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三浦佳生/ダイナミックジャンプで圧倒する、新時代の神速スケーター【フィギュアスケート男子2022-2023】

初公開日:2022年3月22日

三浦佳生
Kao Miura

フィギュアスケート三浦佳生選手のプロフィール
2022-2023シーズンのショート「SP:ミケランジェロ70/天使の死」

2005年6月8日生まれ、東京都出身。

身長168cm。2026年ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックを目指す17歳。
2021年全日本ジュニア選手権優勝。ジュニアながら全日本選手権で4位、2022年四大陸選手権では3位に入ったライジングスターで、今シーズンついにシニア本格デビュー。
趣味は野球観戦。
最高時速29km超えで4回転ジャンプを跳びにいく、新時代の神速スケーター。中継カメラが追い付かないほどの飛距離をたたき出すダイナミックなジャンプも魅力。

幅のあるゴージャスなジャンプで魅せる若手のホープ

2020年フィギュアスケート全日本ジュニア選手権での三浦佳生選手
2020年全日本ジュニア選手権

4歳でスケートを始め、2017年全日本ノービス選手権Aクラスで優勝するなど、幼い頃から頭角を現していた三浦選手。
ジュニア時代は、現在シニアで活躍する鍵山優真選手佐藤駿選手とともに
“関東三羽烏”としてジュニアを席巻。互いに切磋琢磨しながら技術を磨き、シニア選手にも引けをとらない実力にまで成長した。

 
中学1年生で既に2種類の4回転ジャンプを習得していたという逸材。

スピード感満載のスケーティングと、幅のあるゴージャスなジャンプで、見る者を釘付けにする華のあるスケーター。

初優勝を目指し臨んだ2020年全日本ジュニア選手権ではショート5位からのスタート。逆転を誓ったフリーでは4回転ジャンプ3本を入れる攻めの構成に挑戦。そのうち2本を高い出来栄えで成功させ、1位に。総合得点では惜しくもトップに届かず、全日本ジュニア制覇は翌シーズンに持ち越されることとなった。

そして翌月、羽生結弦さん
宇野昌磨選手ら国内の有力選手が一堂に会する全日本選手権に初出場。この大会最年少にして、全日本ジュニア選手権で達成できなかった4回転ジャンプ3本の構成を見事成功。フリーだけなら5位の得点で、総合では7位入賞。新人賞を受賞した。

知れば知るほど好きになる、魅力満載の三浦選手

好きなものはアニメやスターバックス コーヒー。推しの球団について熱く語る姿など、屈託のない笑顔で等身大の姿をよく見せてくれる三浦選手。

しかしその考え方はとても大人びていて、語られる言葉はいつも正直で誠実。

その実直な人柄が真っすぐなスケーティングによく表れており、それが見る者の心をつかんで離さない理由の一つだろう。

また、“関東三羽烏”改め、卍ボーイズ”の愛称で知られる鍵山選手、佐藤選手とはリンクの外でも大の仲よしで、一緒に出掛けたり、SNS上で互いに称え合ったりすることも。インスタライブを開催してくれたり、大会開催時はリアルタイムで他の選手の演技の素晴らしさをツイートしてくれたりと、自らの言葉で積極的に発信を行ってくれる。



これまでの歩み

ジュニアの枠を飛び越え大躍進! 安定感が増した2021-2022シーズン

フィギュアスケート2021年NHK杯での三浦佳生選手
2021-2022シーズンのショートプログラム「冬」

2021-2022シーズン。
ジュニアの枠を飛び越え代表に選出されたNHK杯では、ショート、フリー、総合すべてで自己ベストを更新する演技を披露。世界各国の有力選手が集まる中にあっても一際目を引く豪快なジャンプは、海外の実況者の間でも注目の的に。記念すべきシニア初の国際試合で大きなインパクトを残した。

前年の借りを返すべく意気込み迎えた翌週の全日本ジュニア選手権。
ショートではジャンプの踏切りの際、氷の穴にはまってしまい、トリプルアクセルが1回転半になる痛恨のミス。ショートの規定要素を満たさず0点となり、まさかの7位という結果に。
翌日、並々ならぬ思いで挑んだフリー。
精悍な顔つきでリンクの中央に立つと、フラメンコの軽快なリズムであっという間にトップスピードへ。トリプルアクセル、4回転サルコー、4回転トーループからの連続ジャンプを高い加点が付く完璧な出来栄えで着氷。
後半の4回転トーループで大きく転倒するも、すぐに気持ちを切り替え次のジャンプに。そこからは最後まで一歩一歩に強い気持ちをのせた滑りでリンクを支配し、貫禄たっぷりにフィニッシュ。165.28点の高得点と暫定1位の表示に、熱い涙が止まらなかった。
結果は7位からの大逆転で初優勝。悲願の全日本ジュニア選手権タイトルをつかみ取った。


その勢いのまま迎えた全日本選手権は、オリンピックの代表が決まる特別な大会。
ショートは第一滑走を引き当て、張り詰めた緊張感の中登場
。しかしそのような場面でも4回転ジャンプ2本を決めきり、90点を超える高得点をたたき出し5位に。
かねてから目標にしていた最終グループでの滑走を決めた。
フリーでは満を持して4回転ループに挑戦。4回転ジャンプ計4本を着氷させたばかりか、
前半入れることのできなかった連続ジャンプを後半にリカバリーするなど冷静さも見せ、総合で4位に。錚々たる面々のなかでも持ち前の力強く疾走感のあるスケーティングで大きな話題をさらった。

この結果、四大陸選手権代表入り、ジュニアにして北京オリンピック、世界選手権の補欠一番手に名を載せた。

2021年全日本選手権で「ポエタ」を披露する三浦佳生選手
2021-2022シーズンのフリープログラム「ポエタ」

年が明けて2022年1月、タリンで開催された四大陸選手権に出場。
2018年の関東選手権と同じく、足が“生まれたての子鹿のように震えた
というショートだったが、高さのある4回転ジャンプ2本を決めてみせ、3位発進。

フリーでは前日に肉離れを起こすアクシデントがありながらも、最後まで戦い抜き3位に。
権威のあるISUチャンピオンシップ大会で初出場にして銅メダルと存在感を十二分にアピール。改めて日本男子シングルの層の厚さを世界に知らしめた。

3月7日から開催予定の世界ジュニア選手権に向けて練習に励んでいたところに、新型コロナウイルスの感染拡大による大会延期が決定。

しかし羽生さんの欠場により、今度は
誰もが目標とする世界選手権に代替出場が決定。調整を進めたが、不運にもまたしても肉離れに見舞われ、出場を断念した。
4月に延期された世界ジュニア選手権では、足の痛みが再発し、本来の力を発揮できず13位で大会を終えた。

この大躍進の続きは、シニアに持ち越されることとなったが、このシーズンの圧倒的成長は4年後のオリンピックを目指す三浦選手にとって大きな一歩となったに違いない。


いよいよ本格シニア参戦! 2022-2023シーズン

今年シニアデビューを果たした三浦佳生選手のプログラム
ジャパン・オープン披露したフリー『Beuty and the Beast』

今シーズンより満を持してシニアの舞台に参戦。
持ち前の勢いのあるスケーティングに加え、スピン、ステップや表現を磨き、芸術面でも魅せるスケーターに進化中。
目指すは昨シーズン惜しくもケガで出場を断念した世界選手権出場。
スタミナなど、目の前にある問題を一つ一つクリアしながら、世界のトップスケーターへと名乗りを上げる。

プログラムの詳細

今シーズンのプログラム

グランプリシリーズアメリカ大会で銀メダルを獲得した三浦佳生選手の「美女と野獣」の衣装
グランプリシリーズアメリカ大会で銀メダルを獲得した三浦佳生選手

SP:ミケランジェロ70/天使の死

FS:『Beuty and the Beast』

ショートは、2018-2019シーズンの「ブエノスアイレスの春」以来となるピアソラを選択。振付は初タッグとなる宮本賢二さん。
速く煽り立てられるようなテンポが特徴の緊張感漂う楽曲
が、三浦選手の類を見ないスピード感あふれる滑りに見事マッチ。シニアデビューにふさわしい、エネルギッシュな中にも大人の抜け感を感じるプログラムに仕上がっている。
音一つを拾ったキレのあるポージングにも注目。

初戦のげんさんサマーカップの後、フリーを変更。『オペラ座の怪人』改め、大好きなディズニー映画『Beuty and the Beast』で今シーズンを戦う。

魔女に魔法でビーストにされてしまう冒頭から、ビーストとしての苦悩を表現した中盤、ヒロインのベルの愛で呪いが解けるラストと、3部構成となったボリュームたっぷりのプログラム。4回転ジャンプは4種類4本と技術面でも華を添える。
振付は今シーズンも岩本英嗣さん。
映画の世界観をイメージしたブルーグレーのベストに、首元にはジャボという気品あふれる装いで真実の愛を探す。

過去のプログラム

【2021-2022シーズン】

SP:ヴィヴァルディ「四季」より 「冬」

FS:「ポエタ」

三浦佳生の名を世に知らしめた2つのプログラム「冬」と「ポエタ」。
どちらもフィギュアスケートでは著名な曲ながら、目を見張るスピードから繰り出される切れ味抜群のジャンプと情熱迸る滑りで世界に新
たな衝撃を与えた。

クラシックに挑戦したショートは、厳しい寒さに立ち向かっていくかのように全速力で駆け抜ける、生命力に溢れたプログラム。ジュニアではショートで4回転ジャンプを入れることはできないが、シニアの大会では4回転ジャンプ2本を組み込む世界トップレベルの構成に挑戦中。透明感のあるブルーの衣装は、尊敬する羽生選手の『Otonal』の衣装をオマージュして作ったとのこと。

一方フリーはフラメンコの名曲「ポエタ」。「ポエタ」といえばステファン・ランビエールさんの代表作としてもお馴染み。その演技に憧れ、いつか滑ってみたいと考えていたという経緯もあり、衣装もランビエールさんのものを参考にしているという。
鋭い眼光をたたえ始まる冒頭から、爆速で繰り出される3種類の4回転ジャンプ、

火の玉のように燃え盛る灼熱のステップ、華麗な足さばきと見どころが満載。音にピタリと合わせたラストのフィニッシュポーズまで佳生ワールドにどっぷりと浸れる作品。

シーズンの成績

 2021-2022

  • ● げんさんサマーカップ (ジュニア)優勝
  • ● 関東・サマートロフィー 2位
  • ● 東京選手権(ジュニア)優勝
  • ● 東日本選手権(ジュニア) 優勝
  • ● グランプリシリーズNHK杯 8位
  • ● 全日本ジュニア選手権 優勝
  • ● 全日本選手権 4位
  • ● 四大陸選手権 3位
  • ● 世界ジュニア選手権 13位

▷Instagram:@kao.miura

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