non-noメンバーに登録すると
いろんな特典が盛りだくさん♡
フィギュアスケート
2021.03.20更新日:2021.04.13
3月22日(月)~28日(日)
スウェーデン・ストックホルム
ケヴィン・エイモズ(FRA)
ダニエル・グラスル(ITA)
オレクシイ・ビチェンコ(ISR)
昨年3月、カナダ・モントリオールで開催される予定だった世界選手権は、新型コロナウイルスの影響でやむなく中止に。出場予定だった選手たちは自身の集大成となる演技を披露できないまま、昨シーズンは幕を下ろしてしまった。
それから1年。未だ感染症は世界中で猛威を振るい、予断を許さない状況が続く中、2020-2021シーズンを締めくくる世界選手権がスウェーデン・ストックホルムにて開催される。今大会は、無観客に加え、選手や関係者の安全確保のため、外部との接触を断つ「バブル」方式を採用。
シーズン序盤に開催されたグランプリシリーズは、通常とは異なり開催国出身、もしくはその国を練習拠点にしている選手の参加が中心であったため、世界各国から選手が一堂に会する大規模な大会は今シーズン初。
さらに今年の世界選手権は、来季に控えた北京オリンピックの出場枠がかかる大会ということで、例年以上に重要な位置づけとなる。
日本からは、昨年の全日本選手権でメダルを獲得した3選手が出場。過去2回優勝し、史上最強のプログラムを携え王座奪還を狙う羽生結弦選手、昨シーズンから新たな環境で再スタートを切った宇野昌磨選手、シニア1年目にして代表の切符を勝ち取った新星・鍵山優真選手。日本が誇る最強の布陣で、オリンピック出場枠最大3の獲得を目指す。
今シーズンは新型コロナウイルスの影響により、練習拠点であるカナダへの入国が叶わず一人での練習を余儀なくされた羽生選手。
そのような状況の中でも、ショート、フリーともに新プログラムを用意し、約10か月ぶりの実戦となった全日本選手権では、ブランクを全く感じさせない圧巻の滑りで会場を支配、見事5度目の優勝を果たした。
ショートの「Let Me Entertain You」は、コロナ禍で暗いニュースが続いた世界を明るく照らすようなアップテンポのナンバー。疾走感のあるメロディとともにほとばしる熱いエネルギーが画面超しでも伝わってくるような、心で観客とコネクトするプログラムになっている。
フリー『天と地と』は、「SEIMEI」に続き和のテイストを用いており、早くも”代表作”との呼び声が高いプログラム。戦いに生涯を捧げた戦国武将・上杉謙信の半生を自身のスケート人生に重ねて表現したもので、琵琶や琴の音にのせた、静と動のコントラストも見事。
ステファン・ランビエールコーチとともに臨む、2年目のシーズン。今季初戦となった12月の全日本選手権フリーでは、前回大会で組み込まなかった4回転サルコーを鮮やかに決め、幸先のいいスタートを切った。途中ジャンプの4回転が3回転となる場面があったが、機転を利かせリカバリーするなど、4回転を4本着氷するアグレッシブな滑りを見せた。結果は総合2位と惜しくも5連覇とはならなかったものの、自分らしい演技を心から楽しみ、試合で滑ることができる喜びを全身で表現する姿が印象的だった。
2019年の世界選手権では4位と、わずかに表彰台に届かなかった宇野選手。この2年間で新たに生まれ変わった不屈のファイターは、来年のオリンピック出場のため、再び表彰台の頂点を目指す。
1年目ながら、ジュニア時代から定評のあった柔らかな膝を使った安定感のあるジャンプと踊りこころを武器に、シニアを席巻中。今シーズンより4回転ジャンプの種類を増やし、さらに世界的な名振付師ローリー・ニコル氏のもと、複雑な振付にも挑戦。スケーティングや表現の面でも日に日にスキルアップしている。
自分にプレッシャーをかけることで、自らを奮い立たせる”負けん気”の強さも魅力の一つ。ジュニアのスーパールーキーとして参加した前回とは違い、初めからメダル獲得を目標に掲げ、シニアの選手として臨んだ昨年の全日本選手権。羽生選手、宇野選手といったトップ選手が揃う中でも果敢に挑み続け、見事銅メダルをつかみ取った。
今回の世界選手権は、シニアとして初めて世界の選手と戦う大会。それゆえにここでの順位が来季の重要な指針となる。目標は世界の頂点。オリンピックを目指す17歳の新星が、今世界に名乗りを上げる。
3連覇を狙う現世界王者、ネイサン・チェン選手は、2018年の世界選手権以降すべての試合で優勝し、無敗記録を更新中。北京オリンピックを見据え、今シーズンは大学を休学しスケートに専念中。スパニッシュテイストのショートなど、プログラムもこれまでとは雰囲気の異なるものに挑戦しており、新たな魅力を披露している。
お互いをリスペクトし、フィギュアスケート選手として高め合う存在である羽生選手と同じリンクに立つのはおよそ1年4か月ぶり。オリンピックプレシーズンを締めくくるにふさわしい、両選手が繰り出すハイレベルな技に期待したい。
2019年の世界選手権で銅メダルを獲得したヴィンセント・ジョウ選手。昨シーズンは学業に専念するためグランプリシリーズを欠場。
2シーズンぶりの参戦となった今季のグランプリシリーズのスケートアメリカでは、見事2位に入り、シリーズ初のメダル獲得。続く全米選手権でも2位で、4年連続の世界選手権代表に選出された。彼の武器の一つである4回転ルッツ、3回転トーループのコンビネーションジャンプは基礎点が高いばかりでなく、今シーズンどれも大きな加点が付いている。今回の世界選手権でも決めることができれば、2度目の表彰台も十分見えてくるはず。
ちなみに、自身と同じ名前のショート「Vincent (Starry, Starry Night) 」は、自身が選曲したもの。キラキラ氷の上に弧を描きながら情感豊かに滑り上げる姿に、思わず心を奪われるプログラム。
2018年の世界選手権3位、フィギュア大国・ロシアで長きに亘ってエースを務めるミハイル・コリヤダ選手。昨シーズンは持病の手術により全休していたが、今シーズンよりロシアの名伯楽、アレクセイ・ミーシンコーチの門下生に。流れるようなスケーティングやお手本のようなジャンプは健在で、直近のチャレンジカップでも大きな加点の付くジャンプを披露している。
特に伝説のバレエダンサー、ルドルフ・ヌレエフの半生を描いた映画『ホワイト・クロウ』の曲を使用したフリーは、クラシックバレエで培ったしなやかな動きに、大人の魅力が加わった、コリヤダ選手の真骨頂となるプログラム。
世界選手権では2016、2017年と過去2回銅メダルを獲得しているボーヤン・ジン選手。4回転ルッツを始めとした高難度ジャンプを得意としながらも、スピンやステップでも最高評価のレベル4を揃えることができるオールラウンダーな選手。今シーズンはシェイリーン・ボーンとタッグを組み、前衛的な振付に挑戦するなど演技の幅を広げている。さらにジャンプに安定感が増し、昨年の中国杯でも優勝。母国開催となるオリンピックに照準を合わせ、ますます進化中。
その他、若い勢力の台頭も見逃せない。ロシアからは、並みいる強豪を抑えロシアカップファイナルを制した17歳のエフゲニー・セメネンコ選手、イタリアからは4回転の中でも基礎点が高いループ、ルッツ、フリップ3種類の4回転を一つのプログラムに入れた構成で話題になった、18歳のナショナルチャンピオン、ダニエル・グラスル選手もエントリー。
男子のショートプログラムは25日(木)開催。氷上で繰り広げられる熱き決戦をお見逃しなく。