックしてました。でも私だけではなく、モーニング娘。のメンバーって全員がすごくグループや活動に対して真剣に向き合っているので、そういうことも含めて結構話をよくするんですよ。これから自分たちがもっと有名になっていくためには、みたいな熱い会話を先輩後輩関係なくみんなで共有しています

―― ファンの皆さんとの思い出もお聞きしたいです。

私のファンの方ってちょっと独特でおもしろいんですよね(笑)。加賀温泉郷観光大使をさせていただいていたので、そのイベントなどはすごく印象に残っています。皆さん私を見つけるとハッとしてくれるんですけど、すぐにスッと引いちゃうんですよ! だからお互いに『すみません……』みたいな不思議な空気感になっちゃって(笑)。長年ファンでいてくださる方ほど、私が現れると逃げて行っちゃうんですよね。応援してくださる気持ちはすごく伝わってきているので、逃げないでって思います(笑)

―― 最後に、そんなファンの皆さんが卒業後、加賀さんの姿を見られるチャンスはありそうですか?

今は本当にまだ何も決まっていないので確実なことは言えないんですけど、何かしらダンスや歌をお届けできるようなコミュニケーションは取れたらいいなとは思っています。でもせっかくお見せするならいいものを作りたいので、一旦勉強する時間を私にください!という感じです。もっと素敵になって帰ってきたいとは思っています

Profile

●かが かえで

1999年11月30日生まれ、東京都出身。2012年にオーディションを経てハロプロ研修生になり、2016年12月に13期メンバーとしてモーニング娘。に加入。愛称はかえでぃー。メンバーカラーはイタリアンレッド。特技はダンスでモーニング娘。公式TikTok(@morningmusume_uf)に投稿される、ダンスもたびたび話題に。名字が「加賀」ということをきっかけにSNSで盛り上がったファンの声の後押しから、「加賀温泉郷観光大使」に就任。加賀温泉郷のPRを務めるなど、活動の幅は多岐にわたる。

ジャケット¥121000・スカート¥88000/THÉ PR(ティート トウキョウ) ピアス¥22000・シルバーリング¥33000・ストーンリング¥29700/warmth ルミネ新宿店(ルフェール) 靴¥15900/CHARLES & KEITH JAPAN(CHARLES & KEITH)

Information

モーニング娘。'22  『Swing Swing Paradise / Happy birthday to Me!』

モーニング娘。'22

『Swing Swing Paradise / Happy birthday to Me!』

通算72枚目となるモーニング娘。'22の両A面シングル『Swing Swing Paradise / Happy birthday to Me!』が2022年12月21日にリリース決定。16期メンバー櫻井梨央が加入して初の作品であり、加賀楓にとってはラストシングルとなる。両曲ともつんく♂が作詞・作曲を手がけた。

モーニング娘。’22『Happy birthday to Me!』Promotion Edit

モーニング娘。’18『花が咲く 太陽浴びて』MV。加賀さんがグループとしてのダンスの魅力が伝わる曲としてインタビュー中で推薦。

  前編はこちら! 

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