2021-2022シーズン。
ジュニアの枠を飛び越え代表に選出されたNHK杯では、ショート、フリー、総合すべてで自己ベストを更新する演技を披露。世界各国の有力選手が集まる中にあっても一際目を引く豪快なジャンプは、海外の実況者の間でも注目の的に。記念すべきシニア初の国際試合で大きなインパクトを残した。
前年の借りを返すべく意気込み迎えた翌週の全日本ジュニア選手権。
ショートではジャンプの踏切りの際、氷の穴にはまってしまい、トリプルアクセルが1回転半になる痛恨のミス。ショートの規定要素を満たさず0点となり、まさかの7位という結果に。
翌日、並々ならぬ思いで挑んだフリー。
精悍な顔つきでリンクの中央に立つと、フラメンコの軽快なリズムであっという間にトップスピードへ。トリプルアクセル、4回転サルコー、4回転トーループからの連続ジャンプを高い加点が付く完璧な出来栄えで着氷。
後半の4回転トーループで大きく転倒するも、すぐに気持ちを切り替え次のジャンプに。そこからは最後まで一歩一歩に強い気持ちをのせた滑りでリンクを支配し、貫禄たっぷりにフィニッシュ。165.28点の高得点と暫定1位の表示に、熱い涙が止まらなかった。
結果は7位からの大逆転で初優勝。悲願の全日本ジュニア選手権タイトルをつかみ取った。
その勢いのまま迎えた全日本選手権は、オリンピックの代表が決まる特別な大会。
ショートは第一滑走を引き当て、張り詰めた緊張感の中登場。しかしそのような場面でも4回転ジャンプ2本を決めきり、90点を超える高得点をたたき出し5位に。
かねてから目標にしていた最終グループでの滑走を決めた。
フリーでは満を持して4回転ループに挑戦。4回転ジャンプ計4本を着氷させたばかりか、前半入れることのできなかった連続ジャンプを後半にリカバリーするなど冷静さも見せ、総合で4位に。錚々たる面々のなかでも持ち前の力強く疾走感のあるスケーティングで大きな話題をさらった。
この結果、四大陸選手権代表入り、ジュニアにして北京オリンピック、世界選手権の補欠一番手に名を載せた。