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2021.10.16
東京オリンピックの新種目・スケートボードの男子ストリートで金メダルを獲得し、初代王者に輝いた堀米選手がノンノに登場! スケートボードとまっすぐに向き合うカッコいい姿はもちろん、意外すぎる(!?)おちゃめな姿も満載です♪そんなボリュームたっぷりの特集の一部をチラ見せ! 続きは発売中のnon-no11月号でチェック!
目次
シャツ¥7150・Tシャツ¥3850・(P33、P36、P37)パーカ¥7700/NIKE カスタマーサービス(NIKE SB) その他/本人私物
堀米選手にまつわる気になる数字
15回大会で優勝した回数
ハッキリした数字は分からないけど、だいたいこれくらいじゃないですかね? その中で獲得した4つのメダルは、自宅にある大好きなカビゴンのぬいぐるみに掛けてあります。メダルを掛けるところがなくて探していた時に、ちょうどいいなと思って(笑)。アメリカに戻ったら、東京オリンピックで獲った5つ目のメダルを掛けます!
編集部注:実際に金メダルを掛けられたカビゴン。堀米選手は、この写真とともに「うん似合ってる」とツイート。
70万人オリンピック後に増えたインスタグラムのフォロワー数
金メダルを獲った直後は届くメッセージの数もすごくて、「夢の中にいるのかな?」っていう感じでした。
100足以上持っているスニーカーの数
特にお気に入りなのは、フラグメントデザインとジョーダン ブランドがコラボした"FRIENDS AND FAMILY"の1足!
1.2cmまつげの長さ
よく「まつげが長いね」って言われるけど、自分ではよく分からないです(笑)。
5人家族の構成人数
お父さん、お母さん、弟が二人。お父さんからは、オリンピックの本番前に「個人競技ではあるけどチームとして頑張れよ」とか「不安が顔に出てる」とかメッセージが送られてきたんですけど、「分かってる」って一言だけ返しておきました。オリンピックが終わってからは、おばあちゃんを含めた家族みんなで食事をする機会が。選手村について「どんな感じなの?」って、いろいろと質問されました(笑)。
0.01視力
4~5年前まではコンタクトをつけてなかったので、常に視界がぼやけた状態でスケボーをしてました(笑)。
15時間スケートボードの最高連続練習時間
休憩をとりながら一日中滑ることもあるし、夜の街を友達とクルージングしながらいろいろな場所で滑って、疲れたら公園で仮眠して……っていうのも好きなんです。
4LDKロサンゼルスにある自宅の間取り
今の家は庭が目当てで買ったので、次は家の中にもこだわりたい。理想は天井が高くて、もうちょっと広いキッチンが欲しいです。料理は、うどんくらいしか作れないけど(笑)。
堀米少年が夢を叶えるまで
1999年
1月7日、東京都江東区に生まれる。
2005年〜
父の影響で6歳からスケートボードを始める。小学生の頃から数々のコンテストに出場し、好成績を収める。
2011年〜
中学生時代に「ストリート」の種目を本格的に始め、頭角を現す。
2017年〜
高校卒業後、アメリカ・ロサンゼルスに拠点を移す。世界最高峰プロツアー「ストリート・リーグ」で準優勝。
2018年〜
イギリス・ロンドンで行われた同大会で日本人初優勝。他2都市で優勝し3連覇を達成。
2019年〜
「東京2020オリンピック競技大会」の強化選手に選ばれる。
2021年〜
5月、日本人スケーターで初めてアメリカの雑誌『THRASHER MAGAZINE』の表紙を飾る。6月、「スケートボード・ストリート世界選手権」で初優勝。五輪出場権を得る。7月25日、「東京2020オリンピック競技大会」スケートボード男子ストリートの初代金メダリストに輝く。
小学校の卒業アルバムより抜粋
最後のベストトリックは、いつもとは違う感覚だった
スケートボード界にとって記念すべき初のオリンピックとなった東京2020オリンピック競技大会。堀米選手は、生まれ育った江東区の競技場で金メダルを獲得するという、まるでドラマのような最高の結末を私たちに見せてくれた。インタビューが行われたのは、そんなオリンピックの興奮冷めやらぬ、閉会式から数日がたった日のこと。 「オリンピックが終わってからは、取材を受けたりテレビ番組に出演したり、スポンサーさんのところにごあいさつに行ったり、忙しくさせてもらってます。オリンピックがすごく大きなイベントだということは分かっていたんですけど、金メダルを獲ったことで、そういうスケジュールが一気に増えて、あらためて影響の大きさにビックリしましたね。でも、うれしいです。ヒマでいるより全然いいですから(笑)」 日本滞在中に撮影されたキックボクサーの那須川天心さんやRADWIMPSの野田洋次郎さんとの2ショット写真も話題に! 「天心とはもともとインスタでつながっていたんですけど、今回テレビ番組の企画で初めて会うことができたんです。それで仲よくなって、その日の夜にさっそくごはんを食べに行って、そこから5日間くらい毎日会ってスケボーしたり、僕が泊まっているホテルに遊びに来て普通にチルしてました(笑)。野田洋次郎さんとは、共通の知り合いの方がきっかけで、おうちに遊びに行かせてもらう機会があって。インスタのストーリーズで僕のことを“Hero”って書いてくださっていて、めっちゃうれしかったですね。実はこの後、アメリカに戻る前の最後の2日間は完全にオフなので、友達とのんびり過ごす予定なんです」 オリンピックから少し時間がたった今、大会当日を振り返って最も鮮明によみがえってくるのは、決勝の舞台で披露した5本目のベストトリック。 「大会では7本(2本のラン+5本のベストトリック)滑って高いほうから4つの得点が採用されるっていうルールだったんですけど、僕は7本目を滑る前の時点でまだ3つしか“ナインクラブ”という9点以上の高得点を出せてなくて、もう一つ出せれば金メダルというところだったんです。だから、5本目のベストトリックの前はそれまで以上にめっちゃ集中しました。おもしろかったのは、トリックをしている時間って1~2秒のはずなのに、最後のトリックだけすごくスローに感じたこと。(デッキの前を)たたいた瞬間に高く飛びすぎて“これはもうダメだ”って思ったし、そこからも完全に回りすぎて、いつもだったら乗れない感じだったんです。でも、あの時はたたいて回っている時間が10秒くらいに感じられて、他もいつもとは違う感覚だったんですけど、気づいたら乗っていた。僕自身、どうして乗れたのかは今でも分からなくて……。ただ、とにかく集中していたし、“絶対に金メダルを取りたい”という強い気持ちがそうさせてくれたのかなと思います」 想像を絶するプレッシャーが押し寄せるはずの競技前のルーティンは、意外にも「特にない」とのこと。本人は「あえて作ってないわけじゃなくて、ただ単にないっていうだけなんです(笑)」と謙遜するけれど、ルーティンに頼らない精神力の強さは、きっと勝因の一つだったに違いない。 「今回のオリンピックは今までの大会にないくらいスタート時間が早くて、朝は5時起きだったんです。選手村でみんなとトイレやシャワーをシェアしながら支度をして、6時発のバスで出発したから、いつものようにダイニングで朝食をとることができなくて……。結局、食べたのは競技場のパークに置いてあったサンドイッチとバナナだけ。普段大会の日の朝はしっかり食べるようにしているので、実はちょっとだけ“途中でお腹すいたりしないかな?”っていう不安な気持ちで滑っていたんです(笑)」
言葉の壁はスケボーのおかげで乗り越えられた
堀米選手がスケートボードを始めたのは、6歳の時。高校卒業後には「スケートボードの本場で活動しないと注目してもらえない」という思いから単身渡米し、活動拠点をロサンゼルスへ。現在は、1年のうち半分以上をアメリカで過ごしている。 「向こうに行く前から言語の壁はあると思っていたんですけど、いざ行ってみたら伝えたいことが伝えられなくて、それが一番つらかったですね。最初の頃はお店で食事も注文できなかったし、日本食が食べたくてもどこにお店があるか分からなくてコンビニのピザを食べたりして過ごしてました」 そして、そんな言語の壁を乗り越えることができたのは、スケートボードのおかげだと言葉を続ける。 「スケートパークに行ってトリックを決めると、そこにいる人たちが喜んで拍手してくれたり話しかけてくれるようになって……英語が話せなくても、そうやってどんどんなじんでいけたんですよね。本当に、スケボーでアメリカの人たちとつながったといっても過言じゃないです」 ただ、アメリカでの生活を始めて4年以上たった今でも、日本が恋しくなる瞬間があるそうで……。 「地元の公園で友達とスケボーしていた時間がすごく楽しかったので、ふと友達に会いたくなったり、あとはやっぱり家のごはんですね。僕が日本に帰ってきた時の楽しみの一つが、近所に住むおばあちゃんのごはんを食べることなんです。特に煮物と雑炊がめっちゃ好きで、雑炊は日本にいた頃は毎朝食べていたし、今でも食べようと思えば毎日食べられる! 家族へのお土産は、たまに買って帰りますね。ボディソープとかお菓子とかその時によってバラバラですけど、家族はなんでも喜んでくれます(笑)」
目指すは五輪3連覇。誰も見たことのない景色を見たい
インタビュー中、淡々とした口調で自身を冷静に分析する姿や競技中の姿から伝わってくるのは、クールな印象。本人にそう伝えると、「内心は、常にめっちゃ緊張しているんですよ。オリンピック以外の大会はもちろん、デモンストレーションのイベントでも緊張するくらいなので(笑)」という意外な答えが。では、その緊張とはどのように向き合っているのだろうか。「やっぱり日々の練習の積み重ねかなと思います。どれだけ自信があるトリックでも、本番はどうしても緊張で足が固まってしまったりしてメイク率(成功率)が下がってしまう。だからこそ、練習を繰り返すことで自信をつけておくんです。そうすれば、緊張しても本番で乗れる可能性は高くなると信じて」 練習は、絶対に裏切らない。その証拠に、これまでのスケートボード人生でスランプに陥った時も、そこから抜け出せたのは練習のおかげだった。 「2018年に『Street League Skateboarding(SLS)』で3連覇を達成したんですけど、その翌年の大事な大会で2回連続予選落ちしてしまって……。3連覇したことでせっかくたくさんのスポンサーがついてくれたのに結果をまったく残せない焦りから、精神的に追い込まれてしまったんです。あの時期は間違いなく人生最大のピンチだったけど、とりあえず何も考えずにひたすら練習しました。“次はもう絶対負けたくない!”っていう一心で」 平坦ではなかったスケートボーダーとしての道のり。けれど、「やめたいと思ったことは一度もない」という力強い言葉からは、スケートボードへの愛があふれている。だから、あらためてスケートボードの魅力を聞いてみたくなった。 「スケボーって、終わりがないんです。新しいトリックを覚えても、まだまだ覚えたいトリックがある。一つのトリックを覚えるのにはだいたい2~3年かかるんですけど、それだけ練習して初めて成功させられた時はすごくうれしいし。それに、何も考えず友達とスケボーしている時間は最高に楽しいんです」 けっして饒舌なタイプではないけれど、スケートボードの話題になると口調には自然と熱がこもる。しっかりと前だけを見据えているその目には、今、何が映っているのだろう。 「2~3年前は、東京オリンピックで金メダルを獲ってコンテストに出るのをやめたいと思っていたんです。それくらい、つらいこともプレッシャーもかなりあったので……。でも、終わってみた今は、東京で金を獲ったからこそ連覇することに意味があるのかなと思っていて。Netflixでマイケル・ジョーダンのドキュメンタリー番組を見ていたら、連覇するのってやっぱりカッコいいなって思ったし(笑)。こう言うと、皆さんは3年後のパリオリンピックを目指していると受け取ると思うんですけど、僕はその次のロサンゼルスオリンピックまで頑張りたい。3連覇を達成して、誰も見たことのない景色をずっと見ていたいんです。そして、大会で成績を残すだけじゃなくて、世界中のプロから認められるようなストリートの映像作品を残して、東京オリンピックをきっかけに日本で起こり始めたスケートボードブームをもっともっと盛り上げていきたいです」
聞きたいことがありすぎる! プライベートQ&A
Q ニックネームは?
A 両親からは「雄斗」、友達は「雄斗、ゴメ、ホリホリ」。
弟たちは、ほとんど「ねぇねぇ」です(笑)。
Q 両親のことはなんて呼んでいる?
A 「パパ」「ママ」なんですけど……(照)。
「お父さん」「お母さん」って言ったことは、まだないかも。アメリカに住んでいる期間が長くなってきて日本にいる両親としゃべる機会が少ないから、子どもの頃の呼び方のままになっちゃっていて。でも、そろそろ直したいです。
Q 自分の性格を一言で表すと?
A 人見知り。
仲よくなれば、めっちゃしゃべれるんですけどね。自分では、そこらへんにいる普通の人だと思ってます(笑)。
Q 自分の性格で直したいところは?
A ハマり症なところ。
一時期バスケのゲームにハマって夜中から朝までやっちゃって、スケボーの練習に支障が出たことが……。それ以来、家にはゲーム機を置かないようにしてます。
Q 1日のタイムスケジュールは?
Q 苦手なものは?
A 虫!
昔は好きだったんですけど、ある日、急にキライになりました。1回、アメリカの家にゴキブリが出た時はマジで焦りましたね。「1匹いたらいっぱいいる」って聞いたことがあるから、帰るのが怖いっす(笑)。
Q 金メダル獲得を最初に報告したのは?
A 毎日のように地元の公園でスケボーをしていた幼なじみ。
めっちゃ仲よしなので、競技が終わってスマホを手に取った瞬間、まず連絡しました!
Q 学生時代、スポーツ以外で得意だった科目は?
A 好きだったのは英語。
得意ではなかったけど、しゃべれるようになりたくて勉強を頑張ってました。
Q スケートボード以外にやったことのあるスポーツは?
A 卓球と空手。
小学生の時は卓球部に所属して、習い事で空手もやってました。
Q 今の脳内グラフを教えて!
Q スケートボードとスニーカーの次に好きなものは?
A ジュエリー!
2年くらい前にダイヤモンドがついているリングを買ったのがきっかけでキラキラ光るものが好きになって、ブレスレットも買っちゃって……。あれは沼ですね(笑)。このままじゃヤバいと思って、今は大会で勝った時だけご褒美に買うようにしてます。
Q 好きなマンガは?
A 『黒子のバスケ』『進撃の巨人』。
Q 最近泣いたのは、いつ?
A 思い出せないくらい昔だけど……。
オリンピックの決勝で最後のトリックをメイクして、早川さん(コーチ)のところに行ってハグをした瞬間は、それまでのつらかったこととかサポートしてもらったことが一気に頭に浮かんで、ちょっとウルッときそうになりました。
Q 最近の自分にまつわる新発見は?
A すべてにおいてめんどくさがりなこと。
メッセージを返すのが遅かったり、買ったテレビも半年くらい設置してなくてまだ箱の中です……。
Q 好きな食べ物は?
A お寿司。
一番好きなネタは、中トロ。
Q 好きなみそ汁の具&おにぎりの具は?
A みそ汁はあおさ、おにぎりは鮭ハラミがおいしい!
Q 好きな食べ物は先に食べる派?最後に食べる派?
A 最後に食べる派です。
Q 朝食の定番は?
A オートミール。
Q 好きなアーティストは?
A 最近は、ガンナ、トラヴィス・スコット。
Q 好きな色は?
A 紺色。
そんなに持ってないけど、小さい頃からなんか好き(笑)。あ、でも今のスマホケースは紺です!
Q 好きな映画は?
A 自分が恋愛してないから、恋愛系(笑)。
高校時代はスケボーしかしてなくて、青春が全然なかったんですよ! だから、ありえない系の恋愛映画を見てキュンキュンしたいんです。最近日本に帰ってくる飛行機の中で見ておもしろかったのは、『まともじゃないのは君も一緒』。
Q ステキだなと思うのはどんな人?
A 一緒にいて気を使わなくてよくて、料理ができて、精神的に支えてくれる人。
Q デートで行きたいところは?
A キレイな海。
サンセットを見て砂浜を歩きたいですね。オリンピックの事前合宿で新潟に行った時、泊まっていた部屋からキレイな海が見えたんです。そこを歩いているカップルを毎日うらやましいなぁって思いながら眺めていたので(笑)。
Q 座右の銘は?
A 常に進化し続ける。
Q 自宅の冷蔵庫に常備しているものは?
A キムチ、納豆、梅干し、水、炭酸水、調味料類、ビーガンチーズ。
Q 朝起きて最初にすることは?
A うがいをして水を飲む。
Q 愛用している黒リュックの中身は?
A スケボーの工具、財布、水、コンタクト、日焼け止め、あと今日は金メダルも入ってます(笑)。
Q シャワー派? 湯船につかる派?
A 本当は湯船につかりたいけど……。
めんどくさくて今の家にバスタブを作らなかったので、しかたなくシャワーですませてます。
Q 夜寝る前、最後にすることは?
A ベッドを使って軽くストレッチ。
その後、部屋を真っ暗にして寝ます。
久しぶりに書く日本語に、「“乗”ってどんな字でしたっけ?」と迷いながらもつづってくれた、スケートボードを愛する堀米選手からの直筆メッセージ&サイン!
Profile
●ほりごめ ゆうと 公式Instagram=@yutohorigome、公式Twitter=@yutohorigome
ドキッとする表情満載のカット&プライベートに迫るQ&Aも!
続きは
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▶堀米雄斗 金メダルのその先への記事をもっと見る
1994年12月7日生まれ、宮城県仙台市出身。身長172cm。趣味は音楽鑑賞。オリンピック2連覇、グランプリファイナル4連覇、世界選手権2回優勝したほか、ショート、フリーの歴代最高得点など、数々の記録を塗り替えてきた絶対王者。2018年、個人最年少での国民栄誉賞受賞。国内外を問わず多くの人々を魅了する、日本が誇る世界的スーパースター。今季は前人未踏の4回転アクセルの習得を目指す。
平昌オリンピック銀メダリストで全日本選手権4連覇。見る者の心を揺り動かす情熱のスケーター・宇野昌磨。 初めて4回転ジャンプを習得し、世界ジュニア選手権で優勝したジュニアラストシーズンから、コーチ不在の中自分と向き合い続けた激動の2019-2020シーズンまでを、厳選写真とともにプレイバック。
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