エンタメ部
No.210 くらげ
麻耶雄嵩『メルカトル鮎』『木更津悠也』シリーズのおすすめ読む順番
2024.08.31
先日『メルカトルかく語りき』の記事を書いたので、読む順番がややこしい麻耶雄嵩の初期の作品——主に「メルカトル鮎」シリーズと「木更津悠也」シリーズとそれに付随する短編集のおすすめの読む順番について紹介します。
『メルカトル鮎』・『木更津悠也』シリーズ
いずれも、麻耶雄嵩による作品群です。それぞれ、探偵メルカトル鮎と木更津悠也が登場するミステリです。
作品リスト
メルカトル鮎
- 『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』
- 『夏と冬の奏鳴曲』
- 『痾』
- 『鴉』
- 『メルカトルと美袋のための殺人』(短編集)https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-746734-5
- 『メルカトルかく語りき』(短編集)
- 『メルカトル悪人狩り』(短編集)
木更津悠也
- 『痾』
- 『木製の王子』
- 『名探偵木更津悠也』(短編集)
如月烏有[註1]
- 『夏と冬の奏鳴曲』
- 『痾』
- 『木製の王子』
[註1]便宜上、筆者が勝手に設けた枠組み。
単行本未収録の作品を除いて9作ある「メルカトル鮎」・「木更津悠也」シリーズを、一旦「メルカトル鮎」「木更津悠也」「如月烏有」の三つに振り分けました。(読む順番をわかりやすくするため勝手に分類したものです)
ですが、メルカトル鮎且つ如月烏有のように被っている箇所も散見されます。わかりづらいです。図にしました。
わかりやすくなりました。
順番関係なし
まずはいつ読んでも問題ないものから。間違いなく、いつ読んでも大丈夫なものはメルカトル鮎の短編集『メルカトルと美袋のための殺人』『メルカトルかく語りき』『メルカトル悪人狩り』です。
これら三作品はメルカトル鮎と助手の推理作家美袋三条が活躍する短編集です。それぞれが独立した短編集(一部例外もありますが、些細なものなので全く問題ないです)なので他作品のネタバレは踏まずに、しかも気軽に楽しめます。メルカトルと美袋のコンビの魅力が感じられる『メルカトルと美袋のための殺人』『メルカトルかく語りき』はシリーズ初めての方にもおすすめ!
※現在手に入りやすい『メルカトルと美袋のための殺人』の集英社文庫版解説には『翼ある闇』の結末についてのネタバレがあります。未読の方はお気をつけて。
おすすめ読む順番
さて、本題です。おすすめは刊行順です。ですが、絶版になった作品もあり、刊行順は難易度が高いので、画像と箇条書き形式を用いてネタバレにのみ配慮したおすすめの読む順番を紹介します。急いでいる方は下の画像まで飛んでそっちを参考にしてください。
『翼ある闇』(メルカトル鮎、木更津悠也)
館もの。デビュー作のため、特に何もネタバレはありません。今後のシリーズに深く関わってくるので、初めて読むのにおすすめ。講談社から刊行され、現在、単行本、ノベルス、文庫、新装版があります。新装版はやや入手が困難ですが、ここでしか読めない自作解説が収録されています。
『夏と冬の奏鳴曲』(メルカトル鮎・如月烏有)
孤島もの。講談社から刊行されました。最近講談社文庫で新装改訂版が出たのでそれを買うのがおすすめです。如月烏有が語り手を務める作品。こちらも特にネタバレはなし。問題作と呼ばれる作品ですが、シリーズ初めてでも読めます。イチオシです。
『痾』(メルカトル鮎・木更津悠也・如月烏有)
クライムミステリ。こちらも講談社から出ています。文庫版が最近復刊されたので入手は比較的容易です。如月烏有が語り手を務める作品2。『翼ある闇』『夏と冬の奏鳴曲』を読んでから読むのがおすすめ。
『木製の王子』(木更津悠也・如月烏有)
館もの。講談社から出ています。文庫とノベルスがありますが、現在どちらも絶版です。ノベルスの方が見つけやすい気がします。またもや如月烏有が登場します。『翼ある闇』『夏と冬の奏鳴曲』『痾』『木製の王子』の順番がおすすめ。
『鴉』(メルカトル鮎)
村系。幻冬舎から出ています。一作でも楽しめますが、『翼ある闇』を読んでからがおすすめ。
『名探偵木更津悠也』(短編集・木更津悠也)
光文社から。紙の本は現在恐らく入手困難。『翼ある闇』を読んでからがおすすめ。
【図解】読む順番
図にしました。わかりやすくなりました。
図の矢印が読む順番です。例えば『痾』が読みたかったとします。『痾』に繋がる矢印は『翼ある闇』と『夏と冬の奏鳴曲』から生えている2本です。『痾』を読む前にはこの二作を読んだ方がいいということを表しています。一方で『翼ある闇』と『夏と冬の奏鳴曲』に繋がる矢印は見られない。つまり『翼ある闇』と『夏と冬の奏鳴曲』はどちらを先に読んでも問題ありません。
まとめ
麻耶雄嵩の「メルカトル鮎」「木更津悠也」シリーズおすすめ読む順番でした。皆さんも良い麻耶ライフを!
-
出身地
東京都
-
身長
159cm
-
学年
大学2年生
-
推し
推し:コスメ集め(主にネイル!)、文章を書くこと、小説(ミステリ!)、ピアノ、ゲーム、FAKE TYPE.