友野一希「トモノのモノ語り。」
友野一希インタビュー。オリンピックを目指した「人生の中で一番大切な時間」を経て、皆さんと目指す夢の続き”。新プログラムに込めた思い
2026.07.09
non-no web連載「トモノのモノ語り。」でおなじみのフィギュアスケーター、友野一希さん。
オリンピックシーズンに競技へ集中するため、3年近く続いた連載を一時休載してから1年4か月。大きな目標に向かって走り続けた日々を経て、久しぶりにnon-no webのインタビューに登場してくれました。
友野さんにとって、この約1年半はどんな時間だったのか。現役続行を決めた今、目指す場所とは。そして、新しいプログラムとともに、どんな思いで2026-2027シーズンに向かおうとしているのか。休載前に残してくれた言葉の続きをたどるように、競技者・友野一希の現在地をたっぷり伺いました。その時間を象徴するスケート靴を抱えた撮り下ろしカットとともにお届けします。

これから、アスリートとして、そして一人の人間として、間違いなく人生の中で一番大切な時間を送ることになると思います。読者の皆さんには僕のそういった姿を見てもらえたらと思いますし、成長していく過程を見守っていただけたら
――『トモノのモノ語り。』vol.43(2025.03.18)
オリンピックだけを見て走り切った、後悔のない1年半
――久しぶりのnon-no web登場となりますね。約1年半前、連載休止前の最後の回で「人生の中で一番大切な時間を送る」と語っていました。実際に過ごしてみて、今どんな時間だったと感じていますか。
もうめちゃくちゃ楽しかったです。
全力で一つのことに向き合い、オリンピックという目標だけを見つめて走り続けた1年半でした。
連載やアイスショーをお休みして、いろいろなものを削り、すべてを注いだ時間。始まる前は、目標に全力でぶつかって「青春したい」と思っていたんですけど、振り返ってみると、本当にあの時間は青春そのものだったなと思います。
その中で、競技者としての自分をさらに好きになれた1年半でもありました。自分がどれだけ本気でスケートに取り組めるかを知ることができた。「あ、俺ってこんなに本気になれるんだ」って実感できたんです。
正直、悔しい試合も多かったですし、結果に結びつかない部分もありました。でも思い返してみると、頑張っていなかった瞬間が本当になくて。清々しいくらい後悔のない日々だったと思います。

――オリンピックという一点だけを見据えて駆け抜けた日々だったんですね。全日本選手権のキス・アンド・クライでは毎年、直筆の目標を掲げられていますが、そこで友野さんが書いたのは「オリンピック」の一言でした。目指す場所そのものをまっすぐに掲げた、潔い言葉だったように感じます。
そうやって、自分の気持ちをまっすぐ書くようにしていました。
シーズンを通して、いつも「かっこいいと思える自分でいよう」と心がけていたので。その覚悟や、真剣に向き合っている気持ちを、素直に全部書こう、言い切ろうって。そう心の底から思っていたので、気持ちよく「オリンピック」って書けましたね。無理してなかったし、書くことに何の躊躇もなかった。
それくらい迷いなく、目標に向かって走れていたんだと思います。ただ、やりたいことをちゃんと本気でやっただけかなって。
オリンピックを目指した1年半ともにした、一枚の色紙
そういえば、今の話をしていて一つ思い出したことがあります。実は先シーズン、ずっと毎日続けていた習慣があって。
シーズンが始まる前、金縁の色紙を用意して同じように「オリンピック」って書いて、それをずっと玄関のドアに貼ってたんです。1年半の間、毎日それを見て、「行ってきます」って言って家を出ていました。
目標を書くこと自体は、町田(樹)くんリスペクトで以前からやっていたんですけど、この「オリンピック」という目標に関しては「色紙だな」って思って。色紙に書いて貼ったのは初めてのことでした。
最初は、家に来た友人たちから「お〜、気合入ってるね〜」みたいに言われていたんですけど。これ以外にも、その都度目標を書いて足して……ということをずっと続けているうちに、友人たちにとってもその光景が当たり前になっていって。
その色紙を貼り始めた頃から見てくれていた(大島)光翔とか(木科)雄登とかからも、「なんか本当に行ける気がしてきた」って言われるようになって。自分自身も、「この時間が終わったらなんか無敵な気がするな」って思うようになっていったんです。

その色紙のことを思い出すと、今でも胸にくるものがあって。
……あれ、俺なんで泣いてるんだろう。自分でもびっくり。
これを貼った日のことも覚えていて。オリンピックシーズンに入る少し前。ちょっといい色紙を買いに行って、そこに「オリンピック」って書いたんです。
その後も「グランプリファイナル出場」とか「全日本選手権優勝」とか、ちょくちょく細かい目標を書いて追加して、貼っては剥がし、貼っては剥がして。だけど「オリンピック」だけは、ずっとそこにありました。
配達の方が来た時とか、めちゃくちゃ張り紙があるドアを開けるのは恥ずかしかったですけど、もうそこは胸を張ろうって。そのうち友達もそれを見て、「かっこいいよ」なんて言ってくれたりして。
それくらいの思いで、気持ち悪いくらい突き詰めてやってたから、今でもその1日1日が忘れられなくて。全日本が終わっていざ剥がすまでには時間がかかりましたね。
ずっとそこにあった色紙を剥がした日

剥がしたのは、年が明けて、四大陸選手権の前かな。「もう切り替えなきゃだめだな」って、思い切って剥がしたらその瞬間、心が空っぽになった感じがしました。
遊びに来た人たちも、元の真っ白な状態に戻ったドアを見て、「なんか寂しいな」って。
ただ剥がして終わりにはしたくなくて、剥がす時には写真もちゃんと撮りました。この日々を二度と忘れないように、今も部屋に飾ってるんです。一生大切にするつもりで。
見るたびに、その時の気持ちや過程を全部思い出すんですよ。
今の自分にとっては、どんなメダルや栄光にも代えがたいくらい大切なものなのかもしれません。
それだけ生活をかけていた感じもあったし、あの熱量で過ごした日々は、生涯忘れられないです。
こうやって話していても、自然と込み上げてくるものがありますね。意外と楽しかったんでしょうね、毎日。本当に楽しかったんだと思います。
全日本が終わった後も、いろんな方が声をかけてくださったり、他のコーチの方が見てくださって「頑張って」と言ってくださったりして。自分が本気で向き合ってきたことが、ちゃんと届いていたのかなって思うんです。
だからこそ、現役を続けるとなった以上、失望させたくないなって。ただ「続けます」ではなく、アスリートとして最後までやりきらないといけないなと、改めて思いました。
語りながら気づいた、何にも代えがたい1年半の宝物
だから、連載を休止してからの1年半が何だったのかと聞かれたら、その答えはすべてこの色紙に詰まっていると思います。
色紙の話をここまでしっかりしたのは初めてで。インタビューを受けてる時って、自分と対話している感じなんですけど、今こうして答えている中で、初めてこの答えに気づきました。こうして改めて話す時間があったからこそ、気づけたんだと思います。
間違いなく、なんの曇りもない100%の気持ちでオリンピックに向かって最後までやりきれた1年半。何にも代えがたい宝物になりました。
そう思うと、やっぱりあの色紙は、額縁に入れて大切に飾ろうと思います。今、そう決めました。
目指していた“すごみ”に触れて、スケートをさらに深める作業へ
――オリンピックシーズンに入る前、連載「トモノのモノ語り。」vol.40で「オリンピックでメダルを取ったスケーターには、何かを成し遂げた人だけがもつ独特のオーラを感じる」と話されていました。そんな「すごみのあるスケーターになりたい」という思いは、今も変わりませんか。
変わらないですね。今も一貫してそう思っています。
そしてこの1年半、結果に向かってひた走ってきたことで、その「すごみ」みたいなものに少し触れられた気がするんです。もちろん、まだまだ足りなかった部分もあるかもしれないですけど。
結果がすべてということではなく、難しいんですけど、そこに対してどう向き合ってきたかが演技に出て、それが「すごみ」になると思うんです。
ただ、わかりやすく何かを達成することは、その説得力にもなる。だからこそ、結果も目指していきたいですし、自分がやりたいことをやるだけではなく、ちゃんと形として示していきたい。
今は、オリンピックという大きな目標に一度区切りがついた中で、フィギュアスケートのさまざまな側面に触れながら、自分のスケートをどう深めていくかを考える段階に入っている感じです。
自分だけの目標ではない。皆さんとまた目指す“夢の続き”

――その1年半を経て、現役を続けると決めた今、どんな思いで競技に向き合っていますか?
やり切った過程と経験は一生の宝物です。だけど、目標としていたオリンピックには届かなかったことで後悔がないかと言われたら、そんなことはなくて。
あの全日本で、自分が思っていた以上にたくさんの方に応援していただいていたんだなと実感したんです。今こうして読んでくださっている皆さんはもちろん、先生や身近な人たち、普段から支えてくださっている方々が、全日本のフリーを見て泣いてくれたということを知って。
だからこそ、応援してくださった皆さんに夢を見せられなかったことが、自分の中で後悔としてあります。
あの日の4分間を経て、自分がいい演技をして望む場所にたどり着くことは、今はもう自分だけの目標ではないんだなと、より一層実感しました。でもそれがプレッシャーになっているわけではなくて、むしろプラスに働いています。
現役を続けると決めたからには、その夢の続きをまた皆さんと一緒に目指して取りに行きたい。いろんな思いを、これからの演技で回収していけたらいいなと思っています。
2026-2027シーズンの新プログラム

――その思いを胸に迎える新シーズン。ショートプログラムは先シーズンに続きソフィー・タッカーの「That’s It (I’m Crazy)」、フリーの新プログラムは、クイーン(Queen)の「It’s A Beautiful Day」。どちらもシェイ=リーン・ボーンさんの振付です。
はい。今シーズンは新しくフリーを作っていただくし、ルール変更もあるので、全部を新しくするのは少し負担が大きいかなと思って。ショートは先シーズンのプログラムを継続して、さらに磨きをかけることに決めました。
シェイ=リーン・ボーンと作り上げた、クイーン「It’s A Beautiful Day」の新フリー
――シェイ=リーン・ボーンさんに、今回フリーもお願いした理由は?
これまではショートの振付をお願いしていたので、一度フリーをお願いしたかったんです。相性もとてもいいし、シェイの振付が大好きなので。
振付をしたのは5月のこと。お互いのアイディアを出し合いながら一つの作品を作り上げていくクリエイティブな時間は、本当に楽しかったです。
最初から全部決まっているわけじゃなく、「ここでこれを使いたいよね」なんて話しながら、日に日に完成に近づいていく感じ。それに合わせて曲もどんどん変わっていくし、まさに振付が生きてる!って感じでわくわくが止まらない5日間でした。
「曲を聴いた瞬間に、これだ!」フリーにクイーンの「It’s A Beautiful Day」を選んだ理由
――選曲の経緯を教えてください。
フリーはもともと、2017-2018シーズンに滑った『ウエスト・サイド・ストーリー』をもう一度やってみようと思っていたんです。
ちょうど今年5月に開催された「浪速フィギュアスケートフェスティバル」で再演することになったので、そこで感触を確かめてもみたんですけど、やっぱりやるからには一新しないといけないなと思って。
ただ、今の自分ならどんな『ウエスト・サイド・ストーリー』にできるのか、そのイメージだけがフワッとある状態で。実際に曲を聴いていっても、「これだ」としっくりくるものがなかなか見つからなかったんです。
そんな時にシェイから、まったくテイストの違う候補曲がいくつか上がってきて。映画音楽もあれば、エルヴィス・プレスリー、プリンス、クイーンのようなロック寄りの曲もあって。その中にクイーンの「It’s A Beautiful Day」を見つけ、タイトルからして「いいじゃん!」って。そして曲を聴いた瞬間に、もう「これだ!」ってなったんです。
ジュニアの時にエキシビションで「We Are the Champions」をやったことはあったんですが、王道すぎる曲だとアーティストの力が強くて、難しいところもあって。だけど「It’s A Beautiful Day」に関しては、自然と「今の自分なら表現できるかも」という謎の確信があったんです。
惹かれたのは、冒頭の美しさ、歌詞に込められたメッセージの強さ。そして「It’s A Beautiful Day(Reprise)」というバージョンのロックなパートを聴いて、「ここでステップを踏みたい」「このパートがあるんだったらできるな」って、実際に滑るイメージがわき出てきたんです。
昔からクイーンは好きだったんですけど、以前、モーリス・ベジャール・バレエ団の「バレエ・フォー・ライフ」という公演に招待していただいたことがあって。その時に聴いた「It’s A Beautiful Day」が印象強く残っていたので、今回曲を聴いた瞬間に、その記憶ともつながった感じがありました。
プログラムは、クイーンのアルバム『Made in Heaven:Deluxe Edition』に収録されている曲を、シェイが3曲くらい組み合わせたものなんです。
前半は、いくつかあるバージョンの中でもベーシックでゆったりとした「It’s A Beautiful Day」から始まって、ギターが入る「It’s A Beautiful Day(Reprise)」のバージョンへ切り替わっていく構成。おそらく「Untitled」も入ってるんじゃないかな。
前半の美しさから、後半に一気にロックな熱量へ変わっていく。その流れもすごく好きですし、衣装も前よりもう少しかっこいい感じになる予定です。色も変わるので、そこも含めて楽しみにしていただけたら。
「誰にも止められない」という歌詞に重ねる、今の自分
――冒頭は、スタートを切る直前のように深く身を沈め、指の先から何かが立ち上がっていくような動きから始まります。振付やプログラムにはどのような意味が込められているのでしょうか。
曲の流れとして、下からぐっと起き上がっていくようなイメージです。世界に向かって立ち上がっていくというか、自分の内側から何かが湧き上がってくるような感じですかね。
曲を決める時には、この「It’s A Beautiful Day」の背景も調べたんです。フレディ・マーキュリーが残した音源が、彼の死後、クイーンのメンバーの手によってあらためて形になった曲だと知って、ますますこの曲で滑りたいと思いました。
別に今シーズンで終わるというわけじゃないのに、「いかにも引退しそうな曲だな」とは思ったんですけど(笑)。でもシンプルに、今の自分と重なる部分があったんですよね。裏表なく、まっすぐ何かに向き合っている感じが。
このプログラムを通して、喜びだったり、スケートに対する愛や思いだったり、そういうものを表現できたらいいなと思っています。
あとは、「誰にも止められない」という意味の歌詞がお気に入りで。そこからガーッとステップに入っていく流れが、もうたまらないくらい最高なんです。
“もうこの自分を止めることはできない”というフレーズが、まさに今の自分を表しているようで。今年はやっぱり、そういう年でありたいなと思っています。
さいたま世界選手権のあの景色をもう一度
――「It’s A Beautiful Day」には、これまで滑ってこられたプログラムとのつながりも感じました。
そうなんです。例えばステップのパートには、今までシェイと作り上げてきたダイナミックさがありますし、前半から中盤にかけては「Halston」などのスローなプログラムを彷彿とさせるような部分もあって。これまで積み重ねてきた技術を詰め込んだようなプログラムになっていると思います。
ジャンプの見せ場がありながらも、ちゃんとジャンプに集中できるし、どんどん熱を帯びていって、最後は自分らしく終わるという、とてもバランスがいいプログラムです。
だからこそ、成功率を上げて、完成度の高いプログラムにしていきたいんです。練習してると、さいたまスーパーアリーナでの世界選手権でコレオに入る前に見た、あの光景と空気を思い出すんですよ。自分の演技で会場の空気が一気に上がっていく、あの感じ。今度はこのプログラムで大きな大会に出て、いい演技をしたいですね。
ショートの「That’s It (I’m Crazy)」も同じです。先シーズン滑ってみて、これは自分の核になるようなプログラムだと感じました。大舞台で見せたいという気持ちもありますし、もっと昇華させて、結果的に自分の代表作になるようなプログラムにしたいです。
「It’s a Beautiful Day」に込める、泥臭くまっすぐな“自分のロック”
――ここまでお話を聞いていると、「It’s A Beautiful Day」は今の友野さん自身とも深く重なるプログラムなのだと感じます。改めて、友野さんにとっての「It’s A Beautiful Day」とは?
“生き様”ですかね。
自分は案外、熱いタイプなので、勝手に「自分ってロックバンドみたいだな」と思うんです。きれいにまとまるというより、泥臭くても素直に、まっすぐ向かっていく感じ。それが自分のロックな部分なのかなって。
だからこのプログラムには、そういう強い気持ちが表れたらと思うし、その中に繊細さも詰め込んでいけたら。オリンピックに向かって走り続けた1年半を経た自分の生き様が、この新しいプログラムに出てくるんじゃないかなと考えています。
新シーズンの目標
「本当にファイナルしか見ていない」グランプリファイナルへの強い思い
――“生き様”を込めた新プログラム、そして代表作となるショートとともに迎える新シーズン。競技者としての今シーズンの目標を教えてください。
グランプリシリーズは、カナダ大会とフィンランド大会に出場します。
目標はやっぱりグランプリファイナルですね! 本当にファイナルしか見ていないので。まずはグランプリシリーズで優勝することを目指したいです。
でも、そこにとらわれすぎてプレッシャーにならないように、いいモチベーションにつなげながら、自分でうまく舵を取っていけたらなと思っています。
自分の場合どうやったら結果が出るのか、そこを探っていけたらいいのかなって。多分、結果が出る時って、いつの間にか出ているものだと思うので。
今年は初戦が8月初めの「アジアンオープントロフィー」で、例年より早いですし、グランプリシリーズも2戦目から出場することを考えると、早いうちからしっかり負荷をかけておくことが大事だと思っています。
やりきったからこそ見えた、次の戦い方
――先シーズン、早い段階からショートプログラムにはいいイメージがあった一方で、フリーは思うようにいかない試合もありながらも最後まで自分が決めた構成とプログラムを貫いた1年でもありました。その経験は、今シーズンの戦い方にどうつながっていますか。
そうですね。ショートはずっといいイメージが続いていたんですけど、フリーは序盤の試合から、少しリズムがよくなかったのかもしれないです。練習ではすごくいい演技が続いていたんですけど、試合での成功の感覚が少しずつ薄まっていたというか。グランプリでの失敗のイメージに、どこか引っ張られていた部分もあったのかなと思います。
先シーズンは、最初から4回転を3本入れるつもりで練習していましたし、その構成でやりきりたいというこだわりがありました。
プログラムに関しても、途中で変えたら自分の中では後悔しそうだなと思っていました。自分にとっては「Halston」があのシーズンの答えだったし、このプログラムでやりきりたかったんです。最後まで貫いたことに、後悔はありません。
ただ、結果につなげるという意味では、臨機応変にやっていくことも大事だなと感じました。構成を低くしても、4回転が1本でも、勝てばそれはちゃんと成績になる。できないからだめなんじゃなくて、できる方向にどうシフトしていくか。最初から「4回転を3本やらないと」と思いすぎると、心の負担になって失敗につながることもあるのかなと感じました。
4回転は1本ずつ。フリーのジャンプ構成は、柔軟に、そして挑戦的に
だから今季は、4回転を最初から全部入れるというより、1本ずつ増やしていく形になると思います。成功のイメージと心の余裕を作りながら、徐々に構成のレベルを上げていけたらいいなと思っています。
グランプリシリーズまでに3本くらい、最低でも2本は安定して入れられるようになればいいかなと。
ジャンプ全体としても、挑戦していきたい要素はあります。先日の「ドリーム・オン・アイス」で披露した時は、意外と感触がよくて。久しぶりに入れたルッツや、カウンターからのトリプルアクセルもありましたし、練習次第ではあるんですけど、そういった面でも今年はどんどん挑戦していけたらと思っています。
ただ現役を続けるだけではなくて、競技と向き合っている自分を、皆さんにまた好きになってもらえるように。
「友野一希が現役を続けてよかったな」「またこれだけ成長できるんだな」と思ってもらえる1年にしたいです。
――この約1年半にかけた思いが、まっすぐ伝わってきました。本日はありがとうございました。
Staff Credit
撮影/花村克彦 取材・文・構成/轟木愛美
ここまで読んでくださった皆さんへ。友野さんからお知らせ(タップで開封✉)
お待たせしました!
たくさんの読者の方に愛されてきた友野一希さんの連載「トモノのモノ語り。」が、この夏、再始動します!
連載再開にあたり、友野さんからメッセージが届きました。

まずは皆さん、大変お待たせしました。
約1年半の休載を経て、「トモノのモノ語り。」がついに復活します。
今回のインタビューでは、この1年半の気持ちを、恥ずかしいくらい全部語らせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。現役続行を決めた今、覚悟をもって、改めてフィギュアスケートと向き合っていきたいと思っています。競技者として1日1日成長していけたらと思いますので、今後とも応援よろしくお願いします。

次回は連載「トモノのモノ語り。」でお会いしましょう!
公開は8月頃を予定。楽しみにお待ちください!
Profile

友野一希
フィギュアスケート男子シングル
1998年5月15日生まれ、大阪府堺市出身。第一住建グループ所属。
感情をスケートにのせ、観客の心まで躍らせる演技で世界中から愛されるスケーター。表現の名手として知られ、オフシーズンはアイスショーにも多数出演。ショーごとの特性に合わせた多彩なパフォーマンスで、エンターテイナーとしての本領を発揮している。
古着、サウナ、インテリアショップ巡りなど多彩な趣味を持ち、好きなものへの探究心は群を抜く。実直で面倒見のいい人柄から、ファンはもちろん、後輩スケーターからも慕われる存在。イベントなどでは率先して場を盛り上げ、司会進行を担うなど、リンク内外で頼れる存在感を発揮している。
スケート界きってのインフルエンサーとしても知られ、サウナの魅力を広めたかと思えば、最近はスケーターたちの洋服選びもお手伝い。ファッションの楽しさもじわじわ布教中。好きなものをとことん楽しみながら周囲を巻き込む発信力も魅力で、自身監修の『TOMONO CURRY』欧風チキン、本格ビーフの2種も大好評。
オリンピックを目指したシーズンを経て、現役続行を決断。フィギュアスケートの魅力を伝えることを自身の使命とし、スケート教室などの普及活動にも精力的に取り組む。競技、表現、アイスショー、普及活動と、さまざまな側面からスケートに向き合いながら、自分自身のスケートをさらに深めていく。
友野一希さん過去シーズン開幕インタビュー
- ・2022-23「“自分らしいからこそ、ごまかしがきかない”プログラム」心機一転で挑むシーズン
- ・2023-24「僕には自分自身を少しでもよくしたいというプライドがある」挑戦のシーズン
- ・2024-25「自分の人生をかけるとしたら、それは今。もっとすごみのあるスケーターになる」

友野一希「トモノのモノ語り。」
友野一希連載「シーズン総括SP、オリンピックに向けて」【 #トモノのモノ語り。】vol.43
2025.03.18

友野一希「トモノのモノ語り。」
友野一希連載「自分の人生をかけるとしたら、それは今。2024シーズン開幕インタビュー」【 #トモノのモノ語り。】vol.40
2024.08.21

友野一希「トモノのモノ語り。」
友野一希連載【 #トモノのモノ語り。】vol.23「2023-24シーズン開幕インタビュー」<フィギュアスケート男子>
2023.07.06

友野一希「トモノのモノ語り。」
友野一希連載【 #トモノのモノ語り。】vol.21「新ショートプログラム発表&初めて尽くしの休日」<フィギュアスケート男子>
2023.05.23

友野一希「トモノのモノ語り。」
友野一希連載2022-2023シーズン開幕インタビュー!【 #トモノのモノ語り。】vol.4<フィギュアスケート男子>
2022.07.20

友野一希「トモノのモノ語り。」
友野一希が地元・堺を紹介!「堺市おさんぽMAP」web拡大版【 #トモノのモノ語り。】
2024.09.26

友野一希「トモノのモノ語り。」
【高橋大輔×友野一希】「滑走屋」、「氷艶」で生まれた絆と見据える未来。【今、共鳴するふたり。】
2024.07.24

フィギュアスケート
友野一希|浪速のエンターテイナーのプロフィールとプログラム解説【フィギュアスケート男子2025-2026】
2025.12.18
Kazuki Tomono 友野一希
フィギュアスケーター
第一住建グループ所属。フィギュアスケート男子シングル日本代表。2026-2027シーズンのプログラムは、SP「That's It (I'm Crazy)」、FS「It's a Beautiful Day」。
初戦はアジアンオープントロフィー(8月1日~5日)。グランプリシリーズはカナダ大会(10月29日~11月1日)、フィンランド大会(11月19日~21日)に出場予定。今年の全日本選手権は地元・大阪での開催となり、門真市の東和薬品RACTABドームで12月24日~27日に実施予定。また8月30日には、東京辰巳アイスアリーナの1周年記念イベントに出演予定。

- #Tag
- Share


