フィギュアスケート

佐藤駿/ケガを乗り越え、世界へ! 極上のジャンプで魅せるスケーター【フィギュアスケート男子】

2022.12.22

初公開日:2020年11月1日

佐藤駿
Shun Sato

フィギュアスケート男子シングル佐藤駿選手のプロフィール

2004年2月6日生まれ、宮城県仙台市出身。

身長162cm。趣味は映画鑑賞、サウナ。明治大学政治経済学部在学。

2019年ジュニアグランプリファイナル優勝、全日本選手権5位、全日本ジュニア選手権2位。

日本男子初・5種類の4回転ジャンプを操る圧倒的なジャンプセンスを武器に、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピック代表を目指す18歳

    

 

佐藤駿選手のプロフィール

憧れは同郷の羽生結弦さん。世界屈指のジャンプスキルの持ち主。

荒川静香さん、羽生結弦さんらを輩出したアイスリンク仙台でスケートを始める。

全日本ノービス選手権4連覇などノービス時代から頭角を現しており、ジュニアでも初出場のジュニアグランプリシリーズでファイナル進出、優勝を決めるなど躍進を続けてきた。

現在5つの4回転ジャンプを習得しており、特に日本人選手の中でもわずかしか跳べない大技4回転ルッツを2回目の挑戦で着氷させたという稀代のジャンプセンスの持ち主。

フィギュアスケート男子シングル鍵山優真選手と佐藤駿選手

同学年の鍵山優真選手とは、ジュニア時代から最高の親友で最高のライバル。互いに切磋琢磨し合うことで、日本男子フィギュアのレベルを引き上げている。

鍵山優真選手のプロフィールはこちら

氷の上ではアグレッシブな滑りを見せるが、リンクの外ではとても謙虚でシャイな性格。憧れの羽生さんと写真を撮りたくてもなかなか頼めずにいたというエピソードも。

これまでの歩み

ブレイクスルーの年となった2019-2020シーズン

フィギュアスケート男子シングル佐藤駿選手のロミオとジュリエット

初参戦のジュニアグランプリシリーズ初戦で初優勝、6人しか出場できないグランプリファイナルへの切符を手にすると、フリーでは基礎点の高い4回転ルッツを加点のつく出来栄えで成功。ジュニア歴代最高得点を更新する快挙で金メダルに輝いた。

その後の全日本選手権ショートでは、ジュニアのショートでは組み込むことのできない4回転ジャンプを急遽組み込み、羽生さん、宇野昌磨選手に続く3位に。
世界ジュニア選手権の代表権もかかった大舞台で、体力的にも厳しい最後のジャンプを4回転トーループに変更するという攻めの姿勢を見せた。フリーではジャンプでの転倒があり6位となったが、シニアの強豪がひしめく中で総合5位と存在感を見せつけた。シーズン終盤、世界ジュニア選手権では、ショートはすべてジャンプを成功、フリー前半ではジャンプのミスが続いたものの、後半は立て直し総合6位と大健闘。

数々の大舞台で有力選手たちと戦ったことで、世界を舞台に戦う意識が芽生え、気持ちも新たにネクストステージへと踏み出した。

シニアデビューの2020-2021シーズン

シニアデビューの2020-2021シーズン。
ジャンプに加え、スピンやスケーティング、表現にも重点を置いて練習を積んできた。

東日本選手権では着氷が乱れながらも、4回転ルッツを着氷させ、見事優勝。しかしその前の大会で痛めた股関節のケガが再発し、その後の大会は痛み止めを飲んでの出場となった。全日本選手権でも前シーズンと順位を落とすことなく5位に入るなど、万全の調子ではないなかでも、それまで取り組んできたことの成果を見せた

 

ケガと戦った2021-2022シーズン

佐藤駿選手のプログラム紹介。ショート「夏」

カーニバル・オン・アイスで披露した2021-2022シーズンのショート「夏」

前シーズンより、プロスケーターの無良崇人さんにジャンプアドバイザーに就いてもらい、ジャンプの安定感と新たな武器も強化。
シーズン初戦の関東サマートロフィーでは、早速4回転フリップを初披露。さらにジャパンオープンでは、ルッツ、トーループ、フリップの3種類4本の4回転ジャンプを着氷するという快挙を達成。技術点も100点を突破した。

北京オリンピックのテスト大会を兼ねたアジアンオープントロフィーでは、前シーズンから磨き上げてきた演技構成点も
徐々に評価され、2位に。フリーで転倒するジャンプがあったものの、本番と同じリンクで堂々たる滑りを披露し、次戦のグランプリシリーズへの自信に繋げた。

 

2021年ジャパンオープンでの佐藤駿選手

ジャパンオープンで披露した2021-2022シーズンのフリー『オペラ座の怪人』

シーズンが本格的に開幕し、グランプリシリーズアメリカ大会に出場。

しかし大会前の公式練習中に転倒し、左肩を負傷するトラブルが発生。

一時は棄権も考えたというが、「これまで練習してきたことをむだにするわけにいかない」と、痛みに耐えながら出場。構成の難度を落とすことさえせず、高難度の4回転ルッツにも果敢にチャレンジ。ショートでは見事に成功させた。
腕がうまく上がらないなか、最後まで決死の思いで戦い抜いた佐藤選手。総合4位とメダルにはわずかに届かなかったが、次につながる気持ちの強さを見せた。

痛めた肩は回復に向かい、次戦のフランス大会。フリーでは4回転ルッツとフリップに成功。ショート4位から順位を上げ、銀メダルを獲得した。

2021年ジャパンオープンでの佐藤駿選手「オペラ座の怪人」

2021年ジャパンオープン。4回転フリップはステップアウトするも見事に着氷

12月。北京オリンピック代表が決まる全日本選手権が開幕。
ショートでは4回転ルッツが3回転となってしまい、8位発進。リベンジに燃えるフリーでは、4回転ルッツ、フリップを着氷。しかし後半のジャンプの転倒で、再び左肩を強打。脱臼してしまった肩を演技中に自らはめ直し、気合で最後のトリプルアクセルを決め、満身創痍のフィニッシュ。結果は7位と、オリンピック代表は逃してしまったが、気迫のこもった演技に会場中が心を打たれた。

ちょうど
オリンピック開幕となった2月、痛めた左肩の手術を実施。
これにより代表に選出されていた世界ジュニア選手権を欠場することとなってしまったが、翌シーズンのグランプリシリーズに間に合わせたいという思いゆえの決断だった。

その後はリハビリと体力を取り戻すべくトレーニングに励む日々。
4年後のオリンピックを見据え、佐藤選手の戦いは始まったばかりだ。

新シーズン情報

左肩手術から復帰の2022-2023シーズン

佐藤駿選手の2022-2023シーズンのショート『キャロル・オブ・ザ・ベル』

2022-2023シーズンのショート『キャロル・オブ・ザ・ベル』

2020-2021シーズンは股関節、2021-2022シーズンは左肩と、ケガとの戦いを強いられたシーズンが終わり、新たな気持ちで始まった2022-2023シーズン。

氷上での練習を再開してからは1回転から地道にジャンプの感覚を取り戻し、7月にはアイスショーでファンの前に戻ってきた。

グランプリシリーズはイギリスとエスポーにアサイン。
イギリス大会でショート4位からの逆転銅メダルで、グランプリファイナルへの望みをつなげ、挑んだグランプリシリーズ最終戦エスポー大会。ファイナル出場のためには2位以上の成績が必要だった。
ショートは4回転ルッツで転倒があり3位発進。
そして運命のフリー。冒頭の4回転ルッツは3点近い出来栄え点が付く完璧な着氷。その後もクライマックスに向け激しさを増す音楽にのせ、闇を切り裂くように次々とジャンプを決めていく。圧巻の演技を終えると、
渾身のガッツポーズ。

得点は180.62点で、総合2位。この大一番で3年ぶりに自己ベストを更新し、グランプリファイナルへの切符を手にした。


ケガを乗り越え掴んだグランプリファイナルの切符。

舞台となるのは2019年ジュニアグランプリで優勝を果たしたイタリア・トリノ。
運命のような巡り合わせに周囲の期待が高まるなか、12月、決戦の地へと向かった。

佐藤駿選手の2022-2023シーズンのフリー『レッド・ヴァイオリン』

2022年グランプリファイナル。フリー『レッド・ヴァイオリン』

グランプリシリーズのポイントで上位を獲得した6人だけが出場できるグランプリファイナル。
ショート第一滑走の重圧の中リンクに飛び出すと、4回転ルッツで惜しくも転倒し、6位スタートに。
気持ちを切り替え臨んだフリーではノーミスの会心の演技で4位。総合でもメダルまであと一歩の4位と、6位から追い上げ大会を終えた。
次に挑むのは国内の有力選手が一堂に会する全日本選手権。
今季フリーはエスポー大会から二大会連続でノーミスと好調。
ショートをフリーをそろえれば、初めての世界選手権出場が見えてくるはずだ。


プログラムの詳細

今シーズンのプログラム

SP:キャロル・オブ・ザ・ベル

FS:恋のアランフェス(レッド・ヴァイオリン)

昨シーズンに続きショートを佐藤有香さん、フリーを宮本賢二さんに依頼。ショートはウクライナの民謡をもとにした祝祭の歌で、クリスマスの定番映画『ホーム・アローン』で使用されたことで有名。今回使用したのは、“踊るヴァイオリニスト”として知られるリンジー・スターリングさん演奏のヴァイオリンバージョンで、佐藤選手自ら選曲したもの。
ファンタジーの世界を思わせる美しい旋律にのせて跳ぶのは、代名詞でもある4回転ルッツ。4回転ジャンプの中でも難度の高いこのジャンプを、まるで3回転のように軽やかに決める姿は、さながら物語の主人公のよう。
同じメロディが続く曲ながら、気づくとその世界にどっぷり入り込んでしまう中毒性のあるプログラム。スピードにのって衣装がひらりとなびく様も見事。


一方フリーは、世界的なヴァイオリニスト、川井郁子さんの「恋のアランフェス(レッド・ヴァイオリン)」。日下匡力コーチらが選んだというこの曲にはパイプオルガンが使用されており、プログラムに荘厳な雰囲気を添えている。
ジャンプが決まるたびに胸を締め付けるような切なさが増し、プログラムを通して大人の哀愁が漂う。風の中を駆け抜けるような疾走感のなかで跳ぶ、ゴージャスな音ハメにも注目。

過去のプログラム

【2021-2022シーズン】
SP:
ヴィヴァルディ「四季」より「夏」

FS:『オペラ座の怪人』

新たな振付師とタッグを組み、演技の幅を広げている佐藤選手。 このシーズンはショートで佐藤有香さん、フリーでは宮本賢二さんとタッグを組んでいる。
ショートでは、クラシックに挑戦。ヴィヴァルディの愛したイタリアの四季から「夏」を情熱的に滑り上げる。
フリーは、かつて無良さんや憧れの羽生さんも滑った『オペラ座の怪人』。フィギュアスケートファンにとっては馴染みのある音楽ながら、そこに超高難度かつ完成度の高いジャンプが加わることで、佐藤選手にしか出せない圧巻の世界観が生まれている。冒頭のルッツ、フリップを始めとした、前半のたたみかけるような4回転ジャンプは、思わず鳥肌が立ってしまうほどの迫力。

2020-2021シーズン
SP:
「パイレーツ・オブ・カリビアン」

FS:「バトル・オブ・ザ・キングス」→「ロミオとジュリエット」

初めて海外の振付師に振り付けを依頼した2020-2021シーズン。新進気鋭の振付師、ブノワ・リショーさんが両プログラムを担当。

ショートから4回転ルッツを組み込んだ高難度プログラム。鎖を解く場面からスタートし、剣を振りかざし戦うシーンがあったりと、映画さながらの迫力のあるものとなっている。

フリーは、重厚な音楽にのせて4回転ジャンプ4本という超高難度の構成を予定。

全日本選手権では、フリーを前シーズン使用した「ロミオとジュリエット」に変更して挑んだ。

シーズンの成績

 2021-2022

  • ●関東サマートロフィー 優勝
  • ●ジャパンオープン 2位(フリーのみ)
  • ●アジアンオープントロフィー 2位
  • ●グランプリシリーズ スケートアメリカ 4位
    ●グランプリシリーズ フランス大会 2位
    ●全日本選手権 7位

 2020-2021

  • ●関東選手権 2位
  • ●AUTUMN KOBATON(ジュニア) 優勝
  • ●東日本選手権 優勝
  • ●全日本選手権 5位
  • ●【GPシリーズ】NHK杯 5位

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