2020-2021シーズンは股関節、2021-2022シーズンは左肩と、ケガとの戦いを強いられたシーズンが終わり、新たな気持ちで始まった2022-2023シーズン。
氷上での練習を再開してからは1回転から地道にジャンプの感覚を取り戻し、7月にはアイスショーでファンの前に戻ってきた。
グランプリシリーズはイギリスとエスポーにアサイン。
イギリス大会でショート4位からの逆転銅メダルで、グランプリファイナルへの望みをつなげ、挑んだグランプリシリーズ最終戦エスポー大会。ファイナル出場のためには2位以上の成績が必要だった。
ショートは4回転ルッツで転倒があり3位発進。
そして運命のフリー。冒頭の4回転ルッツは3点近い出来栄え点が付く完璧な着氷。その後もクライマックスに向け激しさを増す音楽にのせ、闇を切り裂くように次々とジャンプを決めていく。圧巻の演技を終えると、渾身のガッツポーズ。
得点は180.62点で、総合2位。この大一番で3年ぶりに自己ベストを更新し、グランプリファイナルへの切符を手にした。
ケガを乗り越え掴んだグランプリファイナルの切符。
舞台となるのは2019年ジュニアグランプリで優勝を果たしたイタリア・トリノ。
運命のような巡り合わせに周囲の期待が高まるなか、12月、決戦の地へと向かった。