SP:Sing, Sing, Sing
FS:チャップリン・メドレー
ショートの振付を手掛けたのは、2006年トリノオリンピック銅メダリストで、ランビエールコーチの戦友でもあるジェフリー・バトル。
かねてから振付を望んでいたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響からなかなかその機会が得られず、今シーズン待望の初タッグが実現。
羽生さんのショートを始め、数々のレジェンドプログラムを生み出してきた彼が島田選手に授けたのは、トリノオリンピックのシーズンに自身も滑ったスウィングジャズの名作「Sing, Sing, Sing」。
印象的なドラムソロとともにゆるりとこちらを振り向けば、ドラムのリズムを体に染みこませるように体を揺らし、最高が約束されたオープニングが始まる。
これまでクラシックや抒情的なナンバーをより情感豊かに演出してきた長い手足が、このアップテンポのプログラムに勢いとダイナミズムを添えている。
ジャジーなメロディにのせ、小粋に滑る姿、そして常に笑顔で演技を誰よりも楽しむ姿に誰もが心を高揚させるだろう。
2シーズン目となるフリーは、ジュニアデビューの年となった2015-2016シーズンのプログラム「チャップリン・メドレー」。曲に合わせてコロコロ変わる表情に当時からファンの多いプログラムで、新たな構成とともにランビエールコーチが振付を行った。
音楽を全身で感じながら優雅な滑りを見せたかと思えば、コミカルな表情で楽しませる“アーティスト”島田高志郎の魅力が詰まったプログラム。
7年の間にジュニア時代から定評のあった表現力にさらに磨きがかかり、じんわりと温かい深みのあるチャップリンを演じている。